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親子の逃走劇。ハラハラする展開よりは、その場所で生きる人の描写が本当に丁寧。みんな、頑張って生きている。逃げても逃げなくても、私たちは頑張って生きている。だから助け合うんだと思った。たとえ他人でも。
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親子三人の、東京の日常が失われたのは、夏のはじめ、七月に入ったばかりのことだった。
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深夜事故にあった夫、その運転をしていたのは。追い詰められた妻は息子と東京を飛び出す。
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マスコミからの情報を鵜呑みにされて誹謗中傷に繋がるのは怖かったし、母自身も父を信じれてない所もあって逃げるしかない状況は怖いだろうなと思った。せっかく築きあげた場所ですら追われて失って、それは自分だけでなく子どもにも関わるのは母にとってしんどいし自分の生活も保証できない。ちゃんと父と話し合ってほしいな…
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逃げている中で色んな人に出会えて、周りの人みんな優しかったのが救い。
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ふらりと読んだ小説に縁のある地名が出てくる事がうれしい。まだ行った事ないところ、また行きたいところ、たくさんあるな。
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久々に辻村深月の小説を完読。母と息子の逃避行というテーマで物語の展開につれて、その理由が徐々に明らかになっていくという流れ。母と息子の各々の視点からの描写が平行で描かれていて、独特の表現かなと思った。しかも、お互いに相手を想いやる気持ちからか、言葉に出来ず、歯痒い場面も。
行く先々で出会う人達の優しさに触れて、母子が成長していき、逃避行の原因となった出来事の真相が紐解かれていくさまは流石としかいいようがない。
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母と息子の逃亡劇!
逃げる理由がだんだんと明らかになり、そして新たな疑問が差し込まれていく。
息子が力と同じ11歳だった頃を思い起こしながら読んだ。思春期に向かい徐々に未知の生物が顔を出し始めた頃。。。
四万十川から始まった逃亡が、章が変わると土地も変わる。土地の情景を一緒に体験しているように感じ、旅をしたくなった。
そして、出会う人々のなんと温かいことか! 大きく包み込むような澄んだ青空は、旅の空か?出会った人たちの心か? 清々しい青空読了感!
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母親と息子のその時その時の葛藤や考えがこと細かく表現しており、非常に面白かった。
辻村ファンを続けて16年になるが、リアルをおりまぜた世界観がとても気に入っている。
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’21年9月4日、中断。第二章の2まで、で。
なんか納得いかない…
夫が有名女優と事故を起こして、失踪。女優は死亡、とのこと。女優のプロダクションとマスコミの執拗な追跡から母が息子と逃げまわる、という話らしいのですが…マスコミはともかく、プロダクションの怖い(?)男達から追いかけられ、職場にも毎日来られて、嫌がらせを仕掛けられる、なんて、あります?なんで?なんのために、プロダクションがそんなことするのかが、全く理解出来ない┐( ˘_˘)┌
「旦那さんも一緒なのでは?」と尋ねられるが…夫を捕まえて、どうするの?借金があるならまだ理解できるけど(この後、夫の借金が明らかになるのかな?)、夫の所属するプロダクションでもないようだし、それは無いよな…なら、捕まえて殺す?拷問する?ホワイ乁( •_• )ㄏ
損害賠償なんか、請求できませんよね?誘拐した訳じゃないし、女優さんも自分の意思で車に乗ったんだろうし。(僕が無知なだけで、このケースだと、損害賠償を求められるのかな?)
以上の理由が全く理解できません。「フィクションなんだから、細かい所のリアリティは、不要」なのは理解してるつもりですが…なんか、納得ができなくて…。もちろん、辻村深月さんは、大好きな作家さんですが…これはちょっといただけない、かなぁ。
時間をおいて、また再開するか考えます。
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世の中には自分には何の害もないのに攻撃してくる人や悪意を向けてくる人がいる。
けど、自分には関係なくても得がなくても、助けてくれる人や優しくしてくれる人もいる。
親子が逃げた先で出会う人たちが優しくて温かくて、穏やかな気持ちになった。
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文庫になっていたので購入。
がんばってる人には、どこかで助けてくれる人がいるんだなーと、そういう面では温かい部分のあるお話でした。
話の中にも出てきましたが、2学期の始まりにしばらく休むと連絡したとはいえ、小学生が数ヶ月学校に来なくても、学校側から連絡って来ないものですかね。
数ヶ月、家を留守にして、たよる人もなく転々としてても、おじいちゃんおばあちゃんも気づかないものですかね。
自分に置き換えても、そんなもんかも?と思えてしまう人付き合いの希薄さに悲しくなったり。
お父さんが序盤での印象より、ホントはいい人!ってなるとこもいい‼︎けど、それならもっと早くに早苗さんに連絡して!って思う。一度切られたくらいで諦めるなー!
家族が元の形に戻れたらいいなー。
仙台のところで、前に読んだ本とリンクしてるところがあって、ちょっと嬉しかったです。
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辻村深月さん初めて読みました。
ある出来事をきっかけに、小学5年生の息子・力を連れて日本各地を転々と逃げながら暮らす早苗。
早苗は力に尋ねたくて、でもそれを言い出せずにいることがあり、それが終盤まで続くサスペンス的要素となっています。最終章の前に事実が明らかになるのですが、高学年とはいえ小学生の力がそんな重大なことを母親に言わずにいられたことに少し現実離れした印象を持ちました。
それでも、生活を守るために懸命に働く早苗の姿からは働くことの尊さが感じられ、知り合う大人たちを手伝って可愛がられる力の姿からは、子供の持つエネルギーや子供を尊重する大人たちの優しさが感じられ、心が温かくなりました。
力が早苗に重大な秘密を隠していたことは現実味がないけれど、力が成長していく姿は子供の持つ可能性そのもののようで、眩しく感じます。
三人称で語りながら、早苗視点と力視点で物語が進行する構成が面白かったです。
辻村さんは以前から読んでみたいと思いつつ機を逸してきた作家さん。他の作品も読みたい!という思い入れはできませんでしたが、ハッピーエンドに読書の楽しさが感じられた作品でした。
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かがみのこじょうの作者だけに期待していたがそこまでだった。有名女優と不倫疑惑が報じられ、その女優が自殺してしまった。その疑惑を向けられた夫が姿を消し、その後の妻早苗と息子力が女優の事務所関係者から逃げながら日本各地を転々としていく。力のことを守ろうと見知らぬ土地で職を探すなど新しい側面を見せる早苗、
ここからネタバレ
実はうらで夫と連絡を取っていた力。夫は女優の息子からむけられた包丁の先を自ら握り、手に怪我を負っていた。
最後は家族一同が会って終わりというハッピーエンド
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物語で印象的なのは、各地の美しい風景と人々の人情。四万十の川面の青、瀬戸内の青い海、別府の青空…
各地の人達もみんな人情に溢れ、優しかった
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購入済み。
2021.10.30.読了
完全なる茶番。
エルシープロって殺し屋なの?(笑)
なんでそんなに逃げなきゃいけないのかまったくわからない。
鬼気迫らない。
本屋大賞とか当てにならない。何より本の帯は一番信用ならない。
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逃げる先々で色々な人に助けられながら、子供と母親が成長していく話。色々な地に移住するのだけど、短い間だけ滞在したから良い部分しか書かれていない。
子供が助けを求めるところが好きです。
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とても辻村深月さんらしい。上質で丁寧な小説を読んだという感想。全体を通してやんわりとミステリ要素というか謎は残されていながらも、伝えたいのはそこではなくて、人を介して強くなっていく親子の成長の話。親子もそうなのだけど、読みて手側としても、「ああ、人ってこんなに温かいんだなぁ」と感じさせてくれる。自分じゃどうにもならないような打ちひしがれてしまった時には、隣に居る誰かに助けを求めても良いんだな、と思わせてくれた。同時に、助けを求めてきた誰かに気付ける懐の大きさと心の余裕を常に持ちたいと思った。
力が母のピンチの時に買う飲料水に、スポーツ飲料が良いだなんて意識すら至らないところだとか、端々に小学5年生の等身大が描かれていてとてもよかった。
心は大人になりたい、なのにできないことへのジレンマも、ちょっとした反抗心も、かと思えば滲み出る母親への無垢な愛も。
あの力が、頑張って声を上げられたその経験は、これからずっと大人になっても自信になって残っていくんだろうな。子どもにそういうことを教えてあげられる、そういう経験をいくつさせてあげられるかが、
私たち大人や親としての役割だろうな。
拳は表立ってその人間性を描かれることは少なかったけど、ほんの少しの言葉で、とても良い父親で、夫だったのだろうということが伝わる。
母に関しても、物語全体を通して、控えめで前に出て行くタイプでは無い彼女の姿がよく描かれており、その彼女が守りたいものをはっきりと見据え決断した時との変化がよくわかった。
彼女と、彼女の夫だからこそ、力のような優しくて真っ直ぐで聡明な子どもに育ったのだということがすごく伝わる。納得する。お似合いの夫婦で、親子で、家族というような感覚。だからこそ最後に3人揃い青空の下で手を繋ぐ描写には、何の不穏な空気も淀みもなく、ただただ希望のみを感じて幸せな気持ちになった。