紙の本
定型化された悪役令嬢ものではない
2023/06/25 10:30
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投稿者:MIKA - この投稿者のレビュー一覧を見る
絵師さん目当てでの購入でした。
それにしても「おかゆを食べようと思います」?いくらラノベといっても変なタイトルだし、最近流行りのアレか。異世界で料理して生計立てる系のやつ。
と、まあだいぶ先入観があったのですが、読んでみたらまあ面白い(ちなみに異世界で料理して生計立てる系のやつではありません)。
意外にも設定は緻密だし、伏線も取り零しがない。
表紙絵のキャラは誰?皇子はいないのは何故?と疑問を持ちつつ、ああ面白かった。
定型通りの乙女ゲー悪役令嬢転生ものにいい加減飽きてきた方は是非!
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おかゆを食らう悪役令嬢って何ぞやと興味を引かれたので。
弱った体に流動食は確かに最強だ。
聖女かつ乙女ゲーヒロインのネルラが吐き気を催す邪悪っぷり。
主人公ラヴィの10年を思うと本当に心が痛む。
そもそもバッドエンドやビターエンドを楽しむ乙女ゲーだったみたいだから余計か。
折角ネルラの呪縛から逃れても、ラヴィには家族を含めて味方はなく、体も鶏ガラ状態で逃げ出すことすらままならない状態。
そこからよくネルラに立ち向かえるだけの体力と手段を手に入れられたものだ。
おかゆはやはり万能か。
そんな邪悪っぷりを発揮していたネルラのことも、背景が見えてくると、可哀想に思わなくもない。
ただの悪役にしていないところは、設定が絶妙だなと思った。
この世界の聖女は呪いのようなものだ。
まさしく。
乙女ゲー転生者として、胃にやさしい食事から元営業職で培われた根性で努力を重ねてきたラヴィ。
ネルラの影に怯えながらも努力を重ねる泥臭い主人公。
でも、そんな彼女を正しく理解してくれる人(その筆頭はサイ)が傍にいてくれたことは本当によかった。
最初こそ味方は皆無だったが、その彼女の努力の結果が確実に実を結び、最後の直接対決での逆転劇に繋がったのだと思うと、胸に迫るものがあった。
よくぞ、よくぞ、ここまで。
文章の書き方に若干癖があって、場面の途中でキャラの視点がちょくちょく入れ替わるので多少混乱はしたが、独自色の強い悪役令嬢だったものだと思う。
おかゆという響きからは想像できない重さといつネルラに再び支配されるのかというハラハラさ。
当初は想像していなかった雰囲気。
そんなバッドエンドの乙女ゲーからの逆転ハッピーエンドでの完結、本当によかった。
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乙女ゲームの世界でヒロインに操られて悪役令嬢役を押し付けられているラビィ。周りから誤解され、誰からも信じてもらえず、体調も最悪。そんな状態で前世の記憶を思い出しても、中々好転させるのは難しそう。それでも何とか生き抜こうとするラビィは応援したくなる。辛いシーンも多いけれど、サイは味方なのか?と思えるところもあってなんだか嬉しくなった。辛い経験を乗り越えた分も平和で穏やかな日々を送ってほしい。