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ノーベル賞とってない天才
2022/11/20 07:23
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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
天才というより超天才であるフォン・ノイマンの評伝ですが、彼の生涯のいわば伝記ですね。子供時代から、異色の才能だったのには感服しました。戦争に関しては、……ですが。
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ノイマンという天才の中の天才。私は名前くらいしか知りませんでしたが、彼の人となりや偉業功績を知るには格好の入門書です。
社交性もユーモアも兼ね備えていながら、自身の理想を追求し目的を達成するためなら他所には目もくれない。二面性とはまた違いますが、才能の一極集中ぶりがすさまじい。
違う時代に生まれたら『悪魔』なんて呼ばれずに済んだのだろうか…とはいえ、『悪魔』という言葉の中に崇高な響きも感じてしまうほどの頭脳の持ち主。
ノイマンの思想や哲学にもっと踏み込んだ本も読んでみたいと思いました。
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マッドサイエンティストというのは、間違った定評だと思っている。徹底した科学プラグマティストであっただけではないだろうか。ヒューマニストの面ももちろんあっただろう。
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本当の天才は一般人の理解を遥かに超える存在なんだと、人類や脳の可能性が大きくあることがわかる。そういう天才によって作られた理論によって世の中が作られていて、とてもシンプルなようで深淵なのは興味深い。
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ジャズのジャケ写みたいなカバーにつられ手にとってみたところ、マッドサイエンティストと呼ばれたキングオブ天才の生涯が語られる。
「いま生きている世界に責任をもつ必要はない」
環境保護団体が聞けば怒り狂うような言動でマンハッタン計画に深く携わったわけだが、道徳面を敢えて思考停止にしてメンタルを保とうとしたのだろうか。科学優先主義とか非人道的っていうのは簡単だが、人間そんなにシンプルではない。
それにしてもノイマンを取り巻く科学者たちに天才が多すぎる。天才だらけ。
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天才、フォン・ノイマンの評伝。その意味でタイトルとの齟齬感はあるが、内容的にはノイマンという人間の伝記として面白く読めた。講談社のPR誌『本』に連載されたものをまとめたということだが、やや重複が多いか。「先にも述べたとおり」というフレーズが少なくとも5箇所はあった。
ノイマンも兜を脱いだクルト・ゲーデルをはじめとして、ある時代や地域に集中して「天才」が現れるのはなぜなんだろう?と考えると19世紀の欧州、とくにユダヤ系、ドイツ系の思想家の影響は見逃せないと思うが。
経済学的にはノイマンはゲーム理論の創始者の一人。その辺の叙述も薄いかも。
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ノイマン以外にも物理学のスーパースターが出てきて、彼らの人間模様が興味深かったです。
ノイマン自身の人柄もいろいろ垣間見えますが、哲学と呼べるものが透けて見える感じはしませんでした。
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現在の大半の電気製品や天気予報、そもそもコンピュータ、そして原爆もフォン・ノイマンがいなければ存在していなかったかもしれない。そんな人の業績と障害をコンパクトに読みやすくまとめている。以前パウンドストーンの『囚人のジレンマ』を読んだ時はもっと”あたまオカシイひと”の印象があったのだが、割合まっとうな、なんとなれば共感できかねない人間として描かれている。著者がかなり理性的な人で、タイトルに「哲学」と銘打った以上、”ノイマンはどうしてこんなことを考えるのか”を考えてまとめた結果そうなっているのだと思う。何にせよこの人の業績はもっと理解される必要はありますね。この人がいなければそれこそスマートフォンなど存在していないのだから。
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期待どおり面白かったです.この人なしにはコンピュータも核兵器もなかったでしょうし,もっと長生きをしていたら世界は変わっていたかも知れません.しかし「人間のフリをした悪魔」と言われたフォン・ノイマンにも意外に人間的な面があることもわかりました.できたら会ってみたかった人です.関わった大勢の天才科学者とのやり取りも興味深く読めました.
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圧倒的に天才で笑うしかない。体力もあり、様々な学問領域、研究所・軍隊・政府・委員会など様々な組織から求められ結果を出した。私の抱いていた印象と反対で、社交的な人でもあった。「人間のフリをした悪魔」、いいかえると超合理主義者。
断片的にしかしらなかったノイマンについて、より多くしることができた。
言動だけみるとたしかに悪魔である。ハンガリーのブダペスト生まれ。祖国がナチスやソ連に蹂躙されたという背景を鑑みると、そういう考えになるのも理解できなくはないと思う。師の影響にも言及されていた。結局のところ悪魔である。
ナチスから逃れ、受け入れてくれた米国に恩義を感じて(たぶん)尽くしたところは人間臭い。
不完全性定理のゲーデルを高く評価。ナチスの迫害から助け、昇進をずっと後押ししていたところも人間臭い。合理的なだけかもしれないが。
当時の多くの科学者が登場して、読み物としても楽しめた。多くの人が変人で傲慢で、あまり付き合いたくはないな、と思う。
文中に「!」が多い。筆者の熱の入れようが表れているのかもしれない。
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圧倒的天才だったが故に、関わった人々が即座にその才能を認め、研究場所や資金が与えられたからこそ、彼の頭脳は社会実装まで達した。
コンピュータも原爆も、実用化されてしまった。
彼のいなかった世界を想像すると全く違う世界情勢になっていたに違いない。
ただもう少し、彼の思考の中身(技術的内容)を深掘りして書いて欲しかった。
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いやあ、ノイマンって本当に天才だけど、本当に悪い奴だなあ。特に、京都に原爆を落とせとか言っていたなんて(広島・長崎の方々には本当に申し訳ないですが)許せない奴だなあ。というのが率直な感想。自分が京都に住んでいるせいかもしれないが。しかし、これはもう哲学と言っていいものなのだろうか。「未来への責任」どころか、「今生きている世界に責任を持つ必要がない」なんて。そして、「科学的に可能だとわかっていることは、それがどんなに恐ろしいことであっても、やり遂げなければならない」なんて。フェルミとかシラードとかオッペンハイマーとかハイゼンベルグとか、若いころにたくさん伝記を読んだ。ノイマンとウィーナーについて書いた本も読んだような気がする。けれど、ノイマンがここまでの人間だったとは思っていなかった。副題通り「人間のフリをした悪魔」だ。けれど、全体通して、実はそんな悪い人ではないように思える。ノイマンがもう少し長生きしていたら、チューリングといっしょに研究していたら・・・世界は今とは違った姿になっていたであろうか。あるいは、もっと早くに今のようになっていたのだろうか。あるいはまた、水爆を実際にソ連に対して使っていたとしたら・・・世界は今とは全く違っていたであろうか。ところで、P.179のボーアの件で核融合とあるのは核分裂の間違いだろうか。
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フォン・ノイマンの生涯と思想を簡単に知るにはうってつけの本.前に読んだ「フォン・ノイマンの生涯」は長すぎて途中で挫折したが,これは長さもちょうどいいし,レベルも新書というパッケージにぴったり.
前半は前掲書との重なりも多い.
原爆の開発をめぐる話や,日本への原爆投下の決定をめぐる話はフォン・ノイマンを離れて雄弁.フォン・ノイマンの思想を著者は「科学優先主義」「非人道主義」「虚無主義」と切って捨てる.ある意味では正当な評価とも思えるが,フォン・ノイマンには多くの人が持っているある種の感情が欠落しているのではないかと思う.その上,忙しすぎてものごとにクールすぎるくらいに優先順位をつけなくてはいけなかったのではないかと.もちろん,それが原爆を投下を正当化することにはならないわけだけれど.
ファインマンがノイマンの「我々が生きている世界に責任を持つ必要はない」という言葉をきいて生きるのが楽になった,というのは原爆を作った聡明なノーベル賞受賞者たち共通の拠り所となった思想であろう.
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面白い本というよりも人物が面白い
意外な掘り下げとかはなかったので-1だが普通に面白く読めると思う
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悪魔か天使か。原爆、コンピュータ、ゲーム理論、天気予報の生みの親。マッドサイエンティストとも言われた天才の生涯。
「博士の奇妙な愛情」のモデルにもなったとされる天才科学者の生涯。
個人的には原爆開発とその後の核兵器に対する科学者の対象的な態度にテーマを絞っても良かったかと思う。