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湖南が蔑視されたりする遠因に任那、百済があるなんて・・・。韓国も「ひとすじなわ」でくくることはできないのですね。
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韓国の歴史がわかりやすくまとめられていて、とても勉強になった。正直なところ、どうして韓国と北朝鮮に分かれているのか、そんな基本的なこともよくわかっていませんでした。韓国と北朝鮮が別々に存在し続けることと、韓国と北朝鮮がひとつの国になること、韓国と北朝鮮の国民にとってはどちらが幸せなのでしょうか。
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韓国の近現代史。日本の敗戦から解放された朝鮮半島は、しかしながら北からの共産勢と南からの資本主義勢との間で引き裂かれた。双方の勢力で国土は蹂躙され、多くの住民が亡くなった。解放から、朝鮮戦争、李承晩時代、軍事クーデタによる朴時代、光州事件、軍事政権、そして金大中、盧武鉉、李明博、朴槿恵までの期間を描く。日本は朝鮮半島に対して何をなしてきたか。隣国に対して、もっと冷静に向き合わないといけないだろう。
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かつてないほど混迷する日韓関係を読みほどきたくて、本書を手に取る。
日本が戦後復興、高度経済成長を謳歌していたとき、安定した社会、政治構造をもてない韓国は苦しみ続ける。それは、現在も続く。草の根レベルと指導者レベルの団結、離散の対比になんとも言えない気持ちになる。
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旧刊は2005。新板までにおこったことをざっと書くと、02年日韓ワールドカップの共催、03-08年進歩派ノムヒョン政権下で過去清算ブーム、韓国ドラマブーム04年、竹島問題05,6年。
04年韓国への親近感を感じる日本人の比率は56%に達し過去最高を記録。ところが安倍談話に象徴される歴史認識の改変にともない日韓関係はひえこみ、2012年には親近感比率は39%と過去最低を記録。新版では日韓関係に比重を置いて書いている。この10年でおこったグローバリゼーションにともなう社会不安、停滞に発した排外主義、そんなあたり。
映画「タクシー運転手」から興味を持ったので、光州事件の出てくる第二章(軍事政権の時代と光州事件)から読み始めた。そのあたりをメモ。
61年5月16日パクチョンヒ少尉が軍事クーデタをおこす。発表された革命声明は反共・親米の枠内だが、軍を私物化した前大統領とはちがい腐敗のすすんでいた軍内部を刷新し経済的自立を実現しようとする若い(45歳)パクら将校が中心に起こした決起であった。大統領、首相が声明を追認すると(ついでアメリカが早期の民主化を求めて事実上追認)、決起グループはただちに司法・立法・行政を掌握する。パクは63年末大統領に就任し第三共和政発足。70年には三選禁止を改悪した憲法で18年に及ぶ長期政権を維持した。のち漢江の奇跡とよばれる輸出主導(IMF協調路線)経済(73年からは重化学工業分野)に注力した経済政策が成功し、GNPの伸び率は毎年9%を記録。一方で都市に人口が流入し低所得劣悪労働をうみだし開発に取り残された地方との格差が拡大。言論は厳しく統制されており、反対派の「不正蓄財処理」の名目で逮捕、軟禁があいついだ。
71年キムデジュンとの一騎打ちとなった大統領選では国家予算13%をつかって選挙資金をねん出しからくも三選を果たす(その差わずか95万票)。
ケネディのうちだした国内の貧困と共産圏の脅威との「ふたつの戦線での闘い」に同調し、インドシナにも65-73年の期間31万人派兵している。作戦遂行にあたり41000人の「敵軍」を射殺したとされる。アメリカ軍以上に残忍とされる虐殺報告(ベトナム文化通信報告推定80件9000人)もあり、十分なアメリカへの協力から軍施設に必要な資金をアメリカに援助させ特需をつくりだした。一方で枯葉剤の後遺症やベトナム人の反韓感情などをうみだした。
一方日本との関係だが、賠償金をめぐる日本の態度は、日帝時代のインフラ整備資産返済をほのめかすなど強硬姿勢をつらぬき(53年久保田発言)、日本国内のムードもこれに同調した。日韓条約は予備会談の51年から締結まであしかけ15年の長期間におよぶ。日本は52年に西側諸国と単独講和をむすび国際社会に復帰、五族協和や共栄圏思想の崩壊の結果、一民族一国家、小国主義といった内部の他者に対して同化と排除するという意識を生みだすにいたった。講和の背景には米国主導の勝利であり中国・朝鮮らアジアの対日抗戦は軽視されていた現実があり、日本国内では唯一の原爆被害ばかりがとりあげられ、中国朝鮮への侵略については近代化に貢献したとの回答を繰り返し国内世論もこれに同調した。60年には日本で安保闘争が闘われ、軍事大国化を諦め平和憲法下の経済大国���路線という以降の方針が定着する。一方韓国ではインドシナ出兵をひかえ日本からの経済援助がその一端を担った。結局合意内容には相互に解釈の矛盾をはらんだままで(日韓併合条約の有効性、経済援助か賠償請求か。これは両論併記)、なおかつ「完全かつ最終的に解決」されたとしてその後の補償のみなおしを封じる根拠となっている。資金供与は5億ドル。(ちなみに66-72年経済テイクオフ期導入された外資は40億ドル)
さて光州事件。1979年9月アメリカの援助をうけた金泳三の民主化運動を弾圧するべくパクは金を逮捕、妨害工作にもかかわらず野党議員の結束は揺るがず、各地で民衆運動がさかんになり軍隊が出動。10月26日中央情報部キムジェギュがパクを宴席で暗殺。キムは最悪の流血事件を回避するため、と語ったが、ソウルに民主化ムードが訪れても民衆の足並みはそろわなかった(三金時代)。80年4月炭鉱労働の市民3000人がデモをおこし、デモは全国に拡大。5月17日軍部は戒厳令を拡大し政治活動を禁止し民主化ムードは収束。ソウルの執行部が逮捕され、摘発をおそれた光州の執行部はさきに行方をくらましており、5月18日未明に配置された空てい部隊と学生とのあいだで自然発生的な衝突、つづいて街頭デモ、多数の逮捕者をだし、翌日には市民が中心となった数万規模のデモが組織されて部隊は一旦撤退を余儀なくされる。ところが部隊は光州をとりかこんで通信・交通・報道は遮断して完全包囲し、部隊はあらためて突入。抵抗市民・学生らの3日間におよぶ会議の末徹底抗戦が決議されたのをうけ、部隊・戦車の突入は多数の死傷者をだして完全に鎮圧される。
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【これまで韓国の市民社会は,外国支配や分断,独裁権力といった生活世界の外部からやってくる脅威に身構え,そのことを通してそのアイデンティティを育んできた。だが,もはや韓国社会は,その内的なアイデンティティそのものの深刻な揺らぎや危機に直面している】(文中より引用)
知っているようで知らない韓国の現代史を時系列的にまとめた作品。民主化運動の高まりや急速な経済成長といった国内面に加え,北朝鮮や日本との関係といった外政面についてもコンパクトに詳述した一冊です。著者は,立命館大学の国際関係学部で教授を務める文京洙。
教科書的な記述であることに加え,特に現在に時が近づけば近づくほど著者の韓国内政に対する政治的立ち位置が如実に反映された書きぶりとなっているため,その点は若干認識した上で読み進めた方が良いと思います。他方,それ故に本書の評価が低くなるというものではなく,わかりやすく包括的な記述のおかげもあり,韓国について学びたいと考える方の最初の一歩として十分にオススメできる作りになっていると感じました。
類書も多いですが☆5つ
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本書では江戸時代の朝鮮通信使から主に日本とどのような関係を結んできたかから始まり、その後脱亜入欧へと加速した日本による植民地支配、第二世界大戦終戦後の米ソによる南北の分割占領、その後の軍事政権から脱却を図るための民主化運動、アジア通貨危機による経済破綻など、朴槿恵大統領政権までの歴史を概観することができる。本書を読むことによって、『K-POP 新感覚のメディア』に書かれていた韓国で共有されているという「恨」(ハン)の感情のルーツの一端を見ることができた気がする。