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ジョー・ピケットシリーズ14作目
前作で猟区管理官の職を辞したジョーだったが、知事に雇われ失踪事件を調査しに謎の富豪テンプルトンの支配する地区に向かうことになる。
いつもトラブルのど真ん中にいる主人公…現代版ウェスタンとも言われたりするこのシリーズ、今回はほぼそれを地で行く展開
敵地のど真ん中への潜入捜査…というより流れ者のカウボーイが、街のルールに関係無く正義を貫いていく感じです(ウェスタンの様にすぐさま決闘となるわけではないですが…)
なるべく傷つく人々が減ることを願い、苦境の中でも常に解決に向けて尽力していくジョー、過去二作かなり追い込まれ法を超えた世界で再び活動をし始めた友人ネイト(ジョーが命を助けたことがある、ほぼ法に縛られない独自のルールで生きてる)との関係性も一つの区切りを迎えます。
鷹匠の師匠としてネイトを師と仰ぐ、ジョーの娘シェリダンも大学生となり(大きくなったなぁ)、大学の寮では他の生徒を監督する立場になってたこと、カントリーソングを聴いて心を落ち着けていることなど、それをダサいと感じつつ父親や環境の影響を受けていて、グッと来てしまいました。
読んでて「そうだった…こっちのトラブル解決してなかった…」という具合に複数の問題が同時に進み、今作からでも楽しめるのですが、過去の話を読んでると終盤で起こる新たなトラブルについて色々と考えてしまいます。(これは、何か荒れた展開になりそう…)
次回作が気になる終わり方!
楽しみに待ちたいと思います。
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ここまで来ると、ある程度シリーズを読んでいないと面白さは半減だろう。
今回はオールキャストで”事件”に巻き込まれていくのだが、話のスケールが大きいというか、ノンフィクション要素が強すぎるというか。
もちろん、ボックス作品だけに派手なガンアクションやカーアクションはないのだが、展開はなかなかにハード。特にある登場人物(!)が現れるあたりからテンポが良くなり怒涛のエンディングになる。
よくまとめたなぁ。
ただ、娘のエピソードは強引かな?
あくまでも美しい大自然になじみのある家族、そしてネイトと昔からの定番ドラマも過不足なく描かれているのでじっくり楽しめる。
どうか、シリーズの翻訳を終わらせないでほしい!
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「ジョー・ピケット」シリーズ。ジョーは情報を集めるためにその場所に向かったはずなのに自分から巻き込まれていく。その感じがいつもながら読み応えがある。不正や間違ったことを正そうとすることや、大切なものを守るためになんとかしようとすること。ジョーのその変わらない信念が今作も貫かれている。ネイトとの友人としての感情と疑ってしまう気持ちで揺れたり、家族、娘のことに思い悩むジョー。何でもできるような人間じゃないからこそ伝わってくるものがある。そして次作が気になる終わり方。早く読みたくなる。
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前作『発火点』は、全編に渡るアクション、またアクション。大自然を舞台に、闘いの大盤振る舞いとでも言いたくなるようなページターナーぶりを見せてくれた。
本作は、復活するシリーズ・キャラクターたちというサービスを見せながら(これだけでドキドキの期待度!)、家族物語の側面(娘二人+養女一人の青春ドラマ。そして彼女らに関わるミステリアスなキャラクターの出現などなど)周辺リスクも取り上げつつ、常に何かの、誰かの、ターニング・ポイントを予感させつつ、ジョー・ピケットとその家族を、一筋縄ではゆかない宿命に向かい合わせてゆくのである。
本書は、ワイオミング州内全域で疑われる暗殺組織とその本拠地とされる農場を相手に、ジョーはサドルスプリングスの我が家を離れ、雪深いウィーデル、サンダンスといったワイオミング州の辺境に赴く。その地の猟区管理官や警察署長なども組織に抱き込まれている疑いの濃い灰色の地帯。あるいは、地獄の黙示録?
ジョーを送り込んだのは彼をお気に入りの破天荒な州知事スペンサー・ルーロン。新局長のリーサ・グリーン・デンプシーは組織改革を掲げるが彼女の頭越しにジョーを使おうとする州知事とは馬が合わない。なぜか事件のど真ん中にいるというジョーの特技はそんな板挟みの中でまたも生かされることになる。
さて本シリーズの副主人公である鷹匠のネイト・ロマノウスキーだが、本編では非常にデリケートな立ち位置でジョーを迎えることになる。闇の組織の側で本意ではないまでも、ジョーとの距離感が複雑極まりない。
そしてもう一人、またも復活のあのへこたれない女性キャラが再登場。少しやり過ぎを疑うくらいサービス満点の人物配置と、雪深い敵地でのジョーの活躍を披露しつつ、次作へ持ち越される闘いの予感の中で、本編は一端、巻を閉じる。
ジョーのメインストーリーに、娘たちのサブ・ストーリーが複数に絡んで読者の心を引っ掴む。潜入のスリルと、銃撃アクションと、娘に忍び寄る悪の種と、ジョー一家に影を落とす不可解な影。
一作ずつは確かに独立した物語であれど、シリーズで順番に読んで頂くと楽しみは何倍にもなってゆく。地味ながら直球勝負しかやらない真面目キャラクター・ジョーと、彼を取り巻く悪の深さと複雑な人間関係のギャップが毎作のように楽しめ、なおかつ荒野の大自然ならではの巨大スケールな舞台設定。鉄板の本シリーズである。もっともっと追いかけてゆきます。
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邦訳が出るたびに読んでいるミステリのシリーズももう14作目とか。アメリカのど田舎ワイオミング州で猟区管理官を勤める主人公。本来は密猟を取り締まりにあたっているのだがトラブルに巻き込まれやすいというか自分から首を突っ込んでしまうというか…なので上司と地元警察との仲はすこぶる悪い。しかしながら型破りな知事に気に入られており確か何度目かになると思うのだけど前作で辞めた職にまた復帰している。密猟を取り締まるのが主な仕事のくせに銃の扱いが下手で突出した能力があるわけでもないのだが「田舎を踏み台に都会で出世しようと思っていない」FBIの支局長、やり手の妻とかなり凄腕の戦闘能力を持つ謎の鷹匠、達の力を借りつつ持ち前の正義感と粘り強さでに事件に対処している様が共感を得ているのだと思う。毎回思うのだけど地方を舞台にしたことによって自然破壊や代替エネルギー、カルト集団など都会を舞台にするよりも幅広いテーマを盛り込めており上手いな、と思う。本作では知事の特命を受けて州内でも特に辺境に派遣されることになる。過疎化が止まらない街に都会から移り住んできた富豪がおり街はほぼ彼の王国のようになっている。偵察に赴いた犯罪捜査官が不審な死を遂げたことから主人公にちょっと現地の様子を見てこい、と言われてのことなのだがそこは主人公。おとなしく偽装に留まるわけもなく…ということで今回も強大な敵と相対する主人公、鷹匠だったり過去の因縁の相手も登場し今回も緊迫感溢れる仕上がりとなっている。また本シリーズでは主人公の家庭問題も上手く盛り込まれているのだが里子で問題児の次女がまたもやらかして…というところで次作をお楽しみに!という終わり方になっている。このところこのシリーズは完結しつつも次作への伏線をチラ見せする形で終わっておりまたも作者の術中にはまってしまい次が楽しみでならなくなっている。大変だけどできれば最初から読んでほしいシリーズ、おすすめです。
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猟区管理官の職を辞したジョーは、知事の意向で現場に復帰していた。新たな任務として、大製薬会社の跡取りであるスコギンズ失踪事件の調査を始める。彼は暗殺業を営んでいると思しきテンプルトンの標的にされた可能性があった。さらにスコギンズ失踪当時、ジョーの友人のネイトらしき男が現場近くで目撃されていた。ジョーはFBIと協力し、現地へ赴くが……。
シリーズ第14作。安定のアクション。飽きさせません。
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1日で読んじゃった、、。テンボよく、こなれた翻訳でほんとに読みやすいです。これ、ネイト大丈夫なの?と思わざるを得ません。取引きできるのだろうか。そして、エイプリルの振る舞いが元になる事件が次作なんでしょうかね。ここまで読んできて、ジョーやネイト、メアリーベスは家族のように思えてます。次作も楽しみです。彼女、あの人じゃないかと思ったらやっぱりそうでしたね。彼女になってみたい!と以前の感想で書きましたが、ますますその思いを強くしました。タフすぎです。
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ジョー・ピケット猟区管理官シリーズ第十三弾。
残りの頁数が少なくなっていくのが怖いのは、
話が嫌な終わり方をするのが怖いのか、
終わらないで次作へ続いてしまうのが怖いのか。
ファーカスが登場したが、今回は酷い目に遭っていなかった。
知事に頼まれて、暗殺を行っている疑いのある牧場へ「調査」へ向かうジョー。
現地の猟区管理官に協力するという名目だったが、
あっという間に台風の目になってしまう。
ネイトが暗殺に手を貸していたのも嬉しくなかったが、
ジョーにいたっては不法侵入しただけで嬉しくなかった。
どれだけ、この二人に肩入れしているんだろう。
シェリダンの大学のでの事件は、
あまりにあっさり終わってしまって、
肩透かしをくらったよう。
野生動物の解体工場で死体を処理していたのと合わせて、
それ必要?
大金持ちの心をとらえて離さない謎の女は、
義母ミッシーだとすぐわかった読者は、
私だけではないはず。
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そこそこたくさん海外ミステリには手を付けてきたつもりだったけれど、これほどまで長くシリーズ化されたもので、読んでいないだけならまだしも、知らないものがあったなんて。やはり本の世界は奥深い。
なんとシリーズ21作品中、14作品目とのこと。
現役ばりばりのシリーズものでいうと、リンカーン・ライム、ハリー・ボッシュシリーズに肩を並べる古参ではないですか。
舞台はアメリカ中西部の大自然に恵まれたワイオミング州。
猟が生活に根差した土地ならではの、猟区管理官という法的機関に属するジョー・ピケット。
様々な事情(前作までのいきさつもあるが、あまり詳しくは触れられていない)から、州知事の子飼いの隠密捜査員的な立場を取らされ、あくまでも非公式な情報収集として、州北部で蠢く元やり手のウォールストリートマン、ウルフガング・テンプルトンを中心とする組織犯罪の匂う怪しげな動きを調査することに。
が、”ものごとのど真ん中に踏み込んでいかないわけにはいかない”才能を持つと評されるジョー、のっけから該当地域へ踏み込む口実として接触した同僚の猟区管理官と密猟者に対する態度の取り方でもめ、否が応でも目立ってしまう。
同じく大自然を背景にしたハードボイルド事件捜査物、クルーガーのコーク・オコナーシリーズにかなり似たところがあるが、こちらのジョーの方が、悪いものを毅然とした態度で見逃さない頑なさが強く、自分好み。
ただ単品として読むよりも、シリーズ性を重視しているのか、あまりにも確率を超越した重要関係者の偶然の再会があり、それはさすがにやりすぎな流れではと感じるところも。
とはいえ、どういういきさつ、過去の遺恨があったのかなぁと興味はそそられた。
たぶん、シリーズ作品遡り読みしますね、これは。
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このシリーズも何作目だろう。
相変わらずのジョー・ピケットは相変わらず人の忠告は聞かずにドツボにハマる。
まあだから物語になるんだけど。娘三人もすっかり成長して、それはそれで心配な面も出てくる。今回も終わりはスッキリせず、というか一段とモヤモヤが残ってしまう。
義母のミッシィーのモンスター化とかエイプリルの変身とヤな感じのボーイフレンドとのその後とか、まだまだシリーズは続いていくようだ。
図書館で借りて読んでいる自分が言う筋合いではないが、もっと翻訳出版のペースを上げて貰いたい。
今回も良い読書体験だった。
作品紹介・あらすじ
猟区管理官の職を辞したジョーは、知事の意向で現場に復帰していた。新たな任務として、大製薬会社の跡取りであるスコギンズ失踪事件の調査を始める。彼は暗殺業を営んでいると思しきテンプルトンの標的にされた可能性があった。さらにスコギンズ失踪当時、ジョーの友人のネイトらしき男が現場近くで目撃されていた。ジョーはFBIと協力し、現地へ赴くが……。盟友ネイトと敵対!? 大人気冒険サスペンス、猟区管理官ジョー・ピケット・シリーズ最新作!
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ボッシュシリーズに匹敵するまではいかないものの、いつもどおりに安心して読めるピケットシリーズ。前作の山火事の物語とか熱量がすごい名作だったな。
今回は、それと比較するとストーリーが偶然に頼ってたり、敵役が力不足だったり、少し不満が残ったな。3.6
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最早読み逃すことはできない、ジョーピケットシリーズ。本作ではネイトとジョーが久々に邂逅する。やっぱり二人は紺で活躍しないと物足りない!
ここまで続くシリーズなので、マンネリっちゃマンネリやけど、こういうピケットサーガを読みたいからこのシリーズを読んでいるので、こうでなくっちゃなぁ、な気分の方が大きくて満足。
作者もだんだんインフレを楽しんでいる雰囲気になってきてるのか、ジョーはやるなよ、するなよな事を絶対やってしまう、上島竜兵状態やし、ルーシーは「たよーせい♪」の歌を歌うし、ミッシーはあれだし、エイプリルに至ってはMCUエンドロール的な見せ場作るし…。
まだまだ飽きさせない、ピケット一家の大冒険(?)である。続編早いこと読まないと
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やはり面白いなあ、ジョー・ピケットシリーズ。今回は活劇少なめだが、物語としてはいろんな展開があり読み応えがありました。シェリダンのパートは必要だったのかしら、と思ったが、比較的地味な話なのでちょいと入れました、と言うところか。それとも今後の伏線か? そして・・・。やはりやはりやはり! あいつが帰ってきた! 『冷酷な丘』で退場したあいつが! こちらも今後に期待!