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Bar追分シリーズ第三弾。
色んな人達の人生の分岐点。
美味しそうな食べ物の数々。ちょっと何も食べたくない気分だったのに食べたくなってくる。
宇藤さんには追分で書き続けてもらいたい。
続きはもうないのでしょうか…。
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これにておしまい。
だけれどもこのぐらいがちょうどいい塩梅なのでは?
と私は感じてしまいましたね。
ついに宇藤君にもチャンスは巡ってきます。
だけれども彼は確かにすごいけれども
その脅威の存在にどことなく違和感を
感じていて…
今回もおいしメニューがめじろ押しです。
ちっちゃなお友達の感動のお話は
必読だと思いますよ。
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BAR追分第三弾 ますます面白くなっていて登場人物の心の機微がじんわり感じられる。出てくる料理が本当に美味しそうでお腹がすきます。年末のあわただしさが感じられる季節中心の物語で、心があたたかくなる気がする。タイミング良かったかも。
宇藤さんの先に進めずこじらせっぷりに純さんとの絡みがまた訳ありで、桃子さんの手料理にまた救われる。
粉もん連合、全国各地の小麦粉料理を食べ歩きたくなる『お好み焼き作戦』
紅葉見ながらの露天風呂、兄弟のお酒を交えての『夜の親子丼』
柊くんとパン巡りしたい、キンダープンシュ飲みたい『蜜柑の子』
すず籠という最中、福岡老舗の鈴懸ですね!桜井さんの小風呂敷から黒い竹籠を取り出す様子が粋。 年末クリスマスイルミネーションが眩しい、疲れに柚子茶が効きそう『情熱のナポリタン』
桃子さんのことは結局深くおらず、第四弾があるのかなと期待させるエンドロールでした。
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様々な人々の人生の追分を描いた、シリーズ第3巻。出てくるメニューはどれも定番なのに何故だか無性に続きが気になって、書店で即購入してきました❗グルメ小説は、お腹だけではなく心も満たしてくれるので、ほっこりしたい時にはマストのジャンルです♫
好きな話しは、『秋の親子丼』と『蜜柑の子』の二編です❗久し振りに、名古屋の喫茶店のナポリタンが無性に食べたくなりました♫
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これでシリーズ完結なのかな。
宇藤くんの脚本家へ進むべき、選択を迫られる。
宇藤くんの決断はいつも清々しさを感じる。
脚本家を目指すために、本当の一歩を踏み出していく。
宇藤くん、ももちゃん、純くん。
ひとすじの光が見えてきた気がした。
何をやり遂げるか、何に重きを置くかは人それぞれであり、情熱がなければ続けていくことはできない。そして、自分の都合だけでやり続けていくことは難しい。そんなことを思わされる巻でした。
やっぱり出てくるごはんや飲み物はすべて美味しそう。
表紙カバーのイラストが変わってしまったのは残念。
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シリーズ3作目。
どこか冷めた感じがあって自信なさげで、頼りなさそうな宇藤くんが、最後情熱に突き動かされて走り出す感じがよかった!
がんばれ!
君の書いた脚本のドラマ観たいぞ!
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あー、ほっこり。やさしくて、美味しそうで、なんだかがんばろう、ってなる。
ちょっとイケメンぽいのが多すぎて胸やけぎみではあるけれど。
続きはいつかな?
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宇土藤くんの今後が気になる…!!!
いつも美味しそうなご飯と、登場人物達のストーリーが短編になってるので読みやすいし、面白い
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あなたは、『ホットケーキとパンケーキって、どう違う』か知っているでしょうか?
(*˙ᵕ˙*)え?
チャーハンとピラフ、バターとマーガリン、そして、おしることぜんざいなどなど、この世にはどことなく似たような食べ物があると思います。さらには、桜餅と道明寺のように関東と関西での呼び名という話に展開するものもあり、一口に食べ物と言ってもなかなかに奥深い世界がありそうです。
そんな中で今日のお題の『ホットケーキとパンケーキ』、これって何が違うでしょうか?『熱いパンケーキに、冷たいアイスをのっけたのが大好き』と美味しそうな『パンケーキ』。一方で、『外がカリッ、なかがフワッの極小サイズのホットケーキに「極上のバタ」&黒蜜がけ』と言われるとこちらもたまらなく美味しそうです。でもそんな『ホットケーキとパンケーキ』って何が違うのでしょうか?
さてここに、『昼はバールで、夜はバー』という二つの顔を併せ持つ、新宿は『ねこみち横丁』にあるお店が舞台となる作品があります。美味しそうな”食”の登場に、思わずそれください!と言いたくなるこの作品。そんな”食”の周りにさまざまな人間模様を見るこの作品。そしてそれは、『追分』という言葉が示す人生の岐路に立つ主人公の悩める姿を見る物語です。
『折り入ってのお願いがありまして』と『「新宿・花日和」編集部』の編集長である岸田怜の元を訪れたのは同誌でエッセイも担当している主人公の宇藤輝良(うどう てるよし)。『あの、私事で恐縮ですが…シナリオが一本書き上がりました』、『これから推敲するんですけど。僕は…うまく言えないんですが、女心ってのが、よくわからなくて』と話す宇藤に、『別にわからなくてもいいでしょう』と返す怜。『それでは困るんです。だって主人公は女性だから』、『男にしたら?』、『もう書いてしまって。そして決して悪くない出来、というより今回は自信作です…』、『女心と一括りにされても…』とやり取りするする中に『で?お願いというのは?』と怜が切り出します。それに『アドバイスをいただけないでしょうか?…主人公がきちんと描けているのか、原稿を読んでいただけないでしょうか』と言うと『茶封筒から原稿を出し』『テーブルに置く』宇藤。『原稿には何度も手を入れ、人に読んでもらえるだけの水準には達している。ここからさらに推敲を重ねれば、かなりの完成度になるはずだ』と思う宇藤ですが、『シナリオのことはわからないな』、『年齢が近い人に読んでもらったほうがいいんじゃないかな』と言う怜は、『最初の数枚を』読むも『すぐに原稿をテーブルに戻し』てしまいます。
場面は変わり、『岸田怜に見てもらうつもりだった原稿を持ち』、『ねこみち横丁に戻った』宇藤は、『夜は本格的なバー、昼は食事や飲み物を出すバールという、二つの営業をして』いる『BAR追分』の黒板に『ホットケーキ&パンケーキまつり』と記載されているのを見ます。店に入る宇藤に『おかえり、宇藤さん』と声をかけるのは『昼のバールを切り盛りする佐々木桃子。そんな桃子に続いて『カウンターに並んだ客が次々と「おかえり」と声をかけてき』ます。そんな中に『元��?宇藤君、お邪魔してます』と挨拶する『大学時代の同級生、菊池沙里(きくち さり)の姿がありました。『モモちゃんのツイッターで、今日はパンケーキまつりって聞いたから来た』と言う沙里は『熱いパンケーキに、冷たいアイスをのっけたのが大好き』と続けると、『パンケーキを口に運』び、『幸せそうな笑みを浮かべ』ます。『ほかの客たち』も『沙里と同じく、みんなナイフとフォークを動かし、パンケーキのようなものを切っている』という光景に『もしかして、皆さんもパンケーキまつりに参加を?』と訊く宇藤に『あたしはホットケーキだよ』と『甘味屋「ミコ」の店主、美智子が、ホットケーキに蜜をかけ』ながら答えます。『ホットケーキと聞いたら、いてもたってもいられなくってね』と続ける美智子の話を聞いて『どうしよう、やばい。ホットケーキも食べたくなってきた』と呟く沙里。『ミニミニのホットケーキを焼きましょうか? 外がカリッ、なかがフワッの極小サイズのホットケーキに「極上のバタ」&黒蜜がけ』と訊く桃子に『マジですか、そんなお願いできちゃうの?』と喜ぶ沙里。盛り上がりを見せる中、『沙里の隣に座る』宇藤は『僕は判別がつかないんだけど、ホットケーキとパンケーキって、どう違うの?』と質問します。そんな問いに微笑む桃子は、『フライパンを指さ』すと、『フライパンで焼くケーキを全部、パンケーキと呼ぶらしいの…』と説明をはじめました。『昼間はバールで、夜はバー』という『BAR追分』を舞台に身近な”食”が数多登場する美味しい物語が描かれていきます。
“かつて新宿追分と呼ばれた街の、〈ねこみち横丁〉という路地の奥に「BAR追分」はある。〈ねこみち横丁〉振興会の管理人をしながら脚本家を目指す宇藤輝良は、コンクールに応募するためのシナリオを書き上げたものの、悩んでいることがあって…”と内容紹介にうたわれるこの作品。〈BAR追分〉、〈オムライス日和 BAR追分〉に続くシリーズ3作目となる伊吹さんの代表作の一つです。そんなシリーズは二作目に『オムライス』、そしてこの三作目に『ナポリタン』と入っている通り”食”を取り上げた作品になっています。”食”を取り上げた作品は他の作家さんでも人気のコンテンツであり、一大市場を獲得していると思いますが、それは大きく二つに分けられると思います。原田ひ香さん「ランチ酒」シリーズのように主人公がさまざまな店を食べ歩くタイプのもの、一方で近藤史恵さん「ときどき旅に出るカフェ」、井上荒野さん「キャベツ炒めに捧ぐ」のように特定のお店が舞台になるタイプです。どちらもそれぞれに良さがありますが、この伊吹さんの作品は後者を取ります。かつ、舞台となるお店に独特なポジション設定がなされています。まずは、そんなお店『BAR追分』をご紹介しましょう。
● 『BAR追分』について
・新宿にある『ねこみち横丁商店街』は『神社の参道』のように『行き止まりになって』いる
・『通りの最奥、お宮がある位置に建つのが、「BAR追分』』
・『夜は本格的なバー、昼は食事や飲み物を出すバールという、二つの営業をして』いる
・『二階には「ねこみち横丁振興会」事務所と、会の専従職員である宇藤の住まいがある』
・『店のカウンターはアルファベットのLのような形をしており、奥へ進むと直角に折れ、そこに二人分の席がある』
→ 『昼は管理人の宇藤が、夜になると「ヨウカさん」と呼ばれる謎めいた美女と、昼間の店主、佐々木桃子が座る指定席』
一つのお店が二つの顔を持つというのがこの『BAR追分』の最大の特徴であり、同じ店にも関わらず昼と夜で違うストーリーを描いていくことができます。この三作目では主に昼のバールが舞台となって展開していきます。また、前二作ほどはこの設定に深く入り込んでいくことがないのがこの三作目の特徴です。では、お待ちかね、そんなお店で提供される”食”の描写について見てみましょう。この作品では奇抜な”食”が登場するというよりは誰もが知るメジャーどころな”食”を敢えて取り上げているところも特徴です。では、〈第一話〉に展開するこんな場面をご紹介しましょう。お店にやってきた『ごま塩頭の男』と宇藤の会話のやり取りです。
『小麦粉をのばしたもんなら、オイラはお好み焼きがいい。ステンレスのカップにさ、キャベツの千切りとお好み焼きのタネを、カコカコカコって音立ててまぜて、鉄板にじゅわーっと伸ばして』。
『いいですね。目に浮かんできます』。
『…鉄板に伸ばしたタネのふちが固ーく焼けてきたら、脇で焼いた肉とエビなんぞを、ヒョイヒョイっと置いて、ひっくり返して。またじゅわーっ』
誰もが知る『お好み焼き』を調理する場面を『ごま塩頭の男』が絶妙に説明していきます。そこに差し込まれる一言。
『そこをコテで軽くジュッと押して』
『そこは押したらアカン。ひっくり返したところで押したら、お好み焼きのふんわり感が消えますやん』
はい、すぐに否定されました。これは『関西風のイントネーション』の『野球帽』の男です。なんだか『お好み焼き』でどんどん盛り上がっていきます。『大阪に帰りとうなってきた』という言葉も出る場面。そこに、
『関西風のお好み焼き、おいしそうですね』、『でも私はですね、そこに焼きそばを入れたい』
今度は『野球帽のとなりにいる男』が割り込みます。
『広島風ですね』
と『バーテンダーの田辺』が微笑む中に、
『広島ではキャベツとお好み焼きのタネはまぜないで焼くんです』、『クレープみたいに薄手にタネを焼いて、そこにキャベツをこんもりと、「えっ? そんなに載せるの?」ってぐらいに載せてですね、肉を置いて生地を少し振りかける』
と作り方の説明を続ける男、いよいよ完成へと進みます。
『そばの隙間を玉子の白身と黄身が埋めて実にうまそうだ。そこにお好み焼きのソースをたっぷり。茶色のソースの下から焼けた玉子が透けて、ここでグッと腹が鳴ります。青のり、おかかをまぶして、できあがりです』。
嗚呼、これはたまりません。目の前に広島風お好み焼きが供された様子が目に浮かぶあまりにリアルな描写です。物語は、『あれは粉モンと言うより、焼きそばの変形バージョン…』、『何をおっしゃいます。広島風を麺料理と言うなら、関西風は混ぜ焼きですよ…』と”大阪対広島”を皮切りに『粉モン戦争が勃発』していきます。いかがでしょうか?上手く表現できているかわかりませんが伊吹さんの”食”の描写の上手さにすっかり魅せられてしまいます。そして、この場面が面白いのは目の前に実際の『お好み焼き』が供されているわけではないということです。『BAR追分』の客の会話の場面がこれということになります。もちろん、冒頭に記した『パンケーキ』の話題のように実食しながらのものもありますが、この作品では必ずしも供されている目の前の”食”を食リポするというわけでなく、さまざまに飛び火しながら”食”の話題で読者も満たされていくというのが特徴だと思います。いずれにしても読者は美味しそうな”食”を目の前にぶら下げられてただ我慢する他ないことに変わりはありません(笑)。”食”の描写が絶妙なだけに拷問度が高い作品だと思いました。
そんなこの作品は以下の四つの短編が連作短編を構成しています。
〈第一話 お好み焼き大作戦〉
〈第二話 秋の親子丼〉
〈第三話 蜜柑の子〉
〈第四話 情熱のナポリタン〉
四つの短編の舞台として必ず登場するのが『BAR追分』であり、上記した短編タイトルに含まれる”食”の話題が大いに語られていきます。しかし、『BAR追分』はあくまで作品の舞台の一つであってそこまで必然性が問われるものでもないのがこの作品の特徴です。それぞれの短編はその短編にのみ登場する人物の人生背景がドラマを形作ってもいきます。内容紹介にはこんな風に触れられてもいます。
“両親の離婚で離れて暮らす兄弟、一人息子を育てるシングルマザー、劇団仲間に才能の差を感じ始めた男 ー 人生の分岐点に立った人々が集う「BAR追分」”
そのため、短編内で視点は順次切り替わっていきます。とは言え、この第三作目の最大の物語は主人公の宇藤がコンクールに応募するために書き上げたシナリオについて思い悩む姿が描かれていくところです。
『主人公の女の子が全然、書けなくて。構想はあっても、書く自信がない』。
そんな風に吐露する宇藤は、冒頭に記した編集者の怜や『大学時代の同級生』である沙里などにシナリオを読んでもらいます。そんな中に自信を失っていく宇藤。
『さぼっていたつもりはないけれど、これまで何の成果も出せなかった自分には、彼らと肩を並べて話をしたところで周回遅れの身だ』。
『ねこみち横丁振興会』の専属職員としての日々を送る傍らで物書きとしての仕事を細々と続けている宇藤。
『人は人、自分は自分 ー』
そんな風に思うも複雑な思いも抱く宇藤。物語は四つの短編が進んでいく中に、そんな宇藤が、目の前に訪れた分岐点で一つの決断を求められていく様が描かれていきます。そして、結末に宇藤が出すひとつの答え、それは「情熱のナポリタン」という書名に重ね合わせる人の思い、未来へと歩み出す情熱を感じさせる宇藤の姿がそこにありました。
『追分とは道が二つに分かれる場所』。
そんな『追分』という言葉を店名に含む『BAR追分』を舞台に描くこの作品。そこには、四つの短編に描かれていくさまざまな”食”の姿がありました。身近な”食”の”そうなんだ!”的話題に興味が尽きないこの作品。そんな物語の中心に流れる主人公��宇藤の悩みに熱い思いを感じるこの作品。
一つの区切りを見るような結末に、それでも続編が読みたい!そんな思いの残る作品でした。
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フォローしてる方の本棚で驚いた。伊吹有喜さんの追分シリーズを見落としていたなんて。
「お好み焼き」は広島在住の私としたら譲れない題材だが全てが温かくて優しさが溢れている。癒しも反発も美味しい料理から始まる。
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2017年刊。シリーズ第3巻にして最終巻? 未だ続きが読みたいけどなぁ……。シリーズを重ねる毎に重層的に良くなって来ている。熱量も上がって来ている印象。読んでいて妙に不安や不快を感じること無く、かと言ってインパクトが弱い訳では無い。文章のテンポも程よく心地良い。読後感も良い。是非是非、続刊を読みたい!