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55年体制に至るまでとその後の流れがどの様なものであったか、また、今までよくは知らなかった歴代首相の政治姿勢がよく分かり、勉強になる良書。
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コロナ禍の混迷の中、石橋湛山氏がクローズアップされる。
軍国主義の時代に合っても民主主義国家を主張。
戦後GHQにも屈しなかった。
その一貫した姿勢が、リーダーシップの強さとして求められている。
ただ本書は石橋湛山氏の今日的価値を表すのに成功したとは思えなかった。
本書の描くのは戦後日本政治の政争の歴史であって、政策の歴史ではない。それは戦後日本が、米国の傘の下、「小日本主義」でやってこれた結果である。まさに吉田茂総理が軽防衛・米国依存で「経済優先」の国家戦略の賜物である。
戦後復興のときに、自立・自尊を国家戦略とするのは、理念としてはあっても現実的ではない。
あのとき国民は飢えていた。
高度成長を成し遂げ、成熟の停滞下にある日本が、コロナ禍という非常時を迎えた今、改めて「真の自立」を必要とする。それを本書で訴えるのが保阪正康氏の狙いであろう。
石橋湛山氏の3つの柱
①小日本主義
②反ファシズム・平和主義
③論理主義(科学主義)
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戦後GHQの経済政策にたてついて後暗い所がないにも関わらず公職追放の憂き目にあった湛山。その時の軋轢から吉田と仲違いするが、政策的にはその後行動を共にする河野や鳩山よりも近かったそう。
湛山でさえも血みどろの権力闘争をしなければならなかったのだなと感じたか、自分がジャーナリスト時代に批判した浜口のニの轍を踏まないようわずかな期間で退陣したのは湛山らしい。
もっと長く政権を担えたら日本はもっと違っていただろうという論はそのとおりだと思ったし、岸や孫の安倍の姿を見るにつけ、残念だったと思うばかりである。
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石橋湛山は、かねてから高評価の悲劇の宰相である。
この書で再認識したのは、その次の首相のこと。
石井が、どのような政治家だったのかは、今となっては全く分からない。
岸(その後の佐藤)については、書かずもがな。ただ、ある方が危惧したというのは、今まで知らなかった。この部分が本書で一番勉強になったことだ。
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つまり、首相であった65日間にではなく、その前の民間の言論人であった時代、大臣になった時代になした言動から、評価されている人なんだな。
この人がこんな短い期間ではなく、三年、あるいは安倍さんのように長期に渡って在任していたらどんな時代になっていたのだろうか。
外交面でも本当にバランス感覚に長けていた人のようだから、今のロシアにどのように処するのだろう。
ただ、今いない人のことをたらればでいくら論じて見ても現実は変わらないわけだから、次の石橋湛山を見つけまたは生み出さない限り、良くはならないのだろう。
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audible 。何人もの左派と思える人が高く評価する石橋湛山とはどのような政治家であったのか。なるほど自分の知る歴代の保守政治家とはかなり違っている。安倍何某などのエセ保守など足下にも及ばない人物のようだ。
しかし政局の中での泳ぎ方はどう見ても民主主義者じゃない気がする。国民より自分の今の政治家たちと同じに思えた。