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上巻読了。
彦根藩士である夫・三浦芳之助を殺されてしまった、妻・三千代が、夫の仇を討つために、彦根から江戸へ旅をする物語。
“夫の仇討”を決意、というと芯の強い女性を思い浮かべがちですが、本書の三千代はそういうタイプではなく、どちらかというと、ちょっと頼りない感じの女性です。
そのせいか、旅の途中で同行した若党や無頼の浪人に身体目当てで襲われる始末。その時に助けてくれた老医師・堀本伯道や彼の知人に江戸まで連れてきてもらい、江戸での奉公先も見つけてもらうなど、人に助けられまくっています。
江戸での生活に慣れつつある三千代を、“仇”である近藤虎次郎が陰で見守るようなかたちになっていて、どうも近藤虎次郎が三千代の夫を斬ったのも、正当な理由がありそうです。
三千代をめぐる男たちの、ニアミスにつぐニアミスな展開に焦れつつも続きが気になって仕方がないという・・さて、下巻はどのような展開になるのでしょうか。
因みに、“軍鶏鍋屋「五鉄」”が出てくると鬼平ファンとしては、ついニヤニヤしちゃいますね。