紙の本
救われました。
2021/07/18 00:02
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:S.K. - この投稿者のレビュー一覧を見る
「孤独は、我々が直面する最も深刻な健康問題。」
孤独で誰とも接点のない生活は、健康に有害だし、寂しいと声をあげるのは恥ずかしいことではない。そういうことを、この本は教えてくれました。最近では、上司や同僚の誘いや友達との付き合いは時間の無駄、1人時間こそを大事にしようなどという傾向があるが、無駄に見える他愛のないおしゃべりと他者との接点にこそ体とメンタルの健康の秘密が隠されているのかもしれない。
英国だけでなく、オーストラリア、アメリカなどの例を交え、わかりやすく、うーんと唸りながら最後まで一気に読みました。最近読んだ中では、ずば抜けて面白い。オススメの一冊です。
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カリフォルニア大学ロサンゼルス校で孤独による健康被害を研究するスティーブコール博士は、2007年慢性的な孤独を経験した人とそうではない人とのあいだには細胞レベルで大きな違いが見られると発表した。
孤独に苦しむ人の場合炎症に反応する遺伝子がオンの状態になっている。
慢性的に炎症の状態が続くと、アテローム性動脈硬化症、循環器疾患神経変性疾患、転移性がんといった慢性病を誘発する原因となってしまう。
孤独は静かなる疫病でありうつ病などリスクが大きい。
タイム誌はすでに2015年の記事で、アメリカのブリガムヤング大学による調査について取り上げ、孤独が肥満や薬物乱用に匹敵する公衆衛生上の問題になり得ると指摘している。
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道草の文化、王室によるパトロン、マギーズハウス、フリーダムパス……。
イギリスの成功事例集でした。
日本にもたくさん良い事例はあるのでしょうが、基本はインディペンデントかつ属人的な活動のイメージがあって。ダルクとか、児童館、ほっとラインなどもちろんありますが、ここにあるような文化的なところは随分衰退してしまったのかなと思います。
歓談の文化、知らない人と挨拶したりおしゃべりしたりすることは本国では随分難しそうだ。
ここに書かれていない、難しいことはたくさんあるでしょうが、まずは試みの数だよね、何事も。
よかったです!
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イギリスが大臣までおいて取り組もうとした孤独の問題に対する政策的なことを詳しく知れることを期待して購入。
政策があまり進んでいないこともあり、政策的なことの記述はほとんどない。ただ市民レベルでの様々な活動事例とそれを支える王室の役割や裕福な人達のノブレスオブリージュの考えが多く記載されていたことは参考になった。
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様々なチャリティー団体が行なっている孤独対策が紹介されていました。
全体を通して心温まるエピソードの紹介が多く、イギリスは社会全体として高齢者や障がい者などの社会的弱者と言われる方にも優しい国なのかなという印象を持ちました。
また、イギリス王室の方々のエピソードや、それぞれが力を入れているチャリティー活動等も一つの章を使って書かれていたので、イギリス王室に関心を持つきっかけにもなりました。
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イギリスはチャリティの精神があるなぁと感じた。公園のベンチに寄付者の名前があったりするらしい。イギリスの生活と福祉をよく取材しているのだが、情報量が多く事例集として参考になる感じがした。
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面白かったー!
イギリスの孤独対策の取り組みだけでなく、イギリス王室の慈善事業や慈善団体の支援、イギリスや欧米の道徳観について学べました。
メモ
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非常に興味深く読んだ。孤独への対策に限らず、社会貢献への姿勢など…。オックスフォード大の学生に、何のために勉強するのか、と著者が聞いたときの学生の答には衝撃を受けた。自分自身にもそういう発想は全くなかったことを恥じた…。
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孤独、チャリティー、障がい者やLGBTなど社会的弱者にスポットを当てた内容。何をするにも全て「金」がつきまとうので、寄付社会、ノブレスオブリージュが元になることで弱者を救える資金(パトロン)を得られるんだなーと合点。日本では孤独や助け合いは個人もしくは家族間でどうにかするものという意識がまだまだ強い。だから「日本は劣っている」とは思わないが、もうそろそろ「他人様に迷惑をかけてはいけない」って感覚を捨ててもいい気がする。苦しむのは自分たちだよって。
引用以外も所々、文が翻訳調だったのは読みづらかった。
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https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334045524
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良い。
UKを知るのに適している。
やはり、日本より進んでいる国だと思わされる。見習いたい。でも日本の良さもあると思う。
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本書を開く前は、「孤独対策」は、政府や会社が主体となり、実施するものだと考えていた部分がある。
第一章で述べられているように、イギリスの孤独対策は、人々のアイディアですでに生まれている。政府による孤独対策に目立った業績はなかったものの、孤独対策の基盤が、社会に根付いている。
イギリス在住のジャーナリストが、体験談を交えながら、実例を紹介することで、イギリスの実例を通して、日本の相対化できる。
本書を通して、日本では、人々が集うコミュニティ、すなわち、場が不足していると感じる。場の不足により、他者=異物との出会いが減少しているのではないか。