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投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
人は、違ったものには興味がかきたてられますが、ここに紹介されているのはその中でも、かなり、……のものです。解説も、その背景とか、ゆわれとかも説明してあります。人によっては好みは分かれるかもですが、自分は面白かったです
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中野京子先生の著作にハズレ無しなので大変おもしろく読めましたが、肝心要の絵画の写真がめちゃくちゃ見にくくてとても残念な気持ちになりました。
新書なのでサイズが小さいのは仕方ありませんが、のどの部分が開きにくいので真ん中に注目ポイントがある場合とても歯痒い思いをしました。
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第4章「キメラ」
私のなかでは『ダンジョン飯』しか浮かばないんだけれど。笑
せっかくのかっこいいキメラで、なぜ背中に山羊の頭部が…。昔の人のなかではこれがカッコよかったのか?
第6章「妖精・魔女」
作品中でも書かれているけど、ギュスターブ=アドルフ・モッサの『エル』は、100年前の絵とは思えない程、現代日本のアニメに通じるものがあるわ。
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中野さんの執筆は、外れ無し。ダントツに面白い。
今回の作品は「知識」は主で従に美術。
美術ファンからしたら、この意見違和感ありと反論起きそうだけれど、行間迄余すところなく(むろん絵へのコメント迄も)「知らない事」が多いせいもあり、終わるまで、もうお腹いっぱい・・いい意味で。
美術作品をアトリヴュート据え置きで見るのが好きになって来た50歳以降。「異形の者たち」というジャンルは構成で勝手につけたのかもしれないと思うほどに、作者は魂を込め一意専心して筆をとり続けたのだろう。
絵画好きになってボス・ブリューゲルが上位ランクで好き・・というせいか、5章が最もお勧めの面白さ。
世相を描く、しかもその背後、闇にある人々の想いをえぐり出し、あぶるかの如く、巧みな筆致で鮮やかに述べた中野さん・・まだまだ追いたい。
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古今東西、描かれてきた、異形のものたちの姿。
「書きたい」と「見たい」を中心に絵を読み解いてゆく。
第一章 人獣 第二章 蛇 第三章 悪魔と天使
第四章 キメラ 第五章 ただならぬ気配
第六章 妖精・魔女 第七章 魑魅魍魎
本書に登場した主な画家の一覧有り。
それは画家の突飛な想像力の産物であり、技術の結晶。
されど、噂のものを書いてみたい、見てみたいの欲の供給と需要。
信仰や地位の誇示、或いは裸体を書きたい&見たいの欲もある。
そんな異形の数々を各章のテーマ毎に読み解いていく。
乗馬の姿が人馬一体となってケンタウロスとか、
遥か昔の神話や伝聞に登場するモノたちとか、
不確実な存在は、大いに想像力を刺激し、異形のものを
生み出しています。時代や環境によって変容していることも。
廃墟に異形を感じる絵画は、過剰な量の異形のものたちよりも、
畏怖の度合いが高く、虚無の感覚が背筋を寒くします。
あの映画やあの曲の原点である絵があるのも、良かった。
ただ、今回は持論をかなり前面に押し出してる感じが漂います。
文中の説明に合わせて、絵の一部を拡大したり、
矢印で示すのは分かり易くて良かったけれど、
1枚の絵を見開きで見せるのは、ページの狭間の真ん中の部分が
埋没して見にくい。新書サイズというのも、難点です。
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安定して面白いんだけど、結構いろんなところで見る画が多いかなぁ。エスプリは控えめ。
ワッツとモッサが良い。もっと見たいんだけど、両者とも寡作なんだろうか。
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はじめに「「それまで気づかなかった新たな美」「怪の中に人間の本質を見出し」と著者は書いている。観る方としてはそうだが、画家たちは、どうかなあ。ほとんどの画家は、そんなことは考えずに、心から楽しんで描いているような気がする。ボスやブリューゲル、アルチンボルドなんて、特にそうだよ、絶対に。
①人獣ー人魚、セイレーン、ハルピュイア、ケンタウロス、魚面人間
②蛇ーイブをそそのかした蛇、ラミア、メドゥーサ、大海蛇、ミッドガルト蛇、ヒュドラ、エリクトニウス
③悪魔と天使ー尻に顔のある悪魔、聖アントニウスを誘惑した悪魔、反逆天使、レッドドラゴン、疫病をもたらす悪魔、聖痕を与えるビームを出す天使、顔しかない天使、巨大天使、傷つけられた天使
④キメラーキマイラ、ケルベロス、スフィンクス、一角獣、グリフィン
⑤ただならぬ気配ーフリードリヒ「ブナの森の修道院」、セガンティーニ「悪しき母たち」、ベックリン、ギーガー「死の島」ピラネージ「牢獄Ⅶ跳橋」、エッシャー「滝」、エル・グレコ「トレド眺望」、ハンマースホイ「室内」、ホッパー「線路脇の家」
⑥妖精・魔女ーグノーム、妖精、リチャード・ダッド「お伽の樵の入神の一撃」=「フェアリー・フェラーの神業」(クイーンの曲名)、サバト、国を破壊する聖女にして魔女(モッサ「エル」)
⑦魑魅魍魎-ルドン「キュクロプス」、フュースリ「夢魔」、ブロンツィーノ「愛の寓意」、ボス「快楽の園 地獄」、ブリューゲル「反逆天使の堕落」
ホッパーの絵がヒッチコックのサイコのインスピレーションのもとになったというのには驚いた。勿論、クイーンの曲もね。ハンマースホイの絵にただならぬ気配を感じ取るとは、なるほどねえ。
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[図書館]
読了:2021/8/6
面白いけど、グロテスクな絵、文章も多いせいか、あまり読後感は良くなかった。p. 32「おとなしくさせるために多くの少年少女を生贄として与えた(牛は草食なので食用ではない)。」とか。
ドレの『ハルピュイアの森』が新たに知った絵の中では良かった。
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天使や悪魔、蛇に妖精、魑魅魍魎。
中にはそんな具体的なものは描かれていなくても「空間」「建物」に異形性を感じるものも。
そんな「怪」を感じる絵を集めて解説した一冊。
中野先生の著作を読んでいるとお馴染みの作品も多く(「怖い絵展」で見かけた作品も多数)完全なる新鮮味は少ないかもしれないが、ジャンル分けされたものをジャンルごとに一気に見られるというのは、また見方が変わって興味深かった。
驚いたのは、蛇の章で(異論はあると書かれてはいるが)蛇を一度も見たことがない猿や赤ちゃんでも蛇を恐れるという点。
DNAレベルで刻まれているということだろうか、あの蛇に対する畏怖の感情は。
日本に限らず、世界各地で神聖視され畏れられている理由が少し分かった気がした。
あと、異形を描くのは圧倒的に男性画家が多いという点にも驚いた。
確かに怪獣に興奮するのは男性に多い。
その理由も、この本を読んで分かった気がする。
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ウルトラマンシリーズにライダーシリーズ。敵役の怪獣・怪人に夢中になるのは男の子。本書に女性画家が1人しか登場しないのも肯ける?いえいえ、本書の著者が女性では?幼きころを懐かしみながら、異形の姿に赴きを感ずる一時。興味を持つのは子供だけではない。だから、こうして様々な作品が描かれてきた。動植物と身体を分かつ人獣、本能的に恐れてしまう蛇、何故か段々人に似てくる悪魔、体をもたないはずの天使、異なる遺伝子が共存するキメラ。昔から皆「異形」が好きだった。大人になって密かに楽しむ怪獣もの。密かじゃなくてもいい。
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中野京子さんなので、ヨーロッパの絵画に出てくる怖い生き物が中心です。このネタでだれか日本の絵画に出てくる妖怪や怖い生き物の解説をしてみませんか?ヨーロッパでは怖いだけの妖怪たちが日本に来ると怖いけどかわいいになる様子を読んでみたいものです。
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異形のものがなぜその形をしているのか。なぜそれ故愛されて、また忌避されているのか。時代背景なども相まって面白い本でした。さっくりした読み応えで、重々しくならず良かったです。
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果物や野菜の寄せ絵で有名な
アルチンボルトの
「水」
ぎゃー これはめっちゃ怖い!!
果物や野菜の時は
ギリギリ可愛さがありましたが
これはグロいです
勇気のある方だけ みてください
異形のものが書かれた背景から
紹介される各絵の簡単なポイントが
載せられていて とても見やすく面白いです
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「異形のもの」というテーマが大好物なので、楽しく読了。色々な作品が紹介されてたけと、個人的にはアルチンボルド「水」がめっちゃ怖かった…
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中野京子さんの、異形のもの、変わったテーマを描いた作品をまとめた一冊。
「人獣」では、ボッティチェリの「ミネルヴァとケンタウロス」、
「蛇」では、「イヴと蛇」、「メドゥーサを倒したペルセウス」、「9頭を持つ毒蛇ヒュドラと戦うヘラクレス」、
「天使と悪魔」では、エルグレコの「オルガス伯の埋葬」、
「キメラ」では、ドミニクアングルの「オイディプスとスフィンクス」、
「ただならぬ気配」では、エッシャーの騙し絵、エルグレコの「トレド眺望」、
「妖精魔女」では、ゴヤの「サバト」、
「魑魅魍魎」(とにかくヘンテコなものが描きたい)では、ルドンの「キュクロプス」、ブロンツィーノの「愛の寓意」、ボスの「快楽の園 地獄」などなど。
奇妙で不思議な絵画作品が沢山。
これは面白いテーマの一冊だった。美しい絵も好きだけど、ユニークで個性豊かな絵も好きだ。こんなコレクションの展示があったら行ってみたい。