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久々の長編でした。
テーマはバタフライ効果なのでしょう。
些細なことがやがて大きな変化をもたらしている、それって自分の人生でも考えてみるといろいろあると思いました。
こういった偶然は決して良いことばかりでないと思うと、果たして良いのか悪いのか考えてしまう部分もあります。
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とある村で起こった事件に関して、異なる登場人物からそれぞれの章で物語が語られる。
各章を読み進めて行くうちに、どの出来事とどの出来事が繋がっていくか期待しつつ、多方面に関係する試験の真相は本当にスッキリしたものになるのか不安になっていった。
個人的には、全ての伏線や出来事がスッキリはしなかったので、若干の期待外れでした。
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嘘、偶然、誤解が時に人生を大きく変えてしまう…というような、これまでの道尾作品に通じるモチーフが軸となっている。あぁ、道尾さんらしいお話だな、とすごく思った。
3つの中篇のつなげ方と伏線回収はさすがでした。
1つ目の「心中花」が特に好きです。満月と雨の日を心待ちにする恋。なんて素敵なんだろう。
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自分の言動が、知らないところで誰かに大きな影響を及ぼしている、ということはどのくらいあることなのだろう。
いつも思うのが、偶然だと思うことは、必然の範疇の一片なのではないか、ということ。そして出来事はいつも主観的にしか見れず、角度を変えて客観視したら全く別の出来事なのではないか、ということ。
最後の一文がなんだか穏やかな気持ちになれる。
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「風が吹けば・・・」の小説版のよう。
著者が技巧を如何なく発揮し、様々な糸が織り込まれ壮大な織物が完成したかのような小説。
ひとつの嘘が発端となって、さらに嘘が重なり、思わぬ局面へと発展する。
嘘が悪とは一概に決めつけられないと、著者は提示しているのだろうか。
「ちょっと過去が違ったら、未来がいろいろ変わって」、さらに「あちこちにつながってる」。
一人の少年が思い惑う。
「自分たちは、生まれてきてよかったのだろうか。自分たちが生まれてこなかった世界のほうが、幸せな人が多かったのではないか」
現実の世界でも、我々も経験する。自分の家族、孫や子の存在が、もしあの時、○○しなかったら・・・。もしあの時、○○していたら・・・。
人生は、必然と偶然とのからくり模様(笑)。
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偶然が重なり、登場人物がお互いに影響しあって糸のように繋がっていておもしろかった。
気づかないうちに自分の何気ない行動が全くの他人に影響していたり、影響されたりもしているんだろうなと思った。
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綺麗に纏まった作品。著者の作品は何作か拝見していますが、まさかハッピーエンドで終わるとは。
他人に勧めたいと思う程ではないが、決してつまらないわけではない…そんな可もなく不可もなくといった作品。
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3つの章に分かれているが、それぞれで一つの話が完結するものの、最後の「無常風」で話全体がまとまるという構成.藤下歩美と島崎の淡い恋物語の「心中花」で始まるが、「口笛鳥」は佐々原學と茂下駄昴、それぞれ"でっかち"、"まめ"と呼び合って田舎の町で遊びまわる二人を描写しているが、冒険物語もある.35年後の「無常風」で島崎源哉と藤下歩美が中江間建設と野方建設での事件の真相を解明し、野方逸子を脅していた井川(イザワ)の正体を暴くというストーリー.構成自体がやや複雑だったが楽しめた.
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一章ずつに分かれているけどストーリーは時間軸を変えながらすべてが繋がっている。
なんか不思議な構造だなぁと思いながらも、それぞれの人生、その人たちの生きた時代を追体験していく感じで読みました。
誰の人生でも、こういうことが起こっているんだとは思うけど、改めて物語として読むと、すごいなー。
奇跡というか、偶然というか、必然ってあるよなぁ~などと思います。(この語彙力なんとかならんかね~)
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2021年、16冊目は、追いかけてる作家の一人、道尾秀介。
下上(しもあげ)町、上上(かみあげ)町、そして、二つの町の間を流れ、海へと注ぐ西取川。約40年前の西取川の護岸工事に端を発する、幾つかの出来事と、それに関わる様々な人々が交錯して行く。
道尾らしい作品。実に上手いこと、伏線回収していった感がある。読後感も悪くない。
さらに「解説」を読んで驚いたのは、第二章『口笛鳥』が中編として発表され、それに肉付けする形で、第一章。第三、四章が加えられ長編となった事実。確かに、連作短編的触感はあったが、独立した一編からとは。
第四章では、カーテンコール的にオールキャスト勢揃いも、今回は何だか「ほっ」とさせられる。
多少の事件性や死者は出るものの、ミステリーとしては控えめ。『貘の檻』がボタンの掛け違いなら、『風神の手』は連鎖的ポイント切り替えで迷走するも無事に目的地到着って感じかな。
分量はソコソコあるが、読み憎さはなく、展開ドライブ感もあり。文句ナシで、★★★★☆評価。
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偶然が重なって様々な場面で混じり合い巡り合い人々の運命を変えていく。
別々のストーリーのようだけど違う時間軸の中でどこかで少しずつ繋がっていて、最後まで読むと全ての繋がりが分かりたくさんの伏線もスッキリと片付いていく気持ちの良い話でした。
1話目の最後の数ページまで全ての情景が雨か満月の夜の中で起きているように見え、切なく悲しいストーリーが続いて行くのかと思いきやそこから一気に全てがカラッと晴れた暑い日の情景に早変わり!雰囲気が180度反転してコメディ感ありの明るい話になっていました。(道尾秀介の暗い小説ファンの私としてはちょっと物足りない
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「風って、どうやって吹くのかな」
「最初に、何があるんだろ」
この世は偶然の産物であることを、
まさに「風が吹けば〜」で示した物語。
あの日、あの時、あの場所で…
「トゥクトゥン!」と何度か小田和正が脳内再生された。
道尾さんお約束の数々の伏線回収も見事だが、
『雷神』とは打って変わって、そよ風を思わせる心地よさがあった。
クラゲパチンコ、やってみたいな。
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3部作の短編かと思いきや、違う視点の2つのお話だけど、最終章で全てが繋がる。
1話目の2人のもどかしさときたら!
2話目の少年たちが可愛くて面白かった!
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「好きとは言えないのに読んでしまう作家」のうちのひとりが道尾秀介なのですが、本作を読むと、私やっぱり彼が好きなのかもしれないと思うのでした。
裏表紙から想像したのは、ちょっとオカルトの入ったミステリー。遺影専門の写真館が舞台で、死んだはずの人が写っているとなればそう思いませんか。
だけどちがった。いったい各章の登場人物はどう繋がっているのか。とってもややこしいので、500頁弱のボリュームでもとっとと読むことを勧めます。でないと、誰が誰かわからなくなる。
どの人もいろいろある人生だったけれど、いろいろあったからこそ今がある。あなたがいる。よかった。
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まさに数奇な運命!
伊坂幸太郎さんみたいな書き方で面白かった〜!
色んな偶然が重なり合って現在私たちが存在しているんだよね
どうやったらこんな上手く話つなげられるのって感動したもん