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文学的素養や英国社会に関する知識などがあればもっと楽しめるんだろうな、と思うとちょっと悔しい気持ちになる。
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のんびりした若旦那のバーティーと、比類なき機転で彼をサポートする執事ジーヴス。忠誠心とか愛情とかとはまた違うプロフェッショナルでビジネスライクな絆で結ばれた彼らのもとに、旧友ビンゴなどがしょっちゅうトラブルを持ち込んでは繰り広げられる英国風ユーモア盛りだくさんの物語。上流社会でお気楽に暮らす若旦那なりの苦労、使用人としての立場をわきまえつつ自己の主張はなんだかんだで貫き通すジーヴスの時に冷淡なほどの現実把握能力、言葉のやり取りも次々起こる事件の展開もナンセンスなほど面白くて、肩の力を抜いて楽しめる。こんなにも慇懃無礼に、かつノーブルな香りを漂わせた“ナンセンス”が成立するのは大英帝国ならでは、なのではないだろうか。若旦那の独白である地の文も、ジーヴスの丁重丁寧な言葉遣いも、きっちりした訳文によって魅力たっぷりに楽しめる。
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一言で言うと、英国版ドラえもん。
服のセンスには一家言ある(つもり)のお気楽ぼんぼんご主人さま・バーディーと、冷静沈着頭脳明晰奇妙奇天烈摩訶不思議出前迅速落書き無用なブラック執事・ジーヴスとのやりとりがとにかく楽しいです。
手元にずっと置いておきたい本。
すんごい高いけどね。
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この本はお馬鹿な主人公 バーティーとその執事ジーブスがおりなすドタバタ劇である。主人公バーティーは日本の落語や漫才にみられる基準では決してバカではない。
なぜなら自己分析や状況や物事の理屈を把握する力を持っているからである。一方、決して高邁ではなく快楽主義的ではあるが馬鹿ではない。
ところがジーブスとのやり取りをよむと全くのお馬鹿にみえてくる。なぜならジーブスのほうが何倍も真実を見抜く目をもっているからだ。
ときにはバーティもジーブスに歯向かったりするが、結局のところジーブスの掌でおどっているにすぎないことにわかる。
日の名残にしろ執事物はどうしてこんなに面白いのだろう。
シリーズだがこれだけ読んでもいいですよ。
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ギャグたっぷりで、ずっと楽しいまま読み終わった。
どんなトラブルも天才的に解決してしまう天才執事ジーヴスは絶対に間違ったことをしない。
雇い主のバーディーが友人から相談を受ける時も「お前にしてもらいたいのはこの話を全部ジーヴスにして、奴がどうすればいいのか聞いてくることだ」と言われるほど。
けど、どんな要望もこなせる天才執事でも、主人の奇抜なファッションだけは許せない。
バーディーが紫のスパッツなぞはこうもんならジーヴスの態度はどことなーく冷たくなり、バーディーがどんなトラブルに巻き込まれても知らん顔。そしてバーディーはスパッツを手放さざるをえなくなる。
このやりとりもまた可愛い。
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バーティーがいるからジーヴスがあり、
ジーヴスがいるからバーティーがある。
人の良すぎる洋服のセンスのない主を助けてくれる
ちょっと毒持ちの素敵な執事。
この2人のやりとりが楽しかった。
もう少し時代性を知ってたら、もっと楽しく読めるんだろうなあ。
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頼りない若旦那バーティーと、頼れる執事ジーヴスのドタバタ喜劇。
黒い…黒すぎてカッコいいジーヴス。
バーティーと服装の事で毎回冷戦状態になるところや、あっと驚く機転で主人のピンチを救うところ、ウィットに富んだ会話の応酬など、お気に入りの箇所を上げていくときりがない。
イギリスのブラック・ユーモアが随所に溢れていて、向こうの知識人が大好きな作品だというのも納得。
連作短編になっており、単発でも楽しめるが通しで読むと一つのストーリーになっている。
これを読む前に「英国メイドの世界」を読んでて良かった!英国階級社会、メイド・執事に対する基礎知識があって読むとより楽しめる。
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主人公バーティーやその友人ビンゴが、賭け事だの想い人への告白だのでおマヌケな行動を繰り返し、執事ジーヴスが事を収める…というパターンの短編連作。
いい意味で予定調和な作品だと思う。
パターン化された話であるがゆえに、安心してハラハラ出来ると言うか、水戸黄門を見ている時の感覚に近い。
正直、バーティーの流され体質とビンゴの調子の良さにイラッとすることが多く、オチまで読むと胸がすいた。
この話の面白さは、二人の滑稽さとジーヴスの有能さのギャップにあると個人的に思う。
ジーヴスはやたらと広い交友関係を駆使して情報を仕入れるし、密かな根回し、買収もお手の物。
全部バーティーのためかと思いきや、ちゃっかり主人よりいい思いをしたりする。
そして執事らしく、主張しすぎない。(服装に関してだけは断固とした態度で、笑ってしまったw)
なかなか魅力的なキャラクターだ。
私でさえそう思ったのだから、執事モノが好きな人はツボだろうなあ。
バーティーもバーティーで軽妙な一人称語りをしてくれるし、古き良き英国の雰囲気が出ていた。
短編を集めた本だが、とあるエピソードが後になって別の話に影響したりして、ちゃんと一冊で一作品になっているのが良かった。
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私にもジーヴスが欲しい。
でも最後の大団円はひどいよジーヴス。バーティーが可哀相、と爆笑しました。
この時代背景とかイギリスの階級のこととか当時の詩や文学やオペラやレビューや風俗を知ってたら、もっと面白いんだろうなぁ。
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この本読みながらどんな表情してたかなあ。
にこにこ?
いいや、ニヤニヤ?
自他ともに認める無意味な人生を送る(ということは、正しい人生を送る)バーティーと彼をたすける完璧でしたたかな執事ジーヴスのおもろい暮らし。
なんか、ミステリって聞いてたんだどなあ、ぜんぜんちゃいましたね。
(2005年06月29日読了)
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初めてのジーブスもの。いくつかのサイトで喝采されているので中町図書館にて借りる。ウィットに富む会話とジーブスの機転がとても面白い。
このシリーズの原書を一つ持っているものの英語が難しく読むのは無理だった。
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ジーヴスシリーズはどれも文句なしの面白さ。書棚に飾って、気が向いた時にちらほらと読み返したいタイプの作品。
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クセになりそうな心地よさ(ソファのレビューみたい)。しかし表紙のデザインはえらく重厚です。文藝春秋版の方が販売的にはいいんじゃないの、って、よけいなお世話か。
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イギリスのさる裕福な一族の青年、バーティー・ウースター。彼には世界一優秀で有能な執事ジーヴスがおり、身の回りの世話をしてくれる以上に、あらゆる難題を解決してくれるのだった。ちょっぴりビターな解決法ではあるのだが…。英国一流大学を出た知識人ではあるものの、お人好しでちょっと考えの足りないお坊ちゃまバーティーが、恋多き友人ビンゴに恐怖のアガサ伯母さんらの持ち込むトラブルに巻き込まれ、困った末に頼る最後の知性が執事のジーヴス。この主従関係、一見表面上は体裁を保っているが、実際のところ主人バーティーの思惑通りにならず、最終的にジーヴスの思うままになるところがミソ。例えばバーティーの進歩的(?)なファッションセンスにしても、保守派のジーブスは我慢ならず、派手で真っ赤で陽気なカマーバンドを着けようとするバーティーに「それはお勧めできかねます。ご主人様。本当にいけません。ご印象がにぎやかきわまりすぎでございます」と一言。にぎやかきわまりすぎって(笑)…原文はどうなってるの?!それでも主人の意地で身に着けたバーティーには冷たい態度を貫き、最後はジーヴスが善きに計らう…という展開。こうした展開は愛すべきパターンとして他の作品にも繰り返され、マンネリの面白み(=水戸黄門?)となって何度読んでも笑える魅力となっている。いわゆる純文学ではないが、多くの作家、文学者、哲学者に愛され、その後の様々な英米作品のユーモアに多大なる影響を与えたウッドハウス。特にこのジーヴスシリーズは、セイヤーズのピーター卿とバンターはじめ、ご主人様と優秀な執事いう関係の典型パターンの大本になっていると言っても過言ではあるまい。英国では、ジーヴスとバーティーの名コンビはホームズ&ワトソンに並ぶほどの人気があるそうだ。本書は国書刊行会版だが、ほぼ同時期に文春からもウッドハウスものが出版されていてファンの間では訳の違いが云々されているようだが、入手しやすさと継続性からこちらのシリーズを選択。不満があるとすれば、各話の出典と初出年、原題ぐらいはせめて併記してほしかった。この本は18の短篇が収められた連作短編集という形で、最終話『大団円』に向かって一応繋がったストーリーとなっている。あらすじを紹介して興を削ぐことはしたくないが、自分の覚え書きのために短篇タイトルとひとことアウトラインを以下に記す(ネタバレなし)。『ジーヴス、小脳を稼働させる』ウェイトレスのメイベルに恋したビンゴ『ビンゴが為にウェディングベルは鳴らず』ビンゴのために一肌脱いだバーティー、思いがけない結末『アガサ伯母、胸のうちを語る』カマーバンドとフランス『真珠の涙』詐欺事件危機一発!救ったのはやっぱりジーヴス『ウースター一族の誇り傷つく』新たな恋(オノリア)に落ちたビンゴ、今度の策は?『英雄の報酬』どんだけ変わり身早いんだビンゴ『クロードとユースタス登場』アガサ伯母とオノリア、ジーヴス批判『サー・ロデリック昼食に招待される』オノリアの父にキチガイ疑惑持たれるバーティー『紹介状』アメリカへ一時避難するも新たなトラブルメーカーが…『お洒落なエレベーター・ボーイ』紫の靴下の行方は?『同志ビンゴ』ビンゴの新たな恋��ためのティーパーティーをなぜバーティー宅で?『ビンゴ、グッドウッドでしくじる』ハイドパークのあごひげ男。その正体は…『説教大ハンデ』これ以降の一連のドタバタは最高。このタイトルの意味するゲームの馬鹿馬鹿しさと言ったらない。『スポーツマン精神』スポーツマンの血って、賭けごと好きなこと?地域お楽しみ会(運動会みたいなもの)の競技がユニーク。『都会的タッチ』哀れなビンゴの都会的一人劇『クロードとユースタスの遅ればせの退場』トラブル2乗ツインズ、国外追放?『ビンゴと細君』ビンゴ本物の恋のために最高傑作「何者も顧みない女」を活用。『大団円』まさか作者本人が!…バーティにとっては酷い結末、仕組んだのはジーヴス。でも大団円!
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森村たまきさん訳のこのシリーズはかなりお気に入り。amazonで中古がなかなか安くならないのが残念なところ