紙の本
当たり前の事をコンパクトに纏めた1冊
2020/09/20 17:07
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投稿者:リゾーム - この投稿者のレビュー一覧を見る
入試、就職、婚姻、法律などありとあらゆる場面で女性を排斥・差別しているこの国で何ができるのか。実際に支援に携わってきた女性たちによる執筆。
この本のとっても良いところは、ブックレットという限られた頁数に今どんな問題があってどんな支援が必要なのか、具体的且つ簡潔に述べられている点である。
因みに私はスフィア基準というものを本書で初めて知りました。
色々な人に読まれるべき本、今度は平積みで置いてほしい!!
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その筋によれば、東北大震災後の混乱の中でも女性が性的暴行を受けたケースがあったという。また、本書にも書いてあるが、避難所に女性用のスペースがなかったり、着替えや授乳も落ち着いてすることができない環境に置かれた女性たちも多いという。本書は「スフィア基準」などを紹介しながら、被災の場で女性たちが、女性であるがゆえに困ることがないような態勢整備(平常時からの準備や仕組みづくりも含めて)を訴える点が一つ。そしてもう一つは、災害支援において女性たちが支援側として能動的に活動することが、地域などで効果的な事後の生活を築くのに役立つということを述べている。
女性たちは被災の地で、確かに不自由な思いをすることだろう。ただ、だからといって女性たちに優先的な支援をするべきだろうか。世の中の半分以上は女性なわけで、その半分にも上る人々はそれほどに弱者だろうか、今の日本で。たとえば、避難所で年配男性がリーダー役を買って出ようとするなら、自分もリーダー役を買おうとするなど、もっと能動的に立ち上がってもいいのではないか。日本の女性たちは、受動的な立場に甘んじている面があるだろうと思う。だから、本書でも2番目の訴えのほうにもっと紙幅を割いてほしい。事例だけでなく、論的な面からももっと言及してほしい。
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東日本大震災時の避難・復興支援に携わった方々が書いた本。災害対策に「女性の視点」を入れることの重要性を説いている。東日本大震災で被災した女性の声や避難所生活の様子、県外避難の様子などはメディアであまり報道されておらず本書で初めて知ったことが多い。平時にできないことは非常時にもできない、という言葉が印象的だった。