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事故にあった夫が病院から消息を絶った。
妻と小学生の息子は、追手から逃れる為に地方を転々とする。
行く先々で温かい人達に出会うが、住む場所と仕事が落ち着くとまた、追手が迫る。
その緊迫感と、その土地に馴染んで母子共々成長していく様は読み応えがあった。
だが結局、夫が追手と何をどう話を付けたのか、分からずじまい。
母子が執拗に追われていた理由も至極弱い。
(夫の居場所を探る為だけ?)
そして、これからのこと。
事実がどうあれ、世間的には変わらないだろうから大変だ。
だが、以前より3人とも強くなっているから、大丈夫だと思いたい。
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大丈夫、あなたを絶対悲しませたりしない――。突然、日常を奪われてしまった母と息子。壊れてしまった家族がたどりつく場所は……。〈解説〉早見和真
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早苗と力の心理描写や登場人物の優しさに心打たれる。
他の方のレビューにもあったけど、母と息子という組み合わせが絶妙で、母と娘だったらまた違ったストーリーになりそう。
何より旅がしたくなる。
いつか別府温泉で砂かけやってみたいなと思った。
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最近あまり長編を読んでなかったので、読めるかなあと思ったけど、あっという間に1日で読んでしまった。
母と小5の息子の逃げる旅。
旅先一つ一つで、それぞれの現地の人との関わりがあり、土地も魅力も感じたし、母と息子が徐々に強くなっていく様子そしてラストはいい方向に予想を裏切られて、楽しく読み終わった一冊でした。
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温かいお話でとてもよかったです。人との出会いの大切さ、家族を守ることで強くなること、、
現実感あるストーリーだったので心に残る場面がたくさんあります。
情景が描きやすく辻村深月ワールドに惹き込まれました。
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まさかこんな展開になるとは…。
逃避行先の四万十も家島も別府温泉、そして仙台も本当に魅力的な場所!
そして、そこで出会う人たちが本当に素敵。訳ありだろうと薄々思いつつ、でも受け入れてくれる、居場所を作れる人って、本当にすごいと思う。
仙台での写真館とまさか震災の話が絡んでくるとは全然予期していなかったので、心が揺さぶられた。あの日から10年。
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好きな作者だが、本作は正直なところ父親が失踪して会えない理由がオチを知っても理解できず、小説としての面白さは普通だった。
が、やはり辻村深月作品の登場人物の優しさはホロっとくる。人間の本性は善であり光であると言いたげで、そんな単純ではないとは思いつつもやっぱり信じたくなる。読後感はとても良かった。
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力(ちから)の父親が交通事故に遭った。運転していたのは、有名な女優で、その同席していたのは父親だった。しかし、父親は知らない間に病院を抜け出し、行方不明になった。残された母親と力は、世間からの批判やマスコミに追われるように東京から離れ、転々と場所を変えていった。高知、離島、別府、そして・・・。そこで出会う様々な人たちによって、二人は段々と成長していく。果たして、父親の行方は?
母親と息子の逃避行を描いた作品でしたが、行く先々で出会う人たちの温かさが本当にすばらしいなと思いました。側から見れば、訳ありの人なのにそれを受け入れて、場所や仕事を与えていることに感銘を受けました。
この作品の醍醐味はなんといっても、力の成長ではないかと思いました。場所が変わるだけでなく、人々の出会いや経験を重ねていくにつれて、内面的に強くなっている印象がありました。また、後半になるにつれて、負けず劣らず人と向き合っていて、短い間に成長したなと感じました。
父親の失踪、二人の逃避行、もっと他に良い選択肢があったのでは?という疑問はありましたが、後にわかってくる父親と息子との関係性に心がホッとしました。
辻村さんの描く「幸せ」には、優しさを包み込むようなじんわりとした雰囲気があって、良い余韻を出してくれます。
今回もありましたが、じっくり描いた分、最後のあたりは唐突感があるように感じました。
苦労して苦労して父親に会いに行くという構想が自分の中ではあったのですが、小説では急な展開だったので、ちょっと驚きでした。
そして、明らかになる真相。ミステリーというわけではないですが、逃避行の裏側では、そんなことがあったんだという意外な発見があって、楽しめました。
息子の視点と母親の視点。それぞれの視点から見た心理描写を楽しめましたが、特に区切っているわけではなく、いつの間にか視点が変わっていることもあったので、ちょっと戸惑いはありました。
逃避行の先に視える家族とは?心身共に向き合って、良い人生を歩んでいただけたらなと思いました。
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母「早苗」と息子「力」の物語。
父「拳」はある日、舞台で共演する予定だった「遥山真輝」と交通事故を起こし、入院、その後失踪。早苗と力は真輝の事務所「エルシープロ」から追われる身となる。四万十、家島、別府、仙台と点々としながら、エルシープロから逃げ、早苗は力を守ることに尽力していく。
拳は運転はしていなかったので、事故を起こしたのは遥山ということになる。それなのに、事務所から執拗に追われるのがやや謎ではある。
現地でいろいろな人に助けてもらいながら早苗も力もたくましくなっていく。生きていさえすれば家族と対話ができる、やり直せるという作者からのメッセージが感じられた。
また、現地の人々が優しく、あったかい。こんな人たちに出会えたこともこの2人にとっては良かったと思う。
青空を通して、いつまでも現地の人々と力たちは繋がっていくのだろう。
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人との触れ合いの中で、少しずつ心の傷が癒されて、力を得ていく姿が心地よい。力が「助けてもらおうよ」と助けを求める場面が好きだ。本当の自立とは、人に助けを求めることが出来ることという言葉を思い出す。力の優しさが泣ける。
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父親と有名女優が起こしたある事故によって、妻子が騒動に巻き込まれて逃亡、その行く先々で出会う人々の優しさに触れながら、親子ともども成長していく物語。
著者の作品は3作目。
自身のブクログの記録によれば、今から8ヶ月14日前、前読の「鍵のない夢を見る」でレビューに綴った通り、私的に全く感情に響かなかった。それ以降、正直著者から遠ざかっていた。避けてきたのだ。
そんなある日、書店で平置きされている本作を発見。
完全に表題名と装丁に惹かれ手に取るに至った。
逃げる。佇んではまた逃げる。逃げる。
繰り返す逃避行の先で描かれる人との触れ合いは、方言も相まってとてもリアルで繊細で微笑ましく、ひとの温かさが伝わってきて心地が良かった。
特に息子の各独白章は、読み進めるごとにどんどん逞しくなっていき、息子の父親である私としてはエールとともに感情移入した。
しかしながら、そもそも母子が逃げなければならない根本的理由が腹落ちせず、肝心の父親の不甲斐なさが美談化されている設定は、とても残念に感じてしまった。
ただ、今回の作品で「ツナグ」を読んだときに感じた、ひとの心理描写の巧みさには再度好感が持てた。
他の作品も読んでみようかなと。
何より、旅がしたくなった。
四万十川でテナガエビが食べたい。
別府で砂湯に入りたい。
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言葉の力はすごいと思いました。別府で早苗が歌を歌うシーンで泣き、安波さんにすがって泣くシーンでまたもらい泣き。私も早苗と同じで四季の歌っていうタイトルだったことも知らないし、有名なフレーズだからメロディーは聞いたことあるな程度だったんだけど、たった数ページでなんて綺麗な歌なんだろうと思いました。温かい砂の中で目を閉じて一緒に口ずさむ老夫婦と、聞き入るスタッフと、ひとつひとつの言葉をはっきり歌い上げる早苗という描写に、自分もその場にいて歌声を感じているように思えました。その後の早苗が昔だったら歌の中の父親と母親は自分の両親だけど、それは今自分と夫のことで、力のことを一番に思うと感じていたことが印象的でした。
最初の四万十川の描写がとても瑞々しく、その分余計に家島に行き着く流れがしんどかったです。ずっと当事者である父親について良い感情を抱いてなかったのでラストはなんとなくもやもやしなくもないですが、全体的に早苗と力という母子、早苗という女性、力という少年が丁寧に描かれた作品だったと思います。
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追手がやってくるまでの間で、平穏に暮らせているとき、平和さは全面に感じてるけど、いつこの平和が終わらされるんだろうっていう恐怖が常に付きまとってて感情が忙しくて、ああ私小説読んでるっていう実感がすごかった。
辻村さんの作品が、1番没頭してページをめくってるなあと思う。
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四万十、家島、別府、仙台と、それぞれの地でようやく基盤ができそうになっても、追われるように逃げる母と息子。息子のために母は強く生き、息子は母のために成長していく。辻村深月らしい作品だった。
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空はどこまでひと続きで
空はどこまでも青い
季節が巡っても
どこへ旅しても
同じ空の下で
その青さを思う