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先が気になって一気読みした。
冒頭のシーン、裁判員制度、2件の殺人事件。
全てが繋がった瞬間の高揚感は凄まじいのに、ストーリー自体はやるせない。
誰もが自分の居場所を探していて、それは主人公の田丸も同じで。
ホント歯痒くて、お願いだからもうちょっと器用に立ち回ってくれと何度思ったことか。
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新宿署の刑事・田丸は、捜査本部の方針にいつも反発するために厄介者扱いされていた。
管内でOLの絞殺体が見つかったが、捜査の主軸からはずさてしまうが、帰宅途中に歌舞伎町のホストの刺殺体を発見する。
田丸は二人の思いがけない共通点に気づき、その筋を追うことを会議で提案するも叶わず、隠密捜査を行うことに――。
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202107/主人公の厄介者扱い描写がちょっとくどく感じたり、都合良い展開や説得力不足のまま進んだり、と惜しい面もあるけど、やはり今作も一気に読ませる見事な筆力。今後も楽しみに読ませてもらう作家さんの一人。
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本書に登場するマスコミ、組織の縦社会、個人の正義を振りかざす人々が実際に存在している事に対して非常に残念に思う・・・
裁判員裁判、ブラック企業、メディアの切り取り報道と出し抜き報道、熱しやすく冷めやすい割にネチネチしている世論などが物語の主軸に組み込まれている。
新宿署の刑事【田丸】は捜査本部の方針に逆らって真犯人を挙げた事がある!?その結果、組織からは干され、重要な捜査からは外されてしまい、どうでもいいような事ばかり押し付けられてしまう・・・
ある時,管内で起きた二つの殺人事件に共通点を見つけるのだが、干されている田丸の話は重要視されない・・・
しかし、そんな田丸に手を差し伸べてくれる相棒と密かに捜査を進めるのだが・・・
冒頭の二つの謎のプロローグが物語と繋がる時、爽やかな風が吹き抜ける!
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誤認逮捕された犯人がいながら、自力で真犯人を挙げた田丸。彼は警察の面目をつぶしたとして、署内で厄介者扱いされる。そして今度も事件でも、多くの捜査員とは異なる見解を持つ。はたして真犯人は逮捕されるのか?というお話。
田丸と相棒の神無木の関係がなんとなくさわやかでよかった。
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作品ごとに新しいジャンルを開拓する著者が今回取り組むのは、警察小説。
主人公に据えるのは、過去に単独行動で真犯人をあげ、警察内で厄介者扱いされている刑事・田丸。
「きっと、人は誰しも居場所を探して生きているのではないか」と、惑う刑事の孤独=「居場所がない」が、テーマでもある。
今また、捜査本部が捉えた容疑者は冤罪だと見抜き、「組織が動かなければ個人が動くしかないでしょう」と、独自の捜査を続ける。
しかし、容疑者は起訴され、裁判員裁判へ。
田丸と思いを同じにする弁護士が、検察と丁々発止に弁論対決する法廷場面は、この箇所だけでも一冊の小説になりそうな見応えがある(それは、巻末の参考文献の数を見ても頷ける)。
今回も相棒となった神無木が、田丸を信じると言っているのに、意固地にそれを拒否する場面には、納得できないものがある。しかし、最終的にはお互いを理解しあえることとなり、救われる読後感となる。
さらに著者は、現代日本やネット社会(パワハラや理不尽なクレーム、不寛容の加速化)の病理を指摘し、社会派ミステリーとなっている。
「現場の捜査官たちの中で疎まれ、仲間外れされている冴えない外見の中年刑事=田丸が、脇役として登場する作品があるようなので、読んでみたい。
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田丸刑事の存在に聞き覚えならぬ “読み覚え” を感じたのですが、「叛徒」に出てた刑事だったのですね。
「ミスリード刑事」という趣で、自分への不信感を利用して事件解決に導いていくのはとてもユニーク。その代償として田丸刑事の評価がどんどん下がっていくところに哀愁を感じます。
事件の内容もミステリアスで独特なもので、中沢の正体は気付けそうで気付けなく、良い意味で「あーっ、やられた」感もありました。
そしてラストシーンで、身を挺して犯人を庇う田丸の姿が切なすぎ。ここまで頑張ってる田丸が報われないところに、モヤモヤしたものを感じてしまいます。
いずれ彼が報われるストーリーを読んでみたいところです。
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あらすじ
派遣社員の中澤剛は裁判員裁判の呼び出し状を受け取る。Twitterで投稿すると記者から裁判員裁判についての意見を聞かせて欲しいという取材依頼が来る。その裁判とは、おそらく世間を賑わせた「ブラック企業爆破事件」。メモ・・・ちなみに裁判員の選任手続きの無断欠席は4割らしい。
一方、刑事の田丸は組織から疎んじられた身の上だ。1年前に連続殺人事件の真犯人を一人だけで逮捕し、警察のメンツを潰したからだ。 田丸たちは新しく起こった事件、女性会社員が殺害された事件について調べていく。続けてホストが殺された事件が起こり、2人に共通するものが裁判員裁判に呼び出しを受けていたことだとわかる。田丸は相棒となった神無木と「ブラック企業爆破事件」について調べ始める。 担当の弁護士は容疑者の無罪を主張している。調べてみると、被害者2人は、選任手続きで集団面接を受けていたことが分かる。その選任手続きの中で新宿に居合わせた者を犯人は殺害していた。犯人は彼らを目撃者だと恐れたのだ。さらに、集団面接の中に犯人がいたこともわかる。
ストーリーがまず面白かった。全然予想がつかなくて、やっぱりこの作者は話が上手いなあ思う。当初はひたすら裁判員裁判についての説明を組み込んだんだミステリーかと思われたけれども、その裁判員裁判の選任手続きの手順を利用しての殺人事件というのが新鮮だった。 女性会社員からホストへ連続殺人が起こる時に出てきたミッシングリングで、一気に興味を持った。後はやっぱり裁判員裁判についての豆知識。あと、新聞記者が取材で謝礼を払うことはまずないというのも初めて知った。
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内部で疎まれ、厄介者扱いされる新宿署のダメ刑事・田丸。
彼がいるとお宮入りになるとの噂から、ついたあだ名が『オミヤ』。
しかし、本当の彼はとても優秀で熱い刑事であった。
別作品で、すでに『オミヤ』となっていた田丸が、『オミヤ』と呼ばれるまでになった過去の話。
管内でOLの刺殺体が発見される。更に、歌舞伎町の人気ホストの遺体が発見される。
当初、別の事件と見ていた本部に対し、田丸は、驚くべき共通点を見出した。
それは、裁判員制度に絡む謎であった。
本部の誰にも信じてもらえない状況のなか、唯一の相棒・神無木との信頼関係は、どうなるのか。
最後に、ウルウルします。
『もう俺を守ろうとするな。相棒は対等なもんだろ。』
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とても良かった。終盤はもどかしさたっぷりで見守り、このまま終わってしまうのか?とモヤモヤし、、そして最後は泣く。
田丸刑事がこの後どんな刑事人生を歩んでいるのか知りたくなった。「叛徒」読んでみようと思う。
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裁判員制度の欠陥と警察組織の居場所がなくなってしまった刑事に焦点を当てた小説。
終わりの場面では、ほろっとくる箇所もあり、読後もしばらく余韻にひたっていられる。
田丸刑事のシリーズがあれば読んでいきたい。
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捜査本部の方針に反対し結果を出す田丸刑事が事件を追う話。頭でっかちでどうしようもない本部に苛立ち、田丸の講じた策にドギマギする。いやそうじゃないねん、あああ何でそうなる、と歯痒くなりながら行く末を見届ける。相方の神無木が唯一の救いありがとう。
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過去に捜査本部の方針に逆らい、結果的に冤罪だったが警察に泥を塗ったとされ、厄介者扱いされている刑事の田丸。
今回も間違った方向へ進もうとする組織に反発するが…
面白くないわけではないけれど、あまりに冤罪が多すぎるし、警察の無能さが引き立てられているような気がした…
色々と矛盾するのでは?と思うこともあったし、ちょっとモヤモヤした。
2024.4.30