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およそ10代の少女の話を、大人が書いたと分かる描写で綴られている。浅そうで深く、脆そうで強い。
短編として載っている、R-18文学賞受賞作が一番面白かった。
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花のだらしなさにひかないハルオが素晴らしい。てか愛なのかな?愛なんだろな。
中学生カップルの話は痛々しすぎてこたえた…
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吉川トリコさんはこれで四作目になるのかな。
吉川さんは気になる作家さんであり、この文庫の表紙もすごくかわいくて一目ぼれ。
さて、内容なんですが、30歳を目前にした花という女性が主人公。
表紙とはまるで正反対で、花は女であることを捨てた女性。
仕事はせず寝てばっかりで、基本三日くらいはお風呂に入らない。
そんな花もかつてはふわゆる系の女子だった。
ある日ふとしたできごとから女でいることをやめるのだけど……
そんな花にも同棲して七年目になる彼氏―ハルオがいる。
どんなに花がブスでひきこもりになっても離れていかない。
そんな彼もバイトで生活しているのだけど……
女であることを武器にして生きてる人って、花予備軍だったりするのかも。
かわいくいるために、きれいでいるために一生懸命な人ほど、ほんの些細なことで、極端にやめてしまうことがあるのかも。
最後はすごく前向きな終わりかたでよかったです。
他の三作もよかったです。
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仕事もせず、恋人に養ってもらいながら家でごろごろする毎日。
美容院にも行かない、化粧もしない、お風呂も3日に一度だけ。
女を捨てているとしか思えない29歳の花。
なぜ彼女はこんな風になってしまったのか。
なぜ彼氏はそんな彼女を甘やかすのか。
年が近い割に、全く共感できず。。
ただただ、理解に苦しむだけでした。
表題作の他に3編ありますが、なんとなく、物哀しい話ばかりに思えました。
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しゃぼん…評価はこの作品。女の子からおばさんへと変貌する時期の悩み。個性豊かな人たちが生き生きしていて楽しい。欲しい物が全て手に入らなければ、何もいらない。この考えを改めた時から新しい生活が始まる。
いろとりどり…しゃぼんに登場する万引き女子小学生が主人公。母娘で家出するも母は逃げる事を止め、家へと帰る。こんなお母さん、いっぱいいそう。
もうすぐ春が…しゃぼんに登場する階段でセックスしていた中学生の女の子が主人公。手に負えない性をどう扱ったらいいのかわからないけど、手探りで愛と性を見つめながら成長していく女の子。女の強さと男の弱さが見え隠れする。
ねむりひめ…R18受賞作品。多分これは独立した話。もっと過激なのを想像していたが割と普通な性描写。女はいかにして淫乱になるのか、そんな事が書かれているみたい。女なら誰もが淫乱ではないと僕は思う。むしろ淫乱なんてほとんどいないと思う。
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受賞作品の「ねむりひめ」はよくわからなかったけど、「しゃぼん」は自分の中のモヤモヤとマッチして読んでいて「切ないね、辛いね」って思いました。
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表題作の『しゃぼん』のほか、『いろとりどり』、『もうすぐ春が』、『ねむりひめ』の4編を収録。うち、『ねむりひめ』は“女による女のためのR-18文学賞”で大賞と読者賞をダブル受賞した作品だそうですが、賞を過剰に意識して書かれた作品なのか、電車の中では読むのがはばかられるほどのエロ表現頻出。そのわりにちっともエロくない、半端なポルノ作品に感じます。『しゃぼん』は130頁ちょいの中編で、まもなく30歳になる女性が主役。何があったか無職で、宅配ピザ屋の店長を務める優しい彼に甘えまくり。お風呂に入るのが大嫌い、生理中はしょっちゅう血を垂れ流してソファを汚してしまう粗相ありという、女性としてどうなのよと言いたくなるタイプ。だからあまり好きにはなれませんでしたが、『いろとりどり』では『しゃぼん』にちらりと登場した小学生の女の子が主人公に。生意気このうえない彼女がなぜにそんなに生意気なのかがこの編を読めばわかります。『もうすぐ春が』では『しゃぼん』のピザ屋店長が見かけた中学生カップルの女子が主役。これも生々しすぎてキツイものが。ただのエロにならないためには重みが必要。そこが欠けています。
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2019/06/11
官能的小説が読みたくて取り寄せた
性的かっていえば、そうでもなくて
性 思春期 セックス そういう混沌とした感情が
思考が、ブレながら安心と安定を求めて模索しているという感じだ。
ストーリーは一応つながっていはいるが(「しゃぼん」の視点のみ)
独立しているので短編としても読める。
読みやすいわけではないし、生々しい、ぬるさ、空気がどんよりとそこにある気さえする。「生きている」小説なので好き嫌いはあるだろう。
賞をとった「ねむりひめ」は「好き」という気持ちだけで立っている切実さが
「もうすぐ春が」は現実と快楽のカオスでのたうち回る学生としての生き辛さが
「いろとりどり」は大人に抑圧されきっている少女の、いやでも成長しなくてはならない嫌悪の感情が
どれもがカオスで、でもそのどれもの気持ちは少なからず理解できる。
「しゃぼん」は欠片は分かるけど、花の極端な心の迷走だけは分からずじまい。きっとその他人から理解されない、花という人間こそがテーマだし
「いろとりどり」の少女の目線はきっとそういう私たちの目線だと思う。
北海道から帰ってきて、ハルオにセックスをせがんで、少しだけ変化があったんだろう。
大切なもの、ハルオとは何者か、という本質的なところだけ。だから花は風呂にも入りたがらないし、ヒモでい続けるけど
支柱だけできた状態。
今後のふたりのゆくえはわからない。けど、ある種の救いと終着点ではあると思う。
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扇情的でもない、色っぽいでもないし、艶っぽいでもない、エロチックなんてモノでもない、けど、エロいんだよなあ。
フランス革命のヒロインを描いた別な作品を読んで、トリコさんに興味を持って。
ひきこもりニートな花の色々匂うような、色気だったり、生活臭だったり、洗濯洗剤の香だったり、ハルオは何故?そばにいるのか?
他の三編も、また、愛?二人でいることを淡々と描く。
男性としては、私の年齢が言わせるのか、出てくるヒロインたちに共感できなかった、ちょっと肌が合わなかったかな?
#しゃぼん
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#吉川トリコさん
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#読書記録
#読書倶楽部
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面白かった。
特に、少女が主人公の、いろとりどり?は、良い文学作品に感じた。
ですます調が新鮮で、でも児童文学的な飽きはこなくて、良かった。
最初のしゃぼん?も良かった。フリーターの主人公の気持ちを追いかけていくのが面白かった。
最後から二番目?カップルの話は悲しくてあまり好きじゃない。
r18文学賞受賞の最後のやつ?も、なんか地味に過激で、それならしゃぼんの方が良いけどと思った。
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「30歳を目前に仕事を辞めた花。おしゃれもダイエットもセックスもやめた。頑張っても、いつか若さは失われると気づいてしまったから。投げやりに引きこもる花を、優しく見守る恋人だったが―(「しゃぼん」)。高3の夏。海。大好きな慎ちゃん。でもあたしは他の男たちとも寝ている。慎ちゃんには見せられない姿で―(「ねむりひめ」)。悩める女の子必読!リアルでキュートなガールズ小説集。」
「誰だって、昔は女の子だった。おばさんだって、お婆ちゃんだって。女の子という骨組みに贅肉のようなものを少しずつ纏って女になって行くのだ。ー『しゃぼん』の主人公は29歳。現実に気付かないほど若くはない。だからこそ、ずっと”女の子”でいたいと足掻くのだ。女の子の心意気のまま、現実を受け入れる覚悟は、たくましく、潔く、可愛らしい。」
『小泉今日子書評集』より