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自分が歴史苦手疎いので、読みづらかった。妹の視点で描かれているけれど、どうしても女性の視点とは感じられず…題材はとても興味深いのだけれど…
作者の体験に基づいているらしいので、事実の整理のような形で書かれた感が強かった。
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お話の終わりで、物語はコロナを生きる私の世界とつながる。フィクションと、ノンフィクションのような間にあるこの話。どちらかと言うと、何か大きな出来事が起きる訳でもなく、淡々と進む。進むと言うか、今につながって、細〜く私の記憶の外側で、ゆっくりと手続きは続いていくのでしょう。
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「その向こうに、ウィーンの街がある。旧市街地の中核をなすシュテファン大聖堂の尖塔。さらに、はるか遠く、ウィーンの森をまとう丘陵の連なりが、青空のもとに見渡せた。この天地に、どれほどの時間が流れてきたことか。ただ、いまも、こうして風光を眺めている。」
~ヘルメス・ヴィラの想い出と共に~
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黒川創氏の作品「京都」が好きだ。美しい観光地としての京都ではない京都。だから黒川氏の作品を読みたいと思っていた。
ウィーンと二人きりの兄妹と外交官、そして兄の周りの人々。
外交官の章がよかった。
ウィーンの美しいだけではない別の顔、オーストリアの複雑な歴史等々。
静かな、だけど深い、様々な解釈が出来る話のように感じた。
最後にコロナウイルスによる混乱もしっかり描かれているのは今の時代のかな。
「第三の男」を絡めて書かれていたのも面白かった。
「第三の男」は学生のときに英語の授業で読んだ。
当時は訳に必死で背景、その本題など理解できていなかった。
改めて読んでみたくなった、日本語で。
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さらっとした読後感です。
兄の死を受けた妹視点で進めつつ、領事の視点もいれて、時空を意識させつつの、ウィーン小説。
あつみ基準
星5:ワクワク、深い情動をありがとう!
星4:素敵な読書時間をありがとう!
星3:ふつうに楽しみました。
星2:私には合わなかったかも
星1:読まなきゃよかった、、、(現時点で評価実績なし)
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「何事にも潮時というものはある」という言葉が私には一番響いたけれど。
そうなんだ、海外で亡くなった時の様々な制約にびっくり!
話は悪くなかった。
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黒川さんの作品を初めて読みました。
この作品の中には作者の語りたい事がぎっしり詰まっていて
それぞれが大きな声で前へ出てきそうでありながら
それらは控え目に静かな語り口で私の中に入ってきました。
表紙のエゴン・シーレの絵と共に
心に残る1冊です。
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日本へのフライトを予定していた西山優介が突然ウィーンの自宅で自死し、妹の奈緒がその収拾にあたる物語だが、領事の久保寺光、カトリック教会の面々、近所の友人たちが巧みなサポートをしてくれる姿に感動した.奈緒は幼い洋を連れていたが、久保寺らが支えてくれる.兄の思い出を回想する奈緒だが、会葬者の前での挨拶は素晴らしい構成だった.杉原千畝のことも出てきたのが意外だったが、ウィーンとカウナスが地理的に近いこともあるのだろう.表紙にあるエゴン・シーレの「死と乙女」を久保寺が鑑賞し、その背景を述べている件も良かった.