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この本を読んでも、「リアル店舗の生き残りの答え」を得ることはできなかった。
しかし、自分で考えるための判断材料や情報を得ることができた。
苦しいが、頑張ろう。
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人口の減少。これは避けようのない事実である。
現在約1億2000万人の人口が、2050年には約9000万人まで減少する。30年後の人口は現在の75%になってしまう。
人口に比例して、マーケットボリュームも減少してしまう。単純に考えれば、30年後のマーケットボリュームは現在の75%。
一人当たりの収入や支出額の動向も、ほぼ横ばい、もしくは漸減傾向にあり、日本経済そのものが低迷している限り改善は見込めない。
そんな状況下では、現状維持すら難しい。
30年後、現在と同じマーケットシェア(率)を確保していても、ボリュームの減少に伴って売り上げも75%になっているだろう。
縮小するマーケットボリュームの中で現在と同じ売上を維持するためには、他社からシェアを奪う方針でなくてはならない。
売上至上主義から脱却し、小さくても利益のあがる仕組みを考えようと思う。
その鍵は、『わざわざ』という消費行動にあると思う。近くなお店ではなく、わざわざ遠くのあの店まで行く。このような『わざわざ』時間と労力をかけたいという気持ちが、顧客価値を高めることになる。
その典型例が、旅行だと思う。
旅行という行動それ自体が『わざわざ』の塊である。だから、観光客の財布の紐は緩んでしまうのではないだろうか。いや、そもそもお金を使いにきてるのだから、財布の紐は緩いはず。笑
そんな消費者心理を突いて、お土産品や観光地の飲食店なんかは、単価が高かったりする。
観光関連業者は、製品ではなく旅行に付随する体験を売っているといえるかもしれない。
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『人件費や家賃、その他の経費がかかってしまうリアル店舗で売るよりも、出店手数料だけのEコマースで販売した方が利益が出やすい』
との記述があるが、これはとんでもない間違い。
現場での経験からすると、
Eコマースでは出店手数料のほかに、
広告料、運営委託料、梱包資材料、発送料等
多くの費用がかかる。
〇〇市場では広告を出さないと勝負にならないし、
中小零細企業は、Eコマースにさける人材もリソースもノウハウもない。
ある程度の売上をあげるには、それなりの広告を出し、サイト設計を外部の業者に委託するしかない。
結局、売上が上がっても利益は雀の涙。
良くて10%程度である。あくまで私の肌感覚。
例えば、
〇〇市場で1,000円の商品が月1,000個売れたとすると、売上1,000,000円。
・原価30%(300,000円)
・出店手数料5%(50,000円)
・外部委託料5%(50,000円)
・配送料270円×1000件(270,000円)
・梱包資材料30円×1000件(30,000円)
ここまでで、費用が700,000円。利益は300,000円。既に利益率は30%。
ここに広告料がかかってくる。
広告料は種類によって全く違うためなんとも言えないが、きちんと広告をしようとすると10万円単位で吹き飛ぶ。下手すれば赤字すらあり得る。
著者はディベロッパーとして商業施設の開発・運営に携わってきたという経歴から察するに、
大企業や大規模施設のリアル店舗については的を得ているが、中小零細企業や個人事業者の規模のリアル店舗の現場は、そこまで詳しくないのかもしれない。