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遊園地で働く人々の悲喜こもごも
と、言ってしまえばそういうことなのだけど
当たり前だがそれぞれの人生がある
そんなことを改めて考えさせられる
みんな頑張ってるんだってことを。
人間がいとおしくなる一冊。
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限りなくリアルで、そして優しい小説だと思った。
これを読んだ人全てが登場人物の誰かと同じような思いをした事があるのでは。自分の現状に満足できてなかったり過去の後悔を引きずってたりしている事を周りの人のせいにして自己嫌悪に陥って、そこから抜け出せなくて。
でも、それでも人と関わる事を避けて通るのではなく、ほんの少し歩み寄る事によってほんの少しずつ現状を変える事ができるんだという事をふわっと教えてくれている。
寺地さんは何故いつもこんなにも人のマイナスの感情に寄り添えるんだろう?私もそんな人間になりたい。
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【収録作品】月曜日 萩原紗英/火曜日 村瀬草/水曜日 篠塚八重子/木曜日 山田勝頼/金曜日 国村左門/土曜日 三沢星哉/日曜日 すべての働くひと
地味に、誠実に、目の前のことをやるしかなく、その積み重ねが生きるということ。そんな自分を見ていてくれる人がいるという温かさが感じられる。
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読み進めていくうちにどんどん引きこまれていきました
最後の1/3はどんどんスピードが上がっていきました
みんなに似たような、けれども同じではない日常と生活があること、そしてその積み重ねとしての人生がある
本当にその通りだなあと思う
自分がミスしたり落ち込む事がある時
誰かの姿と自分を比べたり
他人と比べたってしかたないってわかっててもしてしまう
羨望と憎悪は表裏一体
だけど、みんなそれぞれの人生を送ってるんだよね
って当たり前のことを見れた気がします
本はいつでも自分は客観的に見れるから
だからそんな当たり前を理解できるのかもしれないなぁ
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面白かった。社長はあの人を想像するし、蛍石の名前からして場所もあのへんかな。遊園地は今はなきエキスポランドを思い出し、菊人形も出てくる。北摂に住んでたので思い描くだけで面白い。
ひとりひとりの悩みもあるし良いこともある。
日常ってそんなものやな。まだまだ続きそうなお話。
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寺地はるな作品
この作家さんの作品はお仕事と絡めたものが多いのですが、今回は遊園地。
ほたるいしマジカルランドの名物社長(大きな帽子にワンピースのおばちゃん)が入院。その間 社長の知人の青年 佑に遊園地の様子を見に行ってもらう。
遊園地の従業員たちのバックグランドや想いはそれぞれ。いろんな人間模様があって それを温かく見守る社長。
人が多すぎて(何の担当の人だっけ?)と話の中で迷子になってしまった。
ただ この作者さんの文体は ほっこりあたたかいので 読了感は心地よい。
梅雨のあいまに ゆったりと読んでみてはいかがでしょう。
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遊園地で働く人たちのお話。
とりあえず働いている、お金のために働いている‥‥好きなことじゃないけど、楽しくなんかないけど‥‥
そんな、ちょっと自己肯定感の低い感じの登場人物たち。
だけど、大事なのは『お仕事だから(仕方がない)』と思いつつも、目の前のことをやり続けること。
そして、「がんばってるやん、て自分に言うたげる」こと。
「他人からの評価や肯定をあてにすれば、どこかで行き詰まる」から。
〜自分を幸せにできるのは自分だけ〜
誰かに幸せにしてもらおうとか、誰かを幸せにできるか、なんてそんなのナンセンスですね。
登場人物みんなが、ちょっとしたきっかけで前向きにお仕事ができるようになってほんわかしたラストで良かったです。
相談された人が相手に向かって
「知らん!自分で考えろ!」
って何回か出てきた‥‥その度に吹き出しました。
ですよね〜自分で考えて出した答えが正解なんですよね。
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遊園地で働く人たちの群像劇。
自分に対する評価って必ず正しいとは限らない。
だいたい低すぎるか高すぎるかだ。
他人からの評価の方が案外マトを得ているときがある。
自分では気づけない良さや悪さが、たぶん誰しもにある。
そして、自分のことを人知れず見てくれてる人がきっといる。社長のように。
二階建てのメリーゴーラウンドは私は一度も見たことがないのだけれど、本当に存在するものなのだろうか。私も2階の馬に乗ってみたいと思った。
遊園地やミニ動物園、ガーデンと、それから色とりどりの宝石の名前を冠したアトラクション。
ほたるいしマジカルランドの地図が載っていればよかったと思うほど、どんなところなのか見たくなった。
ふんわりとした終わり方だった。
結局社長etcはどうなったんだろう…
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2021夏の文芸書フェア
所蔵状況の確認はこちらから↓
https://libopac.akibi.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2001012649
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遊園地従業員の群像もの。社長と社長の息子と謎の青年の関係性が良い。紗英と宮城が面白い子で好きだなーと思っていたら一番面白いのは山田さんの奥さんだった。ずっと読んでいたい本だった。続編あるといいな。
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最終章の国村佐門の「昨日の彼女になにがあったのだろう。もしかしたらそれは劇的な事件ではなく、一緒にいた人間も気づかないくらいの、ほんのささいな出来事がきっかけだったのかもしれない。
たいていの人生は、ドラマチックではない。でも小さく変化する瞬間はきっといくつもあるのだ。」という言葉がとても印象的だったし、とても希望を持てる言葉だと思った。
ここでの登場人物みんな、何かしらのちょっとしたことがきっかけで何かが変わった。
変わりたいと思ってる時は、何かドカンとくる言葉や体験を求めてしまいがちだけど、こんなふうに小さなことが自分に変化を起こし続けて変わっていけるんだろうなと、明るい気持ちになれた。
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仕事は楽しくなければいけない。そんな風に本気で思ってくれる会社が有ったら最高ですね。そんな会社がほたるいしマジカルランド。
しかしそんな会社にも色々な苦悩が渦巻いておりまして、一人一人は皆悩みを抱えております。人から見たら恵まれているように見えていても自分ではそう思っていないし、自分では自信をもっている部分が、人からはそう見えて居なかったりする。悩ましいものであります。
例によって寺田さんの十八番連作なので、各々から見た各々の違いが面白いです。実生活でも「この人自分のいい部分わかってないな」というとき有りますよね。そんな感じです。
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寺地さんらしく肩の力を抜いて生きていきなさいとエールをもらえる本だった。名物社長の国村市子が率いる「ほたるいしマジカルランド」。市子は『なんのためにもならないものがごくあたりまえに存在する。存在することを許されている。それこそが豊かさだ』と断言している。コロナ禍当初の頃、繰返し、繰り返し叫ばれていた「不急不要以外は外出しないで下さい」を聴くたびに、疑問を持った。誰が不要不急じゃないを選別するのだろうか。新約聖書に「人はパンのみにて生くるものにあらず」とあるように、人間は物質だけではなく精神的にも満たされることを求めて生きているのにと・・・。
繰り返される日常を淡々とやり過ごすコツは、あれこれ考えずに、今目の前の仕事をきちんとやりとげること。
目から鱗!
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いろんな職場、仕事のことを知るのは面白い。そこにいる人のことも。この本は遊園地。それだけでワクワクしながら読んだ。
きっと誰かが見てくれてる。認めてくれてる誰かがいる。私もそこにいる誰かをちゃんと認める人になりたいな。
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大阪市北部にある架空の町、蛍石市。
そこにある遊園地を舞台にした、仕事への向き合い方、人とのつながり、夢を描いた物語。
ひらパー兄さんや、某ホテルの社長を思わせる人物が出てくる。
が、あくまでそれは外観で、中身は真摯なビジネスパーソンで、接客のプロだ。
社長はよく従業員の名前、仕事への姿勢を見ている。
「自分のことは自分では見えにくい」(44頁)とか、
「好き、という思いが仕事の邪魔になることもある」(58頁)
なんて言葉をかける。
また、一生懸命自分の仕事をしている人たちはこんな言葉をかける。
「向いてないって思うなら、変えていったらええんちゃう?」(206頁)
些細な言葉、ありきたりな言葉と言われるかもしれない。
けれど、自分の力で、一つ一つ自信を取り戻すべく、言葉を見つけていく。
小さな変化を積み重ねて、誰かから、でなく、自分で見つけた言葉を。
一度奪われてしまった自信はそう簡単には戻らないから。
本作に登場する人々は嫌なところ、ダメなところもたくさんあって、一緒に仕事をするのはちょっと、というところもある。
それでも、何かを見つけて変わっていく様は、希望を見ているようだ。
夢を見る場所、作る場所。
私も、自分の仕事を通して、誰かの希望となりたい、と思う。