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全員が当事者。だから、迂闊なことを口にさせない本。一方で、内省と咀嚼を迫る本。
①魔法少女について
贈与の仮面をつけた呪詛によって魂を殺され続けた奈月の生命維持装置。ピュートという聖人を偽造して、祝福を偽装するための仕掛け。同時に「おおきいおともだち」によって消費される、小児性愛のアイコンでもある。
②三大タブー
殺人、食人、近親相姦。そのタブーを踏み越えると超人になれるらしい。『木島日記』知識だけど。崖崩れで陸の孤島となった山村で食人と近親相姦にふける、っていうシュチュエーションも『木島日記』にあったなぁ。元ネタは何だろう?
③肉親の描写が書き割りっぽい
わざとなのかな?奈月の幼児性を描くため?こうまで戯画化しなければ、もっと奈月の苦悩が深く感じられるのにな。ちょっと残念。
④家族の始まりはメスの所有と贈答かららしい
山極寿一先生『父という余分なもの』によれば、メスをやったりとったりすること=メスの所有と贈答が家族の始まりなのだそうで。しかも、家族は人間にしか作れないのだとか。もう、あれだ、ホモ・デウスになるしかないな!
あと、朝日新聞の記事で印象的だったもの。村田沙耶香さんは各所で「クレイジー沙耶香」を喧伝したことを後悔してるらしい。「多様性」の誤った使い方を世に広めたと。
https://digital.asahi.com/sp/articles/ASMDM3302MDMUPQJ001.html?iref=sp_ss_date_article
簡単に「多様性」とか「クレイジー」とか言っちゃいけない。わかりやすいフレーズは、わかりやすさの毒を含んでる。
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村田先生の私たちが普段当たり前に生きていれば感じない「普通」を独特なタッチで表現されている。
何度も、たしかになんでだろう。と思ったことか、、、
改めて考えさせられた。
ここまでドロドロのグロテスクな描写がされているとは思ってもみなかった。
ちょっと、グロいのがダメな人は勇気を持つ必要があるかもしれない。
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友達から勧められて初めましての村田沙耶香さん。読み終わってこれを初めて読んだことは正しかったと思った。こんな衝撃が走った作品は初めて。読み終わった時ズドーンって何かが鳴り響いた音がするくらい。惹き込まれて惹き込まれて終わり方は予想だにしなくて。言葉を失いました。
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日常生活で感じる言語化できないモヤ感を物語の中でズババ!と表現してくる読書体験は、小説の方から私の内面に迫る感じがおそろしくもあり、その破壊力が愉快でもある。子供時代にサイヤ人やナメック星人は受け入れられたのに、本作の地球星人とポハピピンポボピア星人には戦慄した。
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村田沙耶香さんの発想は、本当に奇想天外で毎回驚かされる。恋愛とか、生殖とか、社会の部品の一部とか、、あたりまえに受け入れていたことが、本当にあたりまえなのか問いただされる一冊。
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ただただおぞましくて、はやくこの小説が終わってくれないものかと思いながら読んだ。
主人公たちの世界の見方に共感する場面はあるのに、なぜこれほどまでにおぞましく思うのか。ゆっくり考えたい
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かなり変だけど面白かった。
宇宙人の目でみると、私たちの当たり前が当たり前じゃないのね。食人は無理だけど、私たち地球星人も何かひょんなことで宇宙人の目で物事を見ることができる気がした。
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確かに衝撃的な内容ではあった。しかしこの著者の作品をすでに何冊か読んでいるので、どうしても内容に既視感を感じてしまった。初めて読んだ村田紗耶香作品がこちらだったらもっと衝撃を受けていたと思う。
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いやいやいやいや…
これは迂闊に感想を書けない作品であります。
うっかり口を滑らせると自分がポハピピンポボピア星人であることがバレて…いやいや……
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小学生の時にトラウマに会ったり家族からも冷遇されたりした奈月がどう成長していくか、ドキドキだったが、最後はぶっ飛んだ展開であっという間に読んでしまった。今まで感じた事のない読後感で今夜は眠れそうにない。
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疲れて、眠りたいのに、ページをめくる手が止まらず、一気に読み切ってしまいました。借りている本もあるのに、先に読んでしまいました。
この本を読む前と読んだ後とでは、今まで培ってきた価値観が変わってしまうので、評価することは難しいと思います。
今まで「気持ち悪い」「グロい」と感じていたものが、常識になります。洗脳感が中毒になります。最高です。
当たり前を捨てて、ポハピピンポボピア星人の宇宙船に乗り込みましょう。こちら側でお待ちしています。
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よく言われる「常識」や「当たり前」って誰が決めたの?誰から見て当たり前?
そういうものやことの価値観って少数派だとなぜこんなにも生き辛いの?
そういうことを考えさせられました。
この作品は、いい意味でそういう世界からぶっ飛んでいる。
この登場人物の3人は、「そっかそっか。私たち地球星人じゃないもんね」って吹っ切れていて何というか痛快でした!
とても面白かった!
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村田沙耶香さんはぶれない。
ここまで突き抜けてないけど、よくわかる。
恋愛結婚出産を強要される不快さ。
いくつになったら純粋にわたしの意思だけで選択させてもらえるのか。
パホピピンポポピア星、ついつい言いたくなる。
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ポハピピンポボピア星人を自認する奈月が地球星人やこの工場のような社会を相対化していく話。「なにがあってもいきのびること」を合言葉に、家族や社会に捨てられないように迎合して生きてきた子ども時代から、社会の駒として働き、社会の一員を生産する生殖者としての役割も期待される「工場」である社会から逃走して秋級で夫といとこの由宇とポハピピンポボピア星人として生きていく。この工場としての社会への違和感や、生き延びるためにはそれに合わせていかなければならない葛藤や、そこには共感する。合理主義を推し進めている現代社会ではあるが、合理的なことだけを選び取るポハピピンポボピア星人の辿る道は異常に映る皮肉。最後の、ポハピピンポボピア星人は伝染する、とか、三匹とも妊娠している、という話は、この社会がいかに同調圧力が強くて異質なものを排除しようとしても、それへのアンチテーゼは必ず出るということ?
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子どもだと無邪気、よくある考え方なのに、
大人になっても、自分は人とは違うという考え方を突き通すとこんなにも気持ちが悪いということに気づいた。