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amazonの内容紹介
国連の「SDGs」って何?
2030年までにプラスチックをどうすればいいの?
使い捨て生活は、もうしたくない。その解決策の最前線。
96Pで学ぶ「未来への新常識」
14歳から読める! わかる! カラー図版満載の‟図解でわかる"シリーズ第10弾!
(目次より)
Part 1 いま世界が直面するプラスチック危機
Part2 プラスチックの基礎知識
Part3 プラスチックと環境問題
Part4 プラスチックリサイクルのいま
Part5 脱プラスチック生活への道
Part6 プラスチックの歩みと社会の変化
国境を越えるプラスチックごみ/ヨーロッパ諸国のごみ戦略・リサイクルから脱プラスチックへ/経済優先のごみ大国アメリカで行き詰まるリサイクル事業/いち早くレジ袋規制に踏み切ったアジア・アフリカの途上国/最もリサイクル率の高い国は?/2030年までになすべきこと ほか
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プラスチックについて網羅的に学べる秀逸な本、決して子供向けではない、かなり情報量が多いが、端的に書かれていてすぐに読める。
日本ではゴミの分別がしっかり行われているため、リサイクルされているので良いと思いがちだが、プラスチックのリサイクルはコストの問題で実はほとんどが燃やされている。プラスチック自体の使用量を減らしていくのが重要だと認識した。
一方で燃やすのはだめではないよなという疑問がある。プラスチックを原料から新しく作るのにもエネルギーを要するし、プラスチック自体が燃料となってゴミが燃える側面もある。
また、使い捨てを除くのは悪くないが、繰り返し使えるものも永久に使えるわけではない、その捨て方やどのくらい繰り返し使ってくれるかが肝であり、全体感を持って考えないと実は環境に悪いことをしてしまいかねない。
◯プラスチックの特徴
腐らない: 分解する微生物が自然界にいない
炭素と水素から成る有機化合物
熱硬化性(加熱して柔らかくなり冷えると戻る)、熱可塑性(熱を加えると硬くなり戻らない)に分けられる
◯昨今のプラゴミをめぐる動き
・中国は安い人件費を使って廃棄プラスチックから再生させることでプラスチック製品を作り成長してきた、しかし処理できないものは放置、流れ出して汚染が進んだ
・中国のプラゴミ輸入禁止後、不正輸出がアジアで相次ぎ、バーゼル条約が改正、汚れたプラゴミは輸入国の許可がないと輸出できなくなった
・アフリカは30/54でビニール袋禁止化、プラゴミの山と家畜が誤飲して相次いで死亡、分別や処理ルールを作るより禁止のが早いという事情。
◯プラゴミによる海洋汚染の源
・プラスチック製品の加工原料として使われる樹脂ペレット(プラスチックを一度溶かして直径数mmの粒状にしたもの)で工場や輸送中に散乱したものが河川を通じて漏出。
・魚網
・3.11で150トンの家財が流れた
・一番の問題は河川から、8割が中国中心のアジア諸国
・海洋生物が大量にプラゴミを誤飲
◯マイクロプラスチック(5mm以下)
・海に5兆個ある、動物プランクトンと同じサイズ
・洗剤や歯磨き粉に入っている、合成繊維の服、メラミンスポンジのかす
・人も摂取して排泄されている、人体への影響は不明
・マイクロプラスチックは周辺1トン分の海中の有害物質を濃縮して取り込んでしまう(POPsなど)
◯有害性が疑われるプラスチックもいくつかある
・ビスフェノールA(BPA):ポリカーボネート、エポキシ樹脂の原料。環境ホルモン(脳や前立腺、乳腺への影響)。容器、缶詰内側のコーティングなどへ使われている。
・フタル酸エステル:ポリ塩化ビニル(PVC)の可塑剤として使用、プラスチックは様々な添加剤が使われるが、プラスチックの成分と科学的に結合しているわけではないので溶けだすことがある。生殖毒性や発がん性が疑われている。
・三酸化アンチモン
・ノニルフェノール(NP)
◯3つのリサイクル
・マテリアルリサイクル(mechanical recycle by ISO):物理的な方法で原料にして新しいプラスチック製品を作る
・ケミカルリサイクル(feed stock recycle by ISO):科学的に分解して、様々な化学原料に再生、モノマーに戻して再利用
・サーマルリサイクル(energy recovery by ISO):ごみを焼却して発電などに有効利用
・産業系廃棄物は種類がはっきりわかっていてまとまった量があるのでマテリアルリサイクルが進んだ。家庭ごみが雑多なものが混じるため分別の壁、
◯世界のリサイクル事情
・ヨーロッパはリサイクル率も高いが、リサイクルから使い捨てプラ使用禁止へ梶を切った
・アメリカはごみの輸出ができなくなり、自治体が処理費用を負担できず問題になっている。カリフォルニアが上手く分別しながらリサイクルを進めている。
・コカ・コーラ、ペプシコ、モンデリーズ、ネスレ、レゴと言う順に使い捨てプラの排出量が多いが、各社切り替えを進めている。生分解プラや
◯日本のリサイクル事情
・リサイクル率86%だが、58%がサーマルリサイクル、ケミカルリサイクル4.4%は還元剤やコーコスなど結局燃やすもの、マテリアルリサイクルの23.4%のうち、6割は海外へ輸出
・焼却施設が多く、圧倒的に食客率の高い日本、ごみ発電による熱は公共施設へしか供給されていない。途上国で埋め立ては一般に多いが、アメリカでも5割、カナダでも7割が埋め立て。国土が広いと先進国でも埋め立て
・消費者はごみを分別、自治体が回収選別してリサイクル業者へ引き渡し費用を払うというスキーム。自治体は2500億円年間負担しているが、容器包装を利用する企業の業務委託費はリサイクルされた量にしかかからないため380億しかなく、これが免罪符となり自治体の負担が大きい。プラ(容器包装ごみ)は汚れたものも多く、サーマルリサイクルも認められるためほとんど燃やされている。
◯プラスチックの生涯に責任をもつ
・全世界ではプラスチックの9%しかリサイクルされていない。
・費用がかかる、再生プラは質が悪い、種類があまりに多い、組み合わせて使われたり添加剤が使われる
・生分解は、耐久性が低い、コストが高い、水中や地中では分解されにくい
◯アップサイクル: リサイクルした物をより良いものに作り替え付加価値を高める
・フライターグ、グローブホープ
・デイブハッケンス、プレシャス・プラスチック、手作りマシンで加工
◯脱プラへの道
・量り売りの店の利用
・プラスチックを入れない、今あるプラスチックを長く使う
・買う前に素材成分を確認
・自らつくる暮らしを取り戻す、無理なく
◯プラスチックの歴史
・第二次世界大戦時、小型軽量のレーダーの構築にポリエチレンが活躍した。
・触媒の開発にも重合させやすくなった。
・衛生に保ち、低コストで様々な使い捨ての道具がプラスチックによって作られたことで医療技術は飛躍
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タイトルは14歳からのだけど、大人が読んでも勉強になる本。
プラスチックは食品、医療といった人々の暮らしに多大なる恩恵を与えた一方で、自然下では分解されず、残り続け問題となっている。
特に、海に流れたプラスチックが海の生物に危険を及ぼしている。
なんであれ作ってはい終わりじゃなくてその後の流れまでをひっくるめてエコシステムとして作り上げていくのが理想だと思った。難しいけど。
日本のプラごみ有効利用率は86%と高めだが、実際の中身は焼却によるエネルギー変換らしい。
つまりプラごみ自体は炭になってるようなもん、、、
4Rの4番目Refuse. プラスチックをそもそも使わない。たしかに駄菓子なんかのプラ包装は過度な気もする。
プラモデル好きなんだよなー笑
これが難しいのはプラスチックは環境に悪影響を及ぼす。だからダメだよねって一概には言えないこと。先にも書いたけどプラスチックのおかげで救われていることもある。
(タバコは健康に悪いから無くそうと同じような感じ。)
自分に出来ることはゴミはちゃんと持ち帰ることや分別をしっかりと行うことかなと思った。
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今使っている身のまわりのプラスチック製品、消耗品や買い替えどきなら見直すのわかるけど、ケースとかリサイクルできていない今替えたら、ただいたずらにゴミを増やすだけでは?
替えればいいってもんじゃないでしょ。
すでにあって定着してるのであれば、今持っているものを使い続ける方がいいこともあると思います。
世界的にはレジ袋製造販売使用禁止してる国も結構あるんですね。知らなかった。
アフリカとかオーストラリアなど自然が多い所に集中しているが、ゴミ処理場の整備が不十分で、空き地に投げ捨てるだけのオープンダンプ方式が多いことによる。
ごみのもとをつくらないという判断は途上国ならでは。
ポリ塩化ビニルPVC 燃えにくく丈夫
消しゴム、レコード、サッシ
ハイポリHDPE 衝撃や薬品に強い
レジ袋、ポリバケツ、ボトル容器
ローポリLDPE 水より軽く柔らかい
ジッパー袋、透明ポリ袋、マヨネーズ容器、紙パック
ポリプロピレンPP つやがあり燃えにくい
食品容器、食品包装フィルム、ペットボトルキャップ、風呂用具
ポリスチレンPS 衛生的で水に強い
発泡スチロール、テレビやパソコンの外側、家の壁の断熱材
ポリエチレンテレフタラートPET 透明で丈夫
ペットボトル、フリース、手袋、毛布、卵パック
プラスチックは有機物
炭素・水素
炭素化合物=有機化合物
ナフサ分解→プラスチック原料
エチレン、プロピレン、ブタジエン、ベンゼン、トルエン、キシレン
plastikos ギリシャ語由来 形をつくることができる
熱可塑性プラスチック チョコタイプ
ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレンなど
熱硬化性プラスチック クッキータイプ
フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂など
リサイクルできない
ポリマー 重合体、付加重合、高分子化合物
ポリ=たくさん
タンパク質やDNAも高分子
水素の手1 酸素の手2 炭素の手4
ダイオキシン発生に繋がるのは塩素を含むもの
合成繊維を洗濯するとプラスチック繊維が流出
歯磨きや洗顔フォームからマイクロビーズ流出
ポリエチレン、ポリプロピレン、メラミンスポンジの削りかすなど
プラスチック破片は海水中の有害化学物質を濃縮する(石油に汚染物質吸着)
カネミ油症事件 PCBポリ塩化ビフェニル 絶縁油、熱交換器、ノンカーボン紙
DDTジクロロジフェニルトリクロロエタン 殺虫剤
ダイオキシン
有害化学物質
ポリカーボネートやエポキシ樹脂の原料 ピスフェノールA BPA
環境ホルモンの疑い 内分泌撹乱物質
代替物のピスフェノールSも安全性に疑いあり
フタル酸エステル ポリ塩化ビニルPVCの可塑剤
生殖毒性、発がん性の疑い
三酸化アンチモン ペットボトル製造の触媒 発がん性の疑い
ノニルフェノールNP プラスチック製容器 環境ホルモン
PFOS PFOA フライパン焦げ付き防止加工有機フッ素化合物 有害性国連禁止
日本
マテリアルリサイクル 23.4%物理的再資源化
ケミカルリサイクル 4.4%化学処理再資源化
サーマルリサイクル 58%焼却エネルギー利用
スウェーデン1904年からごみ発電で地域暖房などまかなう
ヨーロッパ諸国、韓国はリサイクル率が高い
ドイツ デポジット制回収
ベルリン オリギナルウンフェアパックト 食品個別包装廃止 持参容器に量り売り
スウェーデン 街中のリサイクルステーション
ペットボトルなどはデポジット制
暖房用エネルギー20%がごみ発電
フランス リサイクルステーション 使い捨てプラスチック禁止
再生されない包装材使う商品は罰金
インド 廃プラで高速道路建設
インドネシア海藻でつくった食べられるプラスチックEvoware 温水で溶ける代替品
東レ、東洋紡STC、ユニチカトレーディング
自社製品リサイクルする日本の繊維メーカー
プラスチック食べる酵素イデオネラ・サカイエンシス
PETase
ドイツBASF
完全生分解性発泡プラスチックecovio
ポリ乳酸+コポリエステル
カネカ生分解性ポリマーPHBH ストロー
日本 容器包装リサイクル法
1995制定2008一部改正
プラ容器包装は実のところ多くが燃やされている
容器包装の定義がわかりにくい
自治体の負担大 不純物取り除き運びやすいよう圧縮し一定量保管 全国年間約2,500億円、企業負担委託金は約380億円のみ
負担金払わないただ乗り企業も相当数存在
企業負担が軽すぎる
容器包装製造利用販売企業はリサイクル取りまとめる協会に委託金支払う
消費者ゴミ分別
自治体収集選別してリサイクル業者に引き渡す
リサイクル業者には協会からリサイクル費用支払われる
企業は製品全体ではなくリサイクルされた量に対してしか支払い義務がない
全世界のプラスチックリサイクル率9%
4R
リフューズ 断る、使わない
リデュース 減らす
リユース 再利用 繰り返し使う
リサイクル 再生利用
生分解 微生物による分解
生分解性プラスチック
トウモロコシ原料ポリ乳酸からつくられるバイオプラスチック 最終的には二酸化炭素と水に
生分解されるということは長持ちしない
環境によって生息する微生物が異なるため、速度も変わってくる
ポリ乳酸 高温多湿は分解、土や水の中では分解されにくい
バイオマス 再生可能な天然由来の材料
バイオマスプラスチック 石油由来材料限定的使用や生分解性を持たないものもある
バイオマスプラスチックは普通のプラスチックや添加剤と混合が多い
生分解性有無にかかわらずバイオプラスチックをの普及には、普通のプラスチックとは別に回収してリサイクルするシステムが必要
ゼロ・ウェイスト ごみゼロ
徳島県上勝町 生ゴミの堆肥化、45種類の分別など 2016年には約81%リサイクル率
アメリカサンフランシスコ 約80%資源化
4L ゼロウェイストの基本
local 地域主導
low cost 低コスト
low impact 低環境負荷
low tech 最新技術に頼らない
アップサイクル
不要になったもの��よりよいものにつくりかえ、付加価値を高める
スイス フライターグ
フィンランド グローブホープ
ファッションブランド 古着やシートベルト、工事用ビニールシートなど廃材からデザイン性高いバッグや雑貨へ
アディダスやプラダ 海で回収したプラごみをアップサイクルして製品開発
アクアフィル社漁網など再生し開発エコニールで新コレクション
プレシャスプラスチック
オランダ個人発
プラごみを集め手づくり加工、カラフルタイルや小物にアップサイクル
ダウンサイクル
ペットボトル→運搬用パレットや植木鉢など低価格製品に
ポリエチレン、ポリプロピレンは比較的安全
ポリカーボネートの哺乳瓶はNG
防水の紙袋も生分解性ってことかな?
第二次世界大戦がプラスチックを制した連合軍が勝ったという視点は初めてでした。
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プラスチックとは。
プラスチックにまつわる諸問題。
そして、プラスチックが生まれた背景や、人々が依存するようになった理由。等について、以前より理解できました。
プラスチックが問題だとは分かっていても、なかなか行動に移せなかったり、プラスチックが避けられない生活に嫌気がさしたり、そんな気持ちがあっても、この本を読むことで前向きに変わっていけるような気がします。
14歳からの〜という通り、大人にとっても明解で、環境問題に興味を持ち始めた私のような者にぴったりの一冊でした。
学校の教科書になってほしいくらい、日本人の全員に知って欲しい内容です。
文が少なく、図解で分かりやすくなっています。
図書館本で読んだけれど、古本で見つけたら購入したい。
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「#マイクロプラスチック」「#海洋プラスチック」が気になるなら読んだ方が良い。
こういう書籍で大事なのは「難しいからといって内容を省かないこと」だと思う。プラスチックについて高校の「化学」で学んだ(はずの)こと出てくるが、ちゃんと思い出せた。この本をきっかけに「化学」を学ぶ(学び直す)人も出てくるかもしれない。あるテーマに絞ることで学校ではバラバラに学んだことが集約されることがある。「知」や「人のつながり」を生む「場」になる可能性がある。
「導電性ポリマー」がポリアセチレンの合成に研究生が失敗し通常粉末になるものが黒い膜になったことがきっかけというところが絵になっている訳だが、筆者の情報収集能力の高さが垣間見える。神は細部に宿るのの好例ではないのか。
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入門書として良いのではないでしょうか。
但し、ある1側面からの説明であり、全体最適を見ているかは疑問。
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ニュースでプラスチックの問題が話題に上がっているのを聞いて具体的に何が問題なのかを知ろうとして読みました。
100ページほどでビジュアル重視の本なので概観が掴めます。14歳からとありますが、大人にとっても勉強になります。
昨今のGenerative AIのごとく、プラスチックは汎用性が高く、加工がしやすく、しかも安価なのでこれだけプラスチックが溢れてきた理由がよくわかりました。
勝手に日本はリサイクル大国だと思っていましたが、プラスティックリサイクルにおいて、燃やしたエネルギーを利用するサーマルリサイクルが過半数を占めているのも驚きです(世界的にはサーマルリサイクルはリサイクルと認められていない)。
色々と考えさせられました。