投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
読み終わった瞬間産声が聴こえた気がした。凄まじい小説。改めて私は金原ひとみが大好きだと思った。弥生が死んだシーンは頭を殴られたようなショックを受け、自分から湧き出てきたわが子を失った気持ちに圧倒された。終盤に連れてユカや涼子、五月がそれぞれに、妻や母親として安定した状態に為っていくことに心から安堵した。
女であるということは、大体の場合妻として、母親として誰かを愛し、産み育てるということであり、自分の躰に他者を取り入れ、吐きだし、いずれは一部でなくなってゆくことを、哀しみ、苦しむことも含まれている。濃厚な愛が子供を失わせ、生存を危うくさせ、狂わせてゆくことがあり、それは決して稀なことではないのだと思う。女という性がまとう生々しく詩的な、切実で破裂しそうな危うさが、理屈ではなく私自身の胎内へと肉薄し、自分が女であることを、改めてどんなことなのか、その一端を見ることができた。読んで良かった。女が母に為ることは、ひどく業が深く、それ故に物語的で、文学的で、畏ろしいことなのだと感じたし、そんなことを思わせてくれた金原ひとみに感謝したい。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
蛇にピアス以来。
初めの2ページで、蛇にピアスの閉塞感を思い出して読み進められなくなった。
10何年も前なのに。
好きではないけど、凄い作家さんなんだろうな。
いつか読めるかな。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
沢山の不幸が詰まった一冊。その中のいくつかは、程度の差はあれ、多くの女性が体験し、私も通過してきた。だから分かる、けれど、少し大袈裟すぎて、その世界に酔い過ぎて、なんだか自己満足の塊にも感じる。
わかりやすい不幸を集めたけど、現実の方がもっと地味でその割りには乗り越えられない憂鬱が溢れていて、作者の言葉で言えば、絶望に満ちているよ。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
私の子育ても孤独との戦いだったし、夫婦の関係も色々あった。だからかな、感情移入しながら読み進めた作品。私にとっての金原ひとみデビュー作。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
各登場人物の抱えているそれぞれの問題が重くて、読むのにすごくエネルギーが要った。特に涼子の描写とユカの描写が金原ひとみらしく重厚で疲れた。
それぞれ共感できるところもあるし、自分もそうなったらどうするかなと考えてしまうシーンがたくさんあった。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
もちろんこんなふうなんじゃあないけど、登場する3人の母親全員の気持ちが理解できる。たぶん、完璧に。だからこそ途中で本を閉じたくなった。すごい筆力。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
息子を虐待し、施設に預ける羽目になった母親が、息子に暴言を吐く父親に電車内で会ったシーンになんとも言えない寂しさと切なさを感じた。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
幼い子供を持つ3人の女、皆どこか少し壊れてると感じたけれど、自分自身子育てを経験してきたということもあり3人それぞれの孤独感や寂しさがとても共感できた。作り物の話だけれど、会話や登場人物の思いや考えに気取りがなく、感情が凄くリアルでストレートなところが良かった。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
160408読了。
久々の金原ひとみ。私にとって彼女の小説の登場人物はいつも同じ女の人で、蛇にピアスの“ルイ”に始まり、ハイドラ、オートフィクション、憂鬱たち、ぜんぶその一人の女性の成長過程に見える。
今回のマザーズは全員同じ保育所にこどもを預ける母親で、虐待しそうな専業主婦、不倫相手とこどもを作ってしまうモデル、旦那と別居してドラッグをやめられない小説家というなんともマッドな登場人物たちで構成されている。
育児に疲れ、傷つき、冷めたり鬼のように怒ったりする彼女たちを見て、なぜだか少し安心してしまう。
手のかからないこどもなんていない。完璧な母親なんていない。
なんだかんだ幸福なこの3人を、最後は「この人、幸せになれるかな…」というじんわりとした慰めの目で見てしまうのがなんとも言えない。
けっこう長編で、最初は途方にくれるけど、読んでいるうちにどんどん加速していく。
登場人物といっしょにわーっとなって読み飛ばしてしまったところも、最後に戻ってこられた。
一読の価値あり。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
初、金原ひとみ!芥川賞受賞の蛇にピアス、をすっとばして本作。色々衝撃的なストーリーと、どこか別世界感がある東京の高層マンション暮らし…。また書き足しながら少しずつ更新します。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
読んでて辛いのにやめられず、あっという間に読み終わった。というか、読み始めてしまった以上終わるまで読まないわけにはいかないという感じ。
小説家でもモデルでもクスリをやってても浮気をしてても、子供育てる苦労は、ごく普通な主婦の自分と同じなんだなって思いました。
わたしが子育てしてたのは20年以上も前で、携帯もネットもメールもなかったから孤独だったんだろうって思ってた。夜中に子供が泣き止まないときに、つぶやいたりしたら仲間見つかるだろうし、なんでミルク飲まないの?って検索すれば、いろんな答え出てくるだろうし、いいよなあーって思ってた。
だけどそんなことないんだなあーやっぱり孤独なんだなー。どうして夫という生き物は妻をどんどん孤独に追い詰めるんだろうね。
それぞれの心の動きがよくわかりすぎて辛かった。こういうふうに考えるのは自分だけだろうって思ってたこと(そんなに意識せずにだけど)が、理路整然と文章になっていて、びっくりした。そっかわたしが思うことってそれか。って思ったり。
3人とも共感できないけど、ちょっとした気持ちの動きがよくわかるとこいっぱいあった。
でもどっちかといえば、内容全部忘れたい。笑
2016/10/11
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
子どもを持つ母親たちのヒリヒリした気持ちがとてもリアルに正直に描かれている。
そこはすごくよかったのだが、ユカが、他2人に比べて楽に生きすぎていると思った。ドラッグ、不倫、だめでしょ、これは。本人悪気ないし、嫌いだなー、こういう人。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
最後に行くにつれて、悲しくなった。
子育てには明るい印象を持っていて、赤ちゃんはかわいいものと思っていた。
子育ての裏側を詰め合わせたような物語。
結婚もしていなければ妊娠も出産も経験していない自分が受けた衝撃。
ぜひ子どもを持ってから読み直して心境の変化を感じてみたい。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
2012年度、第22回 ドゥマゴ文学賞受賞。著者、金原ひとみは『蛇とピアス』『アッシュベイビー』でアンダーグラウンドなイメージしかなかった。この長編の登場人物、ユカのキャラはちょっとそちら側の雰囲気が漂う、読み進めるごとに、育児ノイローゼの母親たちの、深刻なこころの叫びに共感を覚えた。読み終えて、産み育ててくれた母親の偉大さにただただ感謝するばかりである。世の独身男性におすすめの一冊。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
* 母という、男である自分が分かり得ない物語。不安定な3人の人生を読んでいる間は常にハラハラさせられる。読んでて凄く疲れるんだけど、止められない本だった。
* SNSのフィードに流れてくるキラキラした赤ちゃんの写真の裏側、子育てのダークサイドが詰め込まれた物語。こんなにもヘビーなのか…と、素直に世の母を尊敬した。
* 金原ひとみのどうしようもなくダークな文章は、正直蛇にピアスを読んでも何も思わなかったけど、母親目線の狂気というか、そういうのを得たのかな。きっと自分で出産して、一層自分のダークな部分と向き合ったりしたのかな。
* 弥生が死んじゃったのは本当にショックだった。まだ小さいながらに仲の悪い両親の顔色を伺ういい子。あんなにあっけなく終わっちゃうのは、ちょっと衝撃的すぎた。