地球星人(新潮文庫)
著者 村田沙耶香
恋愛や生殖を強制する世間になじめず、ネットで見つけた夫と性行為なしの婚姻生活を送る34歳の奈月。夫とともに田舎の親戚の家を訪れた彼女は、いとこの由宇に再会する。小学生の頃...
地球星人(新潮文庫)
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商品説明
恋愛や生殖を強制する世間になじめず、ネットで見つけた夫と性行為なしの婚姻生活を送る34歳の奈月。夫とともに田舎の親戚の家を訪れた彼女は、いとこの由宇に再会する。小学生の頃、自らを魔法少女と宇宙人だと信じていた二人は秘密の恋人同士だった。だが大人になった由宇は「地球星人」の常識に洗脳されかけていて……。芥川賞受賞作『コンビニ人間』を超える驚愕をもたらす衝撃的傑作。(解説・小林エリカ)
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なんとも言い難い
2023/01/20 07:59
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:杉野 - この投稿者のレビュー一覧を見る
最後の最後に真っ当な地球人が出てきて自分もそちら側の人間であったと引き戻されました。もし最後が違っていれば地球人に戻れなかったかもしれません。
村田ワールドの極北を堪能せよ
2022/04/22 20:51
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投稿者:hachiroeto - この投稿者のレビュー一覧を見る
小学生同士のセックスから狂気に満ちたラストまで、おそらく現時点で村田沙耶香「最狂」の一冊。地球という「人間工場」になじめない主人公のすさまじい暴走に、あなたはついてこられるか。
まさしく村田沙耶香ワールド
2021/06/29 08:52
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公の奈月は、自分のことを魔法使いだと思っていた。いとこの由宇は自分のことを宇宙人(ポハピピンポボア星人)だと思っている。普通の小説なら、「そういえば、小学生のこと、そんな空想していたなあ」という笑い話になるエピソードとなるのだが、村田沙耶香氏だから、当然、そうはならない。奈月は、30歳をすぎて、主婦になってもその妄想を持ち続ける、しかも、自分も由宇と同じく宇宙人だと思ってしまっている、仮想結婚した夫も、頑なに社会(地球)に溶け込もうとしない、それどころか地球人でない証拠に地球人の隠避中の隠避、近親相姦を試みようとする、作者の芥川賞受賞作、コンビニを愛しすぎた結果、自分がコンビニになってしまう「コンビニ人間」と同じく、とんでもない妄想に取りつかれた大人が暴走していく彼女らしい怖い話だ
異常なのに共感
2022/08/28 14:55
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:悟り小僧 - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公・奈月が「ポハピピンポボピア星人」として昇華されていく過程は、異常であり、狂気である。
しかし、その根底にはいたって一般的で共感可能な感情がある。家族からの疎外感や、変えようのない辛い現実に対して、何とかして我慢して「生き延びる」というのは誰しも経験のあることだろう。ただ彼女の場合、辛さの度合いが甚だしく、我慢思考が少しばかり強かっただけである。
そう考えると、「ポハピピンポボピア星人」を生んでいるのは、社会におけるありふれた理不尽や、欺瞞や、抑圧なのかもしれない。
おそらくそうした「はみ出しもの」としての「宇宙人」が生まれることは、避けられない。本質的に問題なのは、「宇宙人」を「地球星人」へと教化しようとし、あるいは排除しようとすることである。私たちが真に多様性ある社会を信奉するならば、「宇宙人」を「宇宙人」として社会に包摂するような営みが求められるのではないだろうか。
いたるところで鎖の香
2025/03/13 06:44
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
恋愛・結婚と縛られた社会への、村田さんのアイロニーは強烈ですね。契約夫婦が乗り込んだトラムは、東西を横断するかのような終着港でした。
どうしてこんなに偏ってしまうのだ。
2021/11/21 14:59
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投稿者:びずん - この投稿者のレビュー一覧を見る
毎日のちょっとした違和感も極限に偏ってみると、ぞっとするほどのことになってしまう。でも違和感がない世界なんて、やっぱりそれはそれで気持ちが悪いでしょう。むしろそのほうが息苦しいでしょう。偏らせてしまったのは、もしかしたら平均的な考えからはみ出せない側かもしれない。だから、私の普通にあなたの普通ばかりを押し付けないで、この世界に生きている命は全部違って当然なんだ。
地球星人
2021/05/31 02:19
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投稿者:イシカミハサミ - この投稿者のレビュー一覧を見る
序盤と終盤の具体例は、
今回も極端に振り切っていく。
極端と極端に挟まれた中盤の
現実をぞわりと撫でていく感じがたまらない。
正常という異常。
常識という洗脳。
村田さんの発するメッセージとしては、
「消滅世界」ですべて受け取れたと思っているので、
心の隅のラジオは常に村田さんにチューニングしているイメージで、
次のシグナルを受け取れる状態で生きていきたい。
I'm an alien.
2021/04/30 10:53
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投稿者:ヤマキヨ - この投稿者のレビュー一覧を見る
スティングの"Englishman in New York"では「僕はコーヒーではなく紅茶を」とアメリカ文化の中では異国の人になる英国人がうたわれていました。alienは異国人、外国人。映画がヒットしてからは宇宙人、異星人としてもつかわれるようになりました。
この作品はまさにエイリアンを描いた作品と言えるでしょう。主人公は地球星人の中で違和感を感じながら生きる女性。「普通」の人々の中で暮らす息苦しさを扱っているのは「コンビニ人間」にも通底するものがあると思いますが、本作では地球星人の予測を超えるまさかの結末です。
圧巻
2021/04/21 11:18
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投稿者:Chii - この投稿者のレビュー一覧を見る
コンビニ人間と同様、村田さんの問題視する点が的確すぎる。ただ、今回は私にとってはグロテスクな表現が多すぎた。 誰もがあたりまえのこととして目を瞑っていることが浮き彫りになった、そんな本。
過激派コンビニ人間
2021/10/14 00:56
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投稿者:読者 - この投稿者のレビュー一覧を見る
独自の価値観から、常識だ・普通はこうだ決めつける世間に馴染めない主人公は同著のコンビニ人間を彷彿とさせるが、今回は恋を経験し、夫もできて中々アクティブ。自己形成の過程も描かれているのでより引き込まれた。
ただ、一部苦手なグロ描写があり、読むのが辛かった。