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なんだかんだで色々あったけど上手くいっているんですね。
上手く行き過ぎてリアリティが無い気がします。
悲しいけど現実は辛いですね。
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犯罪は身近にあることにムズムズ。
老人の孤独な心のあり様にムズムズ。
清濁飲み込んで、ハッピーでもバッドでもないエンド。
なんて感想を言ったらいいんだろう。
綺麗な思い出を持たせてくれないし、
かといって恨みや後悔で引っ張ってもくれない。
一橋桐子さんの、お話。
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この作者の作品を幾つか読んだ気がしていたが、初読みだった。文体も展開もわかりやすく、サクッと読めた。世の中いろんな事件があり、わからない事ばかり。だが、欲をかかずに真面目に生きていれば、いい人生が送れるだろうと思った。
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面白かった!誰でも一度は犯罪計画妄想するだろうけど、ちょっと手を出しかけるのが愉快。桐子はなんとか踏みとどまれたけど、そこを越えて犯罪者になっちゃうのもありなんだよな。切羽詰まった犯罪って捕まえた警察も頭痛いだろうな。一生懸命真面目に働いても安心して年も取れないって何?政治家みんなこの本読め!桐子のコツコツを見ていた人が、みんな自分に出来ることをしてくれるのが嬉しい。後は大人に任せろって言われて泣き出す雪菜が不憫(´;ω;`)そう言える大人が増えるといいな。
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根底にあるのは「三千円の使いかた」の逆パターンと思った。
他人に選択してもらうのは楽かもしれないけど、自分の周りにはいろいろな選択肢がある、どうにか何とかなるということを知っておくだけで道は拓けると思った。
真面目にコツコツと頑張っている人にはたくさんの選択肢が与えられ、報われる世界であってほしい。人にもたれるのも悪くないと思う。
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いろんな問題がてんこ盛り。
ちょうど、テレビで阿佐ヶ谷姉妹をテーマにしたドラマを見始めたところだったので、女性の二人暮らし、いいなあ、と思っていた。
桐子とトモの生活も本当に楽しそう。でもそれはいつまでも続くわけではない。
老人の独居問題、夫(父)のパワハラ、不仲な夫婦が娘に与える影響、パート勤務の身分の危うさ、万引きに走る理由、闇金、ギャンブル、後妻業 あらゆる問題次々に噴出。
「人に迷惑をかけない」
ことを心掛け、ひたすら真面目に生きてきた桐子。
その気真面目さがあるからこそ、高校生の雪菜、若い経営者久遠とかかわりを持つことができ、犯罪を犯しそうになりながらも違う展開になっていく面白さは絶妙。
困ったときに躊躇なく困った、と言える社会が、桐子を通して描かれているんだなぁ。
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知人にオススメしてもらって図書館で予約。
8人待ちと言われ、三ヶ月後にようやく借りられた。
私がふだん現代作家を読まないから未知の作家だったけど、とても人気のある本だとわかった。
タイトル通り、なかなか不遇で不穏。
冒頭の仲良し70代女性の二人暮らしは、楽しそうで羨ましくなった。
離れて暮らす家族にしても、すごく安心できるだろうし。
日本の高齢者社会の抱える、孤独、貧困、ギャンブル、情報弱者、などいろんな問題が盛り込まれて、テンポよくバランスよくストーリーが展開して、あっという間に読み終えた。
救いのあるラストにほっとしたけど、桐子さんがまじめないい人で(あぶなっかしいけど)、彼女のために周囲の人たちが連携して動いてくれたからうまくいった、というケースにすぎないことにドキリとする。
桐子になれなかった高齢者が、本当はたくさんいるのだろうし、人の縁が薄くなる中、セーフティーネットが機能しないと、高齢者犯罪はもっと横行するだろう。
そういう意味では怖い話だ。
三笠さんの彼女と大家さんのあいだに何かあるのでは、と勘ぐって読んでいたので、ちょっと拍子抜け。
久遠さんや雪菜ちゃんが優しい人たちで良かった。
ライラックの花、サツマイモのふかし饅頭(鬼☓☓という名前がこわい)、トモのワンピース、優しい心の向こうにあるものについて、想いを馳せた。
追記
人に迷惑をかけずに生きるために、家族やお金の都合のつかない高齢者は、犯罪をおかして刑務所暮らしを望むという皮肉。人に迷惑をかけてはいけない、という呪いが、この社会から少しでも減ることを願う。困っているということを、家族の外にちゃんと宣言できる社会でなければ、少子高齢化社会が余計な不幸を増やしてしまうだろう。
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一橋桐子さんは76歳。刑務所に入りたいと思っている。ご飯や家のことを考えなくていい、病気も診てもらえる、介護もしてもらえる、だから今の生活より楽になると考えた。実際、犯罪を犯してみる。ことごとく、刑務所に入るに至らないのだが、何をすれば、長く刑務所に入ることができるかも考える。そうは思いながら、生活していくため、まじめに仕事に励む。76歳、まだまだ頑張らなくては、楽には生きていけない。
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レビュー①
貯金残高23,568円...
桐子(主人公)は76年間慎ましく生きてきた。
なのに、貧困で刑務所に入るしかないのか。
日本に慟哭した。
でも、76年培った性格(桐子の誠実さ)が人生を変えていく。
自分も76歳の時、こう在りたい。
そう前向きになれる作品です。
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レビュー②
「は?!『どうやって使うの』だぁ!?」
近所の回転寿司店にて。
タッチパネルに困惑する女性(70代)。
そんな彼女を高圧的にナジる店員(20代)。
この店員には、一橋桐子(76)の犯罪日記を勧めたい。
雪菜(女子高生)を見習ってほしい。
まだ間に合うよ。
私(おっさん)でも変われたから。
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桐子さん、よかったね。
一人っきりの高齢者が将来を案じて刑務所に入るために何か犯罪を起こそう、と考えるなんて悲しい。
そんな世の中が殺伐としていて悲しい。
コロナ禍、子どもがいる家庭ばかりじゃなく、もっと光を当てなければならない人々がたくさんいるんだよ。
そんなことを叫びなくなった。
独居高齢者の淋しさが他人事ではなく明日は我が身かもしれない。
でも真面目に、一生懸命生きていればいいことがあるんだね、って桐子さんは教えてくれたような気がする。
周りの人々も優しい。
こんな優しい人々の近くで生きられる桐子さんは幸せ者だね。
桐子さん、みんなに囲まれて長生きしてね。
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夫も子どももいない一橋桐子は、一緒に暮らしていた友人を亡くした。身内もおらず一人ぼっちになってしまった桐子は、ある日テレビのニュースで刑務所の実態の番組を見る。3食ご飯でて来て、労働や運動もできる。さらに介護までやってくれるのだ。誰にも迷惑をかけずに死ぬまで刑務所に入っていたいと考える。
桐子さんの境遇は、高齢者だからいうわけではなく、歳関係なくあるのではないかと思ってしまった。家族もいない親しい友人もいないしお金もない。失うものなど何もない状態。桐子さんの場合は捕まりたい気持ちでいっぱい。
だけど、清掃のパートで知り合った喫煙所のブラック企業に勤める若者やある犯罪を起こそうとして知り合った女子高生、借りてるアパートのを管理してる不動産屋さんやその大家さん、さまざまな人が桐子さんの周りにいる。それって桐子さんがいい人だからだし、誠意を持って仕事をしてるからだよね。
少し危ない方向に行ってしまいそうだったけど、周りの人たちに支えられて本当に良かった。桐子さんの人格があるからだよね。
あと結婚詐欺についてのレクチャーは、すごかった。ちょっと参考になったかも(笑)
2022.1.21 読了
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親の介護もあり結婚することもなく、頼れる身内もいない桐子76歳。
もう刑務所に入るしかないと思い詰めるのだが。
桐子さんの穏やかさ、優しさが結局桐子さんを救うことになります。
知らず知らずのうちに人助けしているお人好し。
だから周りの人たちが気にかけてくれるんだな。
自助という言葉がたくさんの人たちを苦しめているような世の中で起こりうる心理な気がしました。
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ミステリー小説のつもりで図書館から借りたら違いました。初原田ひ香さんです。
分をわきまえた律儀な桐子さんと良識のある周りの人達のお陰で読後感の良い作品です。ただ、清掃の仕事って50代でもきついです。真面目に76歳まで働いていても住宅費が不足し生活保護になりそうなんて日本って一体…
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タイトルからどんな恐ろしい展開が・・・?と思っていたらほっこりエンディングで良かった。
でも、なんか気持ち分かるなあ・・・年取ると不安になるよねぇ。配偶者がいたり子供がいたらまた違うだろけど、頼れる身内もお金も持ち家もないとなると、刑務所に入った方がいいんじゃないかと考えても、それもアリかなあなんてつい思ってしまいそう。つくづく人とのつながりは大事だわ。
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今、読み始めている。
はじめての作者 原田ひ香氏の本である。
「三千円の使いかた」を書かれた人だと、本を手にして気付いた。
先ず、これを読み終えてから、次に・・・と、思っているのだが、今日 節分の日の朝刊に、この作者の「そのマンション、終の住処でいいですか?」という本が出ていた。
う~~ん、この読み始めている本を読み終えてから考えてみよう!!!
先日 柚木麻子氏の「マジカルグランマ」を読んだばかりであった。
マジカルグランマに登場する 75歳の老婆は、元気溌溂、ポジティブ思考で、何でも挑戦してみて、自分を売り込むことも・・・
そんな本とは、この本は対照的である。
76歳の主人公 桐子。
親の介護で、結婚もせずに歳を重ね、気付けば、年金生活で、清掃のパートをして暮らしているし、同居のしていた親友が居た時は、寂しさも無く、ちょっぴりの贅沢を楽しみに 生きていた。
しかし、その同居した親友が、病死してしまい、このままでは、自分は一人。
住まいも、引っ越ししなければならない。
孤独死しても、誰も看取る人は、いないことに気付く。
そんな絶望の淵に居た桐子は、テレビで、高齢受刑者が、刑務所で介護されているのを見て、人に迷惑をかけずに、長く服役する方法はないのだろうか?と、・・・
始めは、出来心の「万引き」
泣きっ面に蜂ではないが、香典泥棒詐欺被害で、・・・
捕まれば刑務所へ行けるのではないかと、・・・・
第二章は、「偽札」
コポーするのも、ドキドキの桐子。
読んでいて、お金という価値を再確認。
桐子さんの周りに、少しづつ、優しい人物が、登場してくる。
第三章「闇金」
パチンコの清掃を風邪を引いたから、助っ人として桐子さんが、掃除することに・・・
そこで出会う人も、ちょっと怪しげな人なのだが、・・・
第四章 「誘拐」
若い 雪菜の家庭環境を知って、雪菜の提案で、誘拐未遂を企てるのだが、・・・・
最終章は、最も犯罪の思い、「殺人」へと・・・
しかし、今までの清掃の仕事も手を抜かずに して来た事が、結ばれて、仕事も今までより、待遇も良くなり、不動産の事も、家賃が安くなったり、改善されて、介護される側になっても大丈夫と、言われて一安心。
最後のガンであと幾ばくかもない兄貴(?)が、妻にも嫌われて、離婚する時間も無い!と、・・・述べているのだが、本当に、家族が居たから、未来は、老後は、大丈夫・・・なんてこともないのだ!と、言っているかのようであり、桐子さんの、死を待つのでなく、「生きる」という事を条件に殺人予告をする所が、なるほど!と、思ってしまった。
今まで考えていなかった事だったけど、身内が、居ないというのは、寂しいし、心細い事だと思いながら、ぼんやりと 幸せの中に 自分は、過ごしていたことに気付かされた。