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女としての幸せの概念が、次代を経るに連れて変わっているのか居ないのか。自分はまだ学生だし、手に職をつけて子供を産んでも働きたいと思っているけど、そう簡単には働かせてくれない社会なんだろうか、この先も。
長年一緒にいて、相手のことは手に取るように分かる夫婦も大勢いるのだと思ってたけど、自分以外の人間が自分の思いを完璧に理解してることなんて、絶対ないんだなって改めて思った。伝えたいことは、伝えられるうちに伝えたい。
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迂闊にも最後泣いてしまった。
春花はこのあとミポリンにも意見できるようになるんだろうな。
中盤はタイトルの意味が「誰かに見られている」となりゾッとしたが、最終的には「誰かが見てくれている」とタイトルの意味が変わり暖かくなる。さすがメフィスト賞。
P306
娘なんて産むんじゃなかった。
そんな言葉を言わなければいけないくらい、追い込まれているということに気づかなかった。そんな単純なことを、柚季は見逃し、言葉の表面だけをなぞり、過剰に反応していただけだった。
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子供にジレンマを抱える4人の女性。
実の子を可愛がれずに苦しむ千夏子、子供が欲しいのに夫が非協力的で悩む結子、保育士で早く結婚して仕事を辞めたい春花、タワーマンションに住み容姿も優れている柚季。
事情を抱えて悩む4人の運命が、ブログを通して少しずつ交わっていく。
本当に読んでいて具合が悪くなる、生々しさでした。「家庭を持つ女性」がぶち当たるであろう様々な壁、育児、仕事との両立、不妊、セックスレス、ママ友問題、義父母関係、、、すべて詰まっている。
それにブログというSNSまで関わってくるのでもう本当に、人間の、特に女性の悪い所を凝縮した内容に胃が痛くなる。何度も先を読むのが辛くなった。
良く言えばそれくらいのめり込める展開。
そして、ジャンルとしては「サスペンス」なので最初のシーンは千夏子の子供が居なくなるところから始まる。そこから時系列的には過去の話が始まって、後半でようやくそのシーンに戻ってくるのだが、登場人物同士がだんだん近づいていく展開と、“謎”が暴かれた時の衝撃は見事だった。
ただ何度も言うように、読んでいて辛くなる。まず“良い人”があんまり出てこない。
それ故に、後半子供たち目線になった時、その純粋さが辛すぎて、可哀想すぎて涙が出た。
感動ではなく辛くて泣いた小説は初めて。
家庭を持つことが怖くなるというか、何が幸せかよくわからなくなった。
男性に是非読んでもらって感想を聞いてみたい。
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それぞれの女性の悩みや葛藤に同世代女性として共感して読んでて辛くなる部分も多々あった。
女性にしか書くことができない小説だなぁと。
難しい凝った表現などなくとても読み心地がよかった。
数年後に読んだらまた違う感情になるんだろうなと思う。
表面上でしか分からない事の多い人付き合いも少し考えさせられた。
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思っていたより重く、深かった
自分の本心をさらけ出すのは、たとえ夫婦でも、
親、兄弟姉妹、親友でも難しい
人間関係において勝手な憶測や、
妬みで尚更拗れてしまうこともある
人と人って本当に難しい
SNSって自由で便利だけど…本当に怖い
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思っていた以上に重かったが、話に入り込んでしまい、1日で一気に読んだ。
女の、そして男(というか夫)の嫌なところを凝縮したような話だった。でも彼女たちの気持ちはわからないでもない。程度の差はあれ、似たようなことを思うことは皆あるはずだ。だからこそ読んでいて辛かった。
自分が辛いときは他人の痛みに鈍感になる。いつでも隣の芝生は青く見える。他人より優れていると思われたい。自分を偽り傷つけることをやめられない。打算で人付き合いする。
彼女たちは極端だったが、私自身の20年そこそこの人生を振り返っても、思い当たる節はたくさんある。終わりまで読み進め、ようやく救いが見えたときには泣いてしまった。
自分は今後、就職して、結婚、出産して、仕事復帰して…と簡単に人生設計を考えていたが、家庭や子供を持つことが怖くなってしまった。純粋な無垢な存在を自分の闇に巻き込まず、幸せにすることができるのだろうか。
しばらくはもう読まない、というか辛くて読めないけど、いつかまたこの物語が必要になる気がするので、手元に置いておきたいと思う。
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つながり出してからの勢いがすごかった。
世間は狭いし、ネットは消しても残る。
ネットの怖さ、人間関係の怖さ、夫婦関係の怖さ、親子の怖さ。
最初はなかなか読み進められなかったけど、後半は一気読み。
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本当にサスペンスかと疑うくらい前半はサスペンス感がなかったが、後半の勢いがすごい。
女の、そして夫婦の、親子の、家族の表面化されない負の部分が滲み出てきて好き。ボタンを掛け違えたまま見て見ぬ振りして生活を送る苦しさとか悲しさがうまく表現されてた
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女性の人生あるあるが詰まっておりあっという間に読めた
ただし、帯にあった「ラストで発かれる最大の嘘」は誇張
読み終わった後にどの展開がそこに当てはまったのかわからず読み直した
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「目尻のシワの数だけ優しい言葉を知っていそうだと思った」という一文(曖昧な記憶だが)がとても心に残った。
後半一気に謎が明らかになっていくのが爽快で読むのを止められなかった。
ただ、自分は女性であるため、かなり嫌な気持ちになる箇所が多かった。
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読み始めは、ハラハラしちゃう展開が予測できて億劫になったけどどんどん面白くなってくる。
人の弱さと、自分を守るために他人に攻撃する脆さが主観的によく描かれていて、それぞれの登場人物の行動と気持ちに納得ができる。
一見関係ないと思われた女たちが最後はそこでつながるのかという展開は圧巻する。
不妊であったり、モラハラであったり、見えづらいけど絶対に被害者加害者が近くにいることをストーリーのきっかけにしている。傷つけ傷つけられてる、でもその裏にはそれぞれの人のそれぞれの事情があることを説得力を持って描くことで読んでる側も救われる気持ちになる。
これがデビュー作とは驚くほど、人の心に寄り添った深い話だった。
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ちょっと不気味な表紙。
「誰かが見ている」「誰かに見られている」と思うと何だか途端に窮屈。
ちゃんとしなくちゃ。皆が出来ている事なのにどうして私には出来ないんだろう。頑張っているのに何故報われないんだろう。
みんな言わないだけで悩んでいるし、努力している。
でも、苦悩の果てに何も得られなかったら?
そんな沼にはまってしまうと視野が狭くなる。
誰かを妬んだり、傷つけてしまう事もある。
「あなたの頑張りは誰かがちゃんと見てくれているよ」
そう言ってくれる人が傍にいたら結果は変わったかもしれない。
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2017年。第52回。
自分の子を好きになれないスーパーでバイトの主婦。現実の不満をもてあまし、ブログでなりたい自分になる。不穏な感じで始まり、先が気になり、どんどん読み進める。セックスレスに悩む主婦など4人の主婦が交差し、果ては幼稚園児の誘拐。途中で思い直し、未遂になるのだが。
ずっとイヤな感じだったのだが、結末は大団円。だが、好きになれなかった子を急に受け売れられるものなのか?とか突っ込みたくなるw セックスレス夫婦のうつ病はまだわかるけどー。
先が気になってとっとと読み終わってしまった~
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男と女っていう描写が多くてあまり言いたくない問題だけど差を感じさせられた、途中嫌な気持ちというか少しイライラするところがあったけど、最後はよくおさまったのかなと思う。でもそんな簡単に受け入れられるのかなとも少し疑問。
結婚や友情も拗れてしまうと難しいし、大変だなと思った。人は周りの人と比べて自分よりも優れていると妬むけど実際は違ったりお互いそう思ってたりする。そんな些細なことで何かが崩れてしまったり自分が壊れてしまうくらいなら、自分は自分で生きていきたい(これは理想で案外難しいことだけど)。他の人と比べてもあまりいいことはないのだろうかと思う。
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―――いつになったら、幸せになれるのだろう。誰か答えを知っているなら、教えて欲しかった。もう、待つのは疲れた。
わたしたちは
順境においても、逆境においても
豊かなるときも、貧しいときも
健やかなるときも、病めるときも
愛し、敬い、慰め、助け
共に命のある限り
終生変わることなく歩みつづけることを
誓います。
響くねえ。