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装画に惹かれて読んでみたら、思いの外良かった。扉絵とご飯の描写にとても食欲をそそられる。ご飯系小説を読むと必ず「こんなお店が近所にあったら」とよだれを垂らすが、きっと私が知らないだけで隠れた名店があるんだろう。
料理おみくじのおかげで運気が上向きになる登場人物たちだが、最終話に書かれているように、苦い経験や嫌な出来事も見方を変えれば良い部分もあり、物事は常に表裏一体だというメッセージが込められている。続編もありそうな終わり方で、また期待できそう。次には金色の生物の謎が解けるかな?
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わかりにくい立地の店、縁のある人は動物が道案内してくれる、雰囲気の良い店で出される料理は客を癒す地味深い品々、謎めいた店長,店の常連客は料理をヒントに成功する、客同士つながっていく、、、
なんか全部どこかで読んだぞ〜
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好きなジャンルの本にまた出逢えた。
美味しいご飯が出てきて、
登場人物がみんないい人たちで、
前向きになれる言葉が散りばめられていて、
ほっこりする物語。
うしろむき夕食店のようなお店、近くにあったらなぁ。。
美味しくて仕事が丁寧で、元気の出るお店。
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着物の似合う女将さんとお孫さんが営む夕食店の短編集。
悩みを抱えたお客様の心もお腹も満たしてくれるお店。
料理の描写も美味しそうですが、こちらは特に人と人の繋がり、悩みの描写がリアルでくすりと笑えるシーンも多く楽しく読めました。
特にグラタンのMR宗生さんの会が好きです。
折り紙のカブトムシで男の子を励ますところ、
資料に付箋を貼るさりげない気配りが相手に通じた喜び、人の繋がりで生まれる仕事の達成感等共感できるシーンが多かった。
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出てくる料理がとっても美味しそうで、読んでいてお腹が空きました(笑)。
それにしてもいいな、『うしろむき夕食店』。店名(元々愛称だったのが、通称になった)の由来は、「古きよき時代を思い出すような雰囲気のお店」ということで、よく手入れされたレトロな洋館も、着物の店員さんたちも素敵でした(もちろん、温かい接客も)。
「うしろむき夕食店と呼ばれるのに、気持ちがうしろを向くときでも、ここで食事すると前を向ける気がする」というお客さんの言葉には深く納得。
私も料理おみくじ、引いてみたい・・・。
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食べ物の話は 好き
マカロニの穴、おいしい空気が入ってるんですって
あー そーいう考え 好きだなぁ、って
お酒とおつまみの組み合わせで
甘口ワインとブルーチーズ
苦めのビールと栗モナカ
黒ビールとチョコレートケーキ
合うんだって
やってみなきゃ!
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分かりにくい路地にあるお店。
人が人生で迷うときに、初回は立ち寄りたくても見つけられず、何か不思議な生き物に導かれるようにたどり着く。
レトロで長居をしたくなるような雰囲気。
出てくるご飯がどれも美味しそう。
そして、迷っている人生をどこか切り開いてくれるような不思議なお店でもある。
考え方、見方で、180度変わるんだなあと感慨深い。
粋な志満さんはもちろんのこと、希乃香さんも一見すると不運に思えるけれど、十分たくましく、見習いたい。
前作のサンドイッチもちらほら。
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独立した短編集に思われたものが、なるほどこう繋がっていくのか、と。
オルガンや和箪笥などファンタジー的にうまく繋がりすぎ、軽すぎるかなとも感じたけれど、悪い人が出てこないし(和可子マダムには最初ちょっと参ったが)みなさんハッピーになってめでたし、めでたし、でした。
多くの方々が気にしている通り、店に導く金色の何かの正体は知りたかったな。
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料理がとにかくおいしそうだった。
エビフライ、マカロニグラタン、ビーフシチュー、メンチカツ、ハンバーグ。
すぐ近くで料理が作られているかのように、読みながら、匂いまで感じた。
満腹のときに読んでもなお、お腹が空く作品だった。たべたい…。
5つの章に分かれてて、それぞれ悩みを抱える主人公がお店に辿り着き、最後には満足そうに乾杯して終わる物語。
もともとキリンビールとのタイアップとして書かれた作品だと巻末で紹介されていて、だからなのかと納得した。
「うしろむき夕食店」とは、前向き後ろ向きの後ろ向き、ではなくて、少し前の、古きよき時代を思い出すようなお店だからだという。後ろ向きというからてっきりマイナスなイメージを持っていたけど、明るい読後感だった。
各章の主人公が、ほかの章でも登場したりして、そのつながりもよかった。
前に読んだ、古内一絵さんのマカンマランシリーズと似てる。
どちらも美味しそうでほっとできて、どちらもすき。
マカンマランシリーズとか、あと青山美智子さんの作品が好きな人はこの作品も気に入ると思う。
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連作短編集5編+1編
心のこもった夕食を出す隠れ家のようなお店。悩みを抱えた人たちに力をくれる料理おみくじが1編ごとの仕掛けなら、女将の別れた夫と謎のごちおじさんというミステリー風の味付けが全体を包んでいる。
登場人物がまたみんな思いやりのある人達でいい。そして出てくる料理がまた美味しそう。
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街中にある夕食店で、そこに集まる人々は、どこか悩み、彷徨い、決断を迫られと十人十色。
おみくじのように、料理とアドバイスが書かれた紙が三方に乗せられて出てくる。
登場人物たちはそこから1つおみくじを選んでアドバイスを読み、その後物語は更に発展する…というのが章ごとのスタイルである。
連作短編で、次々と関連性のある人物が一人称となり、
情景はくるくる変わるものの、夕食店のレトロで落ち着いた佇まいや雰囲気は変わらない。
比較的軽めに読める小説で、
人と人とのふれあいや関わり合うことの喜びみたいなのが、スープの温かさのように染み出してくる。
ただ、文章表現の合間合間に、読んでいて飲み込みづらい比喩表現や言葉の並びで、
何度も中断してしまった…。
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初読みの作家さんだが、表紙のエビフライに惹かれて手に取った本。路地裏の奥にひっそり佇む「夕食店シマ」を舞台にした連作短編集。来店すると店主の元芸者志満と孫娘希乃香が「おかえりなさい」の声で迎え、心のこもったおいしい料理で人を元気にさせてくれる。登場人物たちの再出発が読む者の心も穏やかに…。
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どうしようもないことや、志半ばにして膝を折ることも、生きている間には起こる。そういう時でも、時は流れて、腹は減る。真っ暗闇に思える夜空でも、見つめるうちに目が慣れて、星の光が見えてくる。それでも見えなかったら、後ろを振り向いてみる、これまでやってこられたこと、出来たことを。
忘れているだけで、沢山あるはず。そこに光は必ずある。
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料理が上手な人は憧れる。
やはり美味しい物がある所に人は集まるのだ。
そこがまたなかなか探し出せない場所にあるっていうのも良い。
最後は全て収まる。みんなが幸せ。
っていうお話がやっぱり好きです。
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某PCR検査からの自宅待機中で、正直いささか集中力もかけてきつつ読むという大変申し訳ない読書背景ではある。(個人的事情)
連作短編でごはんもの、と、くれば、大好物のはずなのに…!
各章各章にちりばめられた伏線を回収していくさまは見事やし圧巻。
ただ、読んでる最中は
「これが伏線やな」
と、気づけていないので(そこはわたしの読解力の問題)、あとになって
「あれか……。どこらへんで出てきたっけ」
と、ページを繰る、と、いうことを何度も繰り返した。
それはそれで楽しいねんけど、ページを繰ってばかりいるとちょっと集中が切れたりはするんよね(わたしの読解力の問題)。
そのあたりが、このタイトルの面白さにわたしがついていけなかったかな…と、残念に思うところ。わたしの読解力の問題。
でも、若干、伏線薄くない? あ、あとから振り返り伏線でよかったのかな。
イノシシの名前だけが、「どこで登場したっけ?」て探しきれなかった。
希乃香ちゃんがフェンス越しに焼き鳥串で格闘するところが初登場かと思うんやけど、そのときも
「カクさんシマさんって誰? イノシシ??」
てなった。笑
その、希乃香ちゃんの不幸体質(? 言い方が悪くて申し訳ない)は、なかなかアバンギャルドなような気がする。
いや、それをうまく(?)まとめた志満さんの持論のほうがアバンギャルドか?
でも、さらりとまとまって読了感はすごくよかった。
ようは、いろいろあるけどそれはそれなりに受け止めてあまり深く考えすぎずに前に進めば、いつかどこかへつながるよ、ってことなのかなと思った。
社長が某ウィルスに感染し、感染予防対策のとられていないオフィスでたまたまわたしが一番近いところに座っていたからというだけでわたしだけが濃厚接触者になり、陰性はいただけたものの二週間も家にずっとおらねばならんこの状況も、いつか振り返ったら「まあ、こんなこともあった」と、わたしの人生を構成するひとつになるんですかね。
(長い)
なってほしいけども。笑
こんなふうに、幸せを織っていけるような人間関係にいたいな、とは、思う。
おみくじでメニューを決めるというのも、また、そのシステムを引き継いだ希乃香ちゃんのアレンジもいい。
わたしは、自分がしんどいときこそ占いを読みたくなるんやけど、それはなにかにすがりたいからやろなと思ってる。
これからいいことが起こるよ! と、誰でもいいから第三者に言ってもらいたい。
そんなわたしからすると、このおみくじの注文はすごくいいな。
そして何がいいって、第三者にアドバイスをもらえるけれどもそのアドバイスを選んだのはほかでもない自分ってところやろう。
結局、自分で選んだらあんまり後悔せえへんねん。
でも、迷うときというのは、自分で選ぶということすらできなくなってるねん。たとえそれが、今自分が食べたいものであったり、明日自分が着る服であったり、なんでも。
そう思うと、自分で選ぶことができないっていうのが、一番つらいことなんかもしれへんな。
すてきな本でした。