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皆大なり小なり何かしら抱えてることあると思う。生い立ちや体のコンプレックスをさらけ出し、これが私ですが何か?と堂々と生きていけたら一番いいけど。人にも自分にも優しくありたいね。
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『荒地の家族』で興味をもってこちらも。
アトピー性皮膚炎に苦しみ続ける女性。
書店員というモチーフはやはりこの著者ならでは。
持病に苦しみながらも、数々のトラウマを抱えながらも健気に生きる主人公と、それに対しあくまで無理解、抑圧的に接し続ける家族の姿に最後までつらさがあった。
なぜああまで冷酷なのか。
小説に「答え合わせ」は必ずしも必要ではないと思うけど、これは腑に落ちなさ過ぎた。
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意図とせず一気読みしてしまった。タイトルから想像がつくようにアトピー持ちの主人公のお話だった。
私も昔から肌トラブルが多かったけど酷いアトピーは体験したことがなかったため痒くて眠れない話しやクラスメイトからの心無い言葉やモラハラ教師の話は読んでいて辛かった。
難病にかかりその治療の過程で肌が荒れて痒くて掻きむしって赤くなり黄色いネバネバした分泌液が出るくらい酷かった時期を思い出した。
痒さは我慢ができないし掻けば掻くほど悪化する。
分かる部分と想像を絶する部分が入り混じった。
主人公の身の回りがひどい人間ばかりなのが余計に辛い。肌のことだけでなく書店での犯罪者の対応も私までストレスを感じたし震災の描写もあって薄い本なのに濃い内容で盛りだくさんだった。
東日本大震災はある程度ドキュメンタリーやネットなど見てきたけど書店での状況は想像してなかったので確かにこの描写の通りだったのだろう…
若い女性にレジを指名するだの卑猥な本のタイトルを読ませるだの実際いるであろう生々しい人間が気持ち悪くて仕方ない。
辛い境遇でも推しがいる主人公の熱い思い(グッズの争奪戦に果敢に挑む)は救われるものがあったし最後の締め方もほんの少しの救いがあって良かった。
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人間が嫌いになる。
酷い親と先生に怒りが沸く。
お客さまに、人間の怖さをみる。
それなのに誰か凛を助けてほしいと願いながら読んでしまう。
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アトピーの痒みに支配された女性書店員、五十嵐凛の生きづらい日常である。
本人にしかわからない痒みと日々たたかっているのがとてもわかる。
物心つく頃だろうか、兄も弟も丈夫で綺麗な皮膚なのに自分だけが…という思い。
小学校で「あいつはカビ」だと言われて級友や教員を避けて、教室の隅でじっとしていた我慢の6年。
中学で新たな級友の視線を感じ、「首黒いね」からカビという呼び名から象女になる。
家族でも兄からは露骨に汚いと言われる。
父は「おまえは気合いが足りない」と言う。
ひとり暮らしするようになり、たまに実家に帰れば母から「あんたに愚痴を言う資格はない」と…。
非正規で未婚だからか。
職場でもアトピーを長袖で隠し、男性スタッフが少ないなか、万引き犯や転売屋やハードクレーマーとの闘いの毎日である。
そして、災害があり…
何があろうと皮膚は痒い。
痒みがなくなることはない。
なんとかしたいが、どうにもならないのが皮膚なのか…。
皮膚が自分自身だった。は辛すぎるだろう…
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読んでいて楽しい気分には決してならないが、主人公の抱える問題が「皮膚」感覚で伝わってくる表現は読み応えがある。
なかなか救いのない彼女の下降線が、最後のところでクッと上に向き、微かな光明を見せる。
職場の人間模様や、人物造形がリアルだ。
いるいる、こんなひとたち…。
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アトピー故に幼少期からその見た目を非難され続けてきた凜さん。
両親ですらアトピーのことを気合が足りないせいと理解してもらえず、兄弟からもからかわれ育ち、現在凜さんは非正規雇用の書店員として働く日々。
癖の強すぎる書店の社員とパートたち。
入り組む男女関係にちょっとだけ巻き込まれたこと。
震災が起きて、書店の復旧まで、大変だったイベント。
全て肯定してくれるバーチャル彼氏。
凜さん、現実を一生懸命生きてる。
アトピーといえば、昔ディズニーランドでイッツアスモールワールドに並んでいるときだったか、
並びながら一緒に来ている友達としゃべっている男の人が、首筋をずっと掻いていて、赤くかさついた皮膚とか、印象的。アトピーって大変だな。
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図書館で借りた本
本当は「荒地の家族」が読みたかったけど、お取り寄せになってしまい借りれなかった。
アトピー性皮膚炎で長年苦しんでる女性の話。製薬メーカーに勤めてる自分からすると、今は重症なアトピーも根治できる薬が出てるから、使って欲しいと切に思ってしまった…そこが論点じゃない話だけども。
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物語な感じではなくて、本屋で働く主人公(凛)の昔と現在の生活がつらつらと書かれている感じ。
凛の家族、教師が酷すぎる。凛のコンプレックスを家族が受け入れてあげれば、凛はこんなに卑屈な性格にはならなかっただろうなと
家族と同じくらい最悪だったのが書店にくる客。作者の佐藤さんが書店で働いてるのもあって、客の描写がリアル。もしかして本物のモデル客がいるのか?それであれば怖すぎる…震災前、後でもお構い無しに書店に来る客が自己中すぎて、自分の事しか考えられない人達が本当に哀れ。被害者になれば被害者の気持ちが分かる、はずなのに平気で加害者にもなる。結局人は自分が1番可愛いのかも。同時に自分もそっち側の人間になってはいけないと考えるきっかけになった。