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優しいけど、優しくない、あかつきマーケット付近で起こる、そんな短編の数々。読み終わってタイトルを再び見ると、よいタイトルだな~と思います。
表紙のあかつきんちゃんがかわいい。
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寺地さんの本は2冊目。
最初に読んだ『大人は泣かないと思っていた』同様タイトルに惹かれた作品です。
まだ著者の方のことよく知らないのですが、今のところ読んだ2冊とも、章ごとに語る視点の主が変わっていくスタイル。それが好きなので読みやすく引き込まれましたが、今作の方は、視点が変わる&一本一本のボリュームが薄く、この人誰だっけ?となることが多かったです。
でもその薄さでも良いのかな、と感じることも。
というのも、この本の中でその後が書かれない人たちもいて、でもそれはそれで良いと思えるのが、時に人って全然関係ない人だからこそ普段人に話せなかったことがスラスラ話せることがある。
それは、その関係に責任も未来もないというか、その場限りだからこそ救われる時も欲しかった言葉がもらえる時もある。だからそういう瞬間を意識して、その後を知れない(描かれない)登場人物もいるのかなと思った。
伝わるかな、この感想。
登場人物たちが、気になったり、悩んだり、考えたりする内容がアップデートされている。今の時代感にあっている、と思います。
何気なく触れるフィクションの世界も、こんな風にアップデートされていてそれに触れられるのは幸せなことだと感じました。
何気なく優しいものが近くにあり、それに触れて、染み込んでいく。
トキワサイクルのおじいちゃん、好きです。
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誰かと誰かがつながっている。
そんな‘一人じゃない’ぬくもりが
とても素敵な連作短編集。
心にも 朝と夜があるのかもしれない。
ふとそんなことを思った。
夜と朝のあいだに にじむ光が、
明けていくのか、暮れていくのか、
わからなくなって、ふいに不安になる。
でも大丈夫。
掛けてくれた言葉、差しのべてくれた手、
そんな人と人とのあたたかなつながりが、
太陽や月のように心に明かりをともすから。
毎日、明日を迎えるために、朝も夜も越えてゆく。
そんな やわらかな光に包まれた、あたたかな物語。
ほんとうに大好きな本です♡
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タイトルを見て「月夜の晩ばかりじゃねぇぞ!」というやくざの脅し文句が思い起こされた。
当然だけど、そういう話では全然ないです。
13の短編が連なる連作短編集。
しかし、ひとつの物語として読めてしまう。
個々の人生が繋がりを持って世の中が形成される。そんな当たり前のことを気付かされる。
大きな愛に包まれた作品。
寺内はるなさんの小説。僕は大好きだ。
ところで、ゆるキャラの「あかつきん」。単行本と文庫本の表紙で、異なるキャラに描かれている。
みなさんはどちらが好きですか?
僕は文庫本の方がかわいくて好き
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相関図をつくりながら読んだ。淡々とした日常。きっとこんな人って、思い込んでいるだけで、想像しきれていない一面を誰もが持っている。
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閉店が決まったあかつきマーケットを取り巻く町の人々の様子を書いた連作短編集。
人の心の機微に触れるような13の短い物語。
憤りを感じたり胸が締め付けられるけど、そっと寄り添ってくれる作品でもある。
わだかまりを捨て去った瞬間の清々しさもあるので読後はとても良い。
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大阪にある暁町。そこにある「あかつきマーケット」が閉店することになった。そのマスコット「あかつさん」が、なぜか失踪したものの、あらゆるところに出没しているという。
地元のマスコットを中心に様々な登場人物がリレー方式で繋がれていて、連作短編集でしたが、丁寧に作り込まれているなと思いました。
ただ、登場人物が多く、時間を空けてから読むと、この人誰だっけ?と思って、前に戻ったりすることもあったので、ちょっと大変でした。また、それぞれの登場人物のエピソードも多く、短い話ばかりだったので、結果として一つ一つあまり印象に残りづらかったなぁとも思ってしまいました。
それでも、日常の中でそれぞれが抱える苦悩。色んな感情が入り混じっていましたが、優しく包むかのように描いていて、気持ちまで優しくなりました。
登場人物の印象も、視点によって、その人の印象が違っていくので、こんなこと考えていたんだといった楽しみ方を味わえました。
読み終わった後、印象的な題名の意味にもグッときました。心に段々と染み渡っていくようで、良い余韻を味わえました。
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短編としても、一冊の物語としても読める。でも、一冊の物語として読むには登場人物が多すぎて、何度も「あれ?これ誰だっけ?」となった。登場人物が多いの、本当に苦手で…
寺地はるなさんの本は2作目ですが、先が気になってペラペラめくるようなお話ではないんですよね。
でも、登場人物が成長して、ハッとさせられる瞬間があって、それに全部持っていかれる。読後感の良いお話。
本作はバビルサの船出が好き。じいちゃんが素敵すぎて。ああいうことを言える人生を送りたい。
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表紙の絵が何かけったいだなぁと思っていたが、これが"あかつきん"なんだな。
20頁前後の短い物語が15話収められた短編集で、大阪市近郊にある暁町に住む人たちのゆるいつながりで連なるお話。
色々な環境にある男女(大人も子どもも)を主人公に、その心の内側にある葛藤や鬱屈が描き出される。
私の場合、ここに描かれたように、妻に疎まれることも、子どもがちゃんとしてないと思うようなことも、義母にお節介されることも、実父に虐げられることもなかった平穏平凡な人生だったが、それでもその中には多くの喜びや安らぎ、悔恨や屈託があったことが、それぞれの話を読みながら思い出された。
そうしたそこはかとなく佳い話が続くが、こういう話ばかり続くのはちょっとしんどいと感じ始めたところに、後半はそれを上回る話が続く。
「グラニュー糖はきらきらひかる」 の子を孫を思う嫁姑の涙がきれいだし、「バビルサの船出」で明らかになるそれまでも何度も登場していたトキワサイクルのじいちゃんの生き方が潔くて粋。辛い時は誰かを頼っても良いとか、人は誰かの人生の一部になることで他の人を救うことがある、というこの本の底を流れるものが強く表されているように思える。
「生きる私たちのためのスープ」の『「誰も見ない」なんてことはなかったよ』という結末には心底じんと来た。人生、誰も見ていないと思っていても、必ずどこかで見ていてくれている人がいるのだよ、本当に。
最終話の表題作では、母に感謝のアレンジメントを渡す柊くんの心根に泣けたのでした。
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12話からなる連作短編集。
『大人は泣かないと思っていた』が良かったので購入。
寺地はるなさんは連作短編がうまい!一話一話はそれほど破壊力がないけれど、ボディーブローのようにじわじわと効いてくるというか、読み終わるころには一冊の長編小説を読んだような気分になる。物語の構想力が非常に高いのだとおもう。
もちろん筆力も高い。特に書き出しはすごく上手。
"偶然ですねと言った女の声色で、待ち伏せされているのだとわかった"
※『蝶を放つ』より引用
例えば上の文章なら「待ち伏せ」という単語が読み手の興味をそそる。これはいったいどんな話なんだろうと、先を読みたくなってしまう。
ただ、約300ページで短編12話はちょっと細かく分けすぎかな、というのが個人的に惜しいところ。全体的に味が薄まってしまったというか、もっと一人一人の登場人物の濃厚な物語が読みたかった。
というわけで☆3つ。
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大阪市近郊にある暁町で、閉店が決まった「あかつきマーケット」のマスコット・あかつきんが突然失踪した。
あかつきんは町のあちこちで目撃され、人助けをしているらしい。
リレー形式の連作短編で、とにかくたくさんの人たちが出てくる。
わりとしんみりする話が、少しずつ続いていくのだけれど、さりげなく交わされる大阪弁が心地よく、優しい気持ちになれる。
フラワーショップで働く芦田さん、駅中のジューススタンドで働く清水さん、トキワサイクルのおじいさん…この町に住む老若男女すべてのひとたちが、葛藤を抱えながらも頑張っていて、みんなきらきらしているように思える。
目から鱗、のような寺地さんらしい言葉をあちらこちらに発見して、救われた気持ちになれる。
多くの人が、見えない着ぐるみを着て生きているのかもしれない。
明るいことに良い意味も、暗いことに悪い意味も含まれていない。
「夜が暗いとはかぎらない」
このタイトルには、ほんとうに勇気づけられる。
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淡々と進む割に、ちょっとファンタジーな不思議な雰囲気の話でした。ちょっと人が多くてわからなくなるけれど、たぶんそれは大した問題ではない。
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寺地はるなさんらしい心に響く連作短編集です。
1 / 朝が明るいとはかぎらない
2 / 昼の月
3 / 夜が暗いとはかぎらない
の三部からなる。
さびれたあかつきマーケットに何らかの関わりのある人々の"人生のひとコマ"が、ショートストーリーとして描かれている。
そのエピソードはちょっと苦い味がする。
わたしにとって、
『1 』の最後のエピソード『はこぶね』で苦い味がピークに達した。
『2 』で少しずつ甘い味に変わり(緩やかな"再生")、
題名である『3 』で描かれた登場人物たちのその後は、優しく温かい。
「一色で塗りつぶせるような単純な人間なんかいない。澄んだ色、濁った色、やさしい色、きっぱりとした色。あらゆる色が、ひとりの人間のなかに存在しているのだ。」
「誰かを好きになる時に、他人を納得されるための理由が必要なん?」
「あなたが輝いていても、いなくても、私はあなたのそばにいる。」
「もしかしたら俺だけじゃなく、多くの人が見えない着ぐるみを着て生きているのかもしれない。弱さやあさましい気持ちや泣きごとや嫉妬を内側に隠して、他人には笑顔を見せている。」
人生の苦さを味わって、幾つもの暗い夜と朝を過ごした人々は、その繰り返しの中で成長し、やがて明るい朝を迎える。人生とはそうであって欲しいと想わせてくれる素敵な物語でした。
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1つの町で起こるそれぞれの人物の短編集。
話一つ一つは当人にとっては大事件だけど、
他人からしたら、多分どうでもいいこと。
だからこそ、読む人もすごく共感できる話と
そうでない話が分かれて、
自分が今何に悩んでるのか、何が苦しいのか気付く。
全て読み終わる時には、問題が解決しなくても
「そっか」となんとなく納得できる。そんな作品でした。
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あかつきん、あかつきマーケットを取り巻く住民たちの物語。
一人一人の物語は違うけれど、あかつきんを通じて人と人の繋がりを感じられる。
温かい物語でした。
何度も読み返したくなる作品。