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大政奉還後の知られざる国家構想。
坂本龍馬を理解する真のキーワード、それは北海道――。彼が北の大地に託した想いとはいったい? 龍馬の生涯と意味を書き換える。(2010年刊)
序 章 なぜ函館に坂本龍馬記念館はできたのか
第一章 暗殺四日前の手紙 -龍馬の夢は北海道開発だった
第二章 開港前後の箱館をとりまく人々
第三章 一八六四年、北海道と龍馬の急接近
第四章 北海道への夢をあきらめず
第五章 龍馬の死と二人の後継者
第六章 榎本武揚と龍馬 -二つの夢の結末
終 章 龍馬の北海道が現代日本に投げかけるもの
うーん、どの様に評価すれば良いのだろうか。読み物としては面白いが、学術的ではない。日本近世・近代史が専門とあるので、期待していたがさほどではなくて正直ガッカリした。
参考文献をみると、自著、新書、文庫が目立つ。(新書文庫が悪いという訳ではないが、全体的に軽い印象を受ける。)
本文では「感じられる」とか「ちがいない」といった表現が目立つ。そういった憶測を根拠として論じられるので説得力が無い。また、事実誤認(竹島、蝦夷共和国)も目立つ。
坂本龍馬は、ファンも多くどうしても過大に評価されるきらいがある。歴史上のスターすぎて等身大の評価がされていない。本書を読んでいても、ところどころから著者の龍馬熱が感じられる。
本書は歴史書としてではなく、読み物として楽しむべきであろう。