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シリーズ最終巻。まだ続きそうな感じも残しつつの終わりだった。シリーズを通して生きている事死することが描かれていたが、なによりもその間にある時間について考えるシリーズだったように思う。ファンタジーに包まれた哲学のように感じた。密室事件があるので、そこそこの緊張感もあり読み終わりはちょっと疲労感があった。
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嵐により道が崩壊し、外界から閉ざされた豪華なホテルで起きる殺人事件。
関係する人物は限られており、正当な密室殺人を扱った本格ミステリーかと。
しかし、本書はやはり白兎シリーズの4。
「この世にいてはいけない魂を還すのが、おれの役目ですから」と、白兎が登場する。
読者の前に二重三重に用意された扉が、次々と開いてゆき、登場人物たちの真の姿が明らかにされる。
「生と死のあわいに存在する者」として白兎を据え、生と死を巡る言葉を綴るこのシリーズ。
『バッテリー』などとは一線を画し、『弥勒』シリーズとともに、著者の多様性を示す作品。
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「白兎」シリーズ、最終巻。生と死の狭間に生きる白兎は、不思議な存在だと認識されてもなお、自然と受け入れられていきます。
結局、思考をさらしてしまうことは野暮だから、彼自身の思いが語られることはなかったんですが、役目についてどう思っているのか知りたかった気持ちはあります。言葉の端々には出てきているけど、歯がゆい思いをしつつも、何故その役目を果たそうとしているのかとか。なぜ少年の姿なのかとか。
> 生きることが希望だと思わないけれど、死もまた救済にはならない
40代にもなると、生まれた意味を問い続ける時間は終わって、ずいぶん前から、生きた証を残していくことに時間を費やすことが必要になりました。でも、それは生きた奇跡そのものなのだとしたら、何も探求することなく、ありのままの自分でいることで意味のある人生だったと言えるんだなと思えました。
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選ばれた持てる人たちのホスピス、「ユートピア」。嵐により孤立した「ユートピア」で、オーナーの中条がスタッフにある提案をする。翌朝、看護師のひとりの死体が見つかる。
選ばれた最高級のスタッフという割には、なんだかな~と思っていたら、そういうことか。オーナーはゲスだし、もう一人サイコパスがいるし、でとんでもない面子だった。被害者は身から出た錆で、むしろ加害者が気の毒で残念。こんなのを殺して罪を負うなんて。
元大女優の凜子さんが素敵だった。