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絵はうまくて、雰囲気は出ているのだけど、アイデアストーリーとしてみると肩透かしを食らわされる。
女子高生が一定期間だけあまり意味のない超能力「無用力」を持つという設定の衿沢世衣子「うちのクラスの女子がヤバい」を思い出させる設定だけど、全く質が違う。
本作では「しょうもない能力」がガンガン出てくるのだけど、どれもこれもちょっとした話題づくりで終わってしまってコントにもならず不発している。
思うに、超能力ものを出すときには、「制限」をきちんとかけなければリアリティも出ないし、物語も進んでゆかない。「ジョジョの奇妙な冒険」などにもごまんとスタンド能力が出てくるのだが、それぞれきちんとルールがあってドラマの一部になっている。
ふつう「しょうもないのうりょく」というタイトルがあれば、しょうもないように見えて、実際にはそうではない、というドラマが期待されるのだけど、この話はほんとに「しょうもない」ままで終わってしまう。
絵はきれいなので、ちょっとした暇つぶしに読むような作品として作られたのだと思う。そういう意味では成功している。大きな葛藤やドラマのない作品なので、ふわっとした雰囲気が受け入れられれば、冒険することないコンテンツとしてドラマ化もしやすいし、狙えるような企画なのだろう。