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この間読んだ本「萌」では、江戸時代に女性医師は、数少なく、医師として認められていないような状況が、描かれていた。
この本を読んでいて、番所医で、女性医師 八田錦が、主人公であり、何事にも動じず、美人でありながらも、サバサバとして、している所が、読者には、快い。
遠山の奉行でさえ、頬を手形が付く位に叩けるのも…
4話からなるが、最初は、今のコロナ同然、疫病について描かれている。
つい、今の時代との差を考えてしまった。
第三話の「母恋い草」の菊馬には、性根を疑ってしまう。
母親の目の患いを治したかったのだろうけど。
本当の親孝行では無い行動であった。
母の佐枝も、名医に診察を辞退する。
目が少しでも見えるようになっても、この菊馬は、殺人を犯しているのだから、罪は深く、それを見てられないだろう。
最後の第四話「罪の影」
鍵役人 久門幸之進の罪を犯した極悪人の成敗について、考えさせられる。
幼き頃の権力者の息子から、自分だけでなく、他の多くの者が、犠牲になっても裁けない不合理な世の中を、許せなかった事が、成人しても、尾を引いている。
当時は、冤罪でさえ、意見も出せなかった者もいるのを悪人同様に一緒の事柄に纏めてしまうのも怖いが、世の中の悪を裁くのは難しい。
火付けをした者にも、手厚い介護をする錦。
京都で起こったアニメ会社のガソリンを撒いて放火の犯人の事を思い出した。
何も知らずに、アニメが好きで、未来のあった者が、亡くなり、犯人は大やけどしても命が助かり、手厚い治療を受けているのを思い出した。
このはちきん先生の活躍シリーズを又読みたいと思う。