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紙の本
詩人の厚着を脱がすのは
2021/07/09 07:22
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投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
2016年9月朝日新聞夕刊に毎月1回連載されている詩52篇を集めた詩集。
新聞の連載ということもあって、詩の長さは詩集でいえば全編見開き2ページに収まっている。
谷川さんの詩業というのは、1952年に第一詩集『二十億光年の孤独』から始まっているから、ゆうに70年近い時間を重ねてきたことになる。
その詩の形はさまざまで、特にひらがな書きの詩など有名だ。
それはこの詩集でもそうで、谷川さんの表現形式の多様さが楽しめる。
そして、今年90歳になる谷川さん(谷川さんは1931年生まれだ)らしい命をみつめた詩も、現役の詩人ならではの作品といえる。
巻末の「元はと言えば」という詩の冒頭。
「実物の私はただの老人/だが詩人という肩書が付くと/普通と違う老人に見えるらしい/ちょっと嬉しいが大いに迷惑」
そんな詩人はコトバで着膨れてきたという。
「歳をとると厚着が重い/コトバを脱いで裸になって/宇宙の風に吹かれたい」らしい。
しかし、谷川さんがコトバを脱ぐことはないのではないか。
みんなで寄ってたかって、まだまだ厚着をせまる。
「北風と太陽」という寓話で男の外套を脱がしたのは太陽だったが、谷川さんの厚着は誰が脱がすのだろう。
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