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2020年の英国図書賞などミステリー4冠の作品です。ストーリーは、アフリカのナイジェリアで裕福な家庭に育ちながらも父親のDVで心に傷を持つ母親と2人の娘、現在は3人家族で妹のアヨオラが彼氏を3人もナイフで刺し殺した連続殺人犯だ。
幼い頃から父親からの暴力を庇って来た姉のコレデはアヨオラの連続殺人も死体遺棄や証拠隠滅を自らの手で処理する。
物語の最初からまるで、腕に止まった蚊を潰す様な感覚で彼氏が死んだ、殺したとあっけらかんと姉に伝える。姉も、あーぁ、またやったの? みたいな軽い感じの遣り取りが笑える。また所々でコミカルな会話が出てくるが飽くまでも彼女らは殺人者なのだ。
物語はそんな軽い感じの雰囲気で終始し、最後もアレ、やっぱりね…姉妹揃ってイカれてません?みたいなノリで終了です。
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なんとも珍しいナイジェリアミステリ。
人物描写や人間関係にそこはかとなく文化色を感じ、序盤やや馴染めない感じがしたが、凝縮された3~5ページからなる章を連ねた小気味よい構成に引き込まれていった。
何故か付き合う男、付き合う男をナイフで殺めてしまう妹アヨオラに振り回される姉のコレデ。
アヨオラの次なる標的はコレデが職場の病院で密かに想いを寄せる医師のタデ。
アヨオラのぶっ飛びっぷりと、その言動を諫めながらも心の底では血の繋がりによる愛情を捨てきれないコレデの物語の行きつく先はどこなのか。
とてもサスペンスフルで、なるほどおもしろいと感じた。
結末が期待していたほどひねりの利いたものではなかったのでやや残念だったが、今後に可能性を感じた作品。
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コメディ寄りかと思ったら全然そんなこともない。
シリアルキラーの妹を持つ真面目な姉が主人公。
滅茶苦茶に読みやすくて展開も面白かった。
話のつくりがうますぎる
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ナイジェリア人の作家さんということで、気になって読んでみた。
アフリカが舞台の作品は、ほとんど読んだことがないので新鮮。
ミステリ・レーベルから出ている本だけど、自分的にはこれは純文学だと思う。
登場人物のほとんどがクズだと思ってしまうのは…自分がおかしいのか?
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機能不全家族という土壌で形成された姉妹の歪な絆。理解し難い所もあったけど、人命の軽い国では割り切りの良さがないと幸せは手に入らないのかも。
軽快に流れる文体は、不気味な世界に独自のユーモアを与えていて面白いなと思いました。
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「ねえコレデ、殺しちゃった」美しく誰からも愛される妹アヨオラから掛かってきた3度目の電話。妹とは違い控えめで堅実な姉コレデは、彼女が犯す犯罪の隠蔽を続けていた。
衝撃的な題材だが淡々とした文章から、事件が姉妹の日常に溶け込んでしまっている様を思わせる。ソシオパスの妹だけではなく家長制の背景についても考えさせられる一冊だった。短めで読みやすい。 ハヤカワポケットミステリは小口染めが可愛らしいですね。持ち歩いてるだけで嬉しかったです。
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久しぶりにどこに連れて行かれるかわからない内容ではらはらした。私自身、お姉ちゃんなのでコレデの妹に対する庇護欲はちょっとわかる。
すっかり姉妹に肩入れして読んでいたため、タデに対しては勝手な男めと思っていたけど、君どっちかっていうと被害者だよね…。ごめんな。
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妹の殺人の後始末,過去のトラウマ,ほのかな恋,抑えきれない感情を目覚めない患者に語りかける看護師のコレデ.その出口の見えない姉妹の関係に胸が痛む.
次々と起こる事件をサクサクと明快に書き分けて,会話も巧みでとても面白かった
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ナイジェリアの作家が描く、サイコミステリー。交際相手を殺しがちな妹、その後始末を手伝う姉。姉妹の性格も容姿も真逆といってよい。
家族、ジェンダーなども描きつつ話が進むが、重たくなりすぎず軽妙で読みやすいこの作品。ほんの1-3ページずつに章が分けられて描かれているのも驚きだが、重たいシーンでも軽妙なジョークが挟まれる。ナイジェリアの文化なのではとのこと。この独特な感覚は、ぜひ味わってほしい。
お勧めです。
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初のハヤカワミステリ。
読みやすい文体で、細かい節に区切られているのでサクサク読めました。
妹怖すぎ、かつての父親ももっと怖いけど。
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ナイジェリアの治安だからこそ成り立つハラハラドキドキのサイコミステリー。これが監視カメラが街に点在する日本だったらすぐに犯罪の足がついてしまうだろう。時に互いに懐疑的になりながらも一緒に生きていく姉妹の姿は、運命共同体というか一蓮托生というか。シフターフッド的な作品でもあり、とても楽しめた。