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投稿者:メロウ - この投稿者のレビュー一覧を見る
働いて自立することが大人として必須と思う夫と、必要でなければ働かなくていいという真逆の考え方の妻。趣味のために生きる鞠子の考え方に、やんわりと価値観を崩されていって、面白かった。ワークライフバランスなんて目じゃない。役に立たない趣味だけに生きるし、単身赴趣味したっていい。(ただしイケメンに限る)みたいに(ただし理解ある家族がいる場合に限る)だね。私も本だけ読んで生きていきたい。夫に本書を読んでもらって鞠子生活目指そう。
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「鞠子はすてきな役立たず 山﨑ナオコーラ 河出文庫 2021年 840円」世の中の当たり前の考え方の逆を、普通の言葉で書かれていて、腹落ち感がすごい。あるべき論から解放されたらどれだけ楽なんだろうか。日曜日に読んですごく気持ちが楽になった。文庫が840円は高いけど、楽しい本だった。
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専業主婦で、趣味に邁進する鞠子。
言っちゃいけない、思うだけでもみっともない、と私が思っていたことをあっけらかんと口にしていて、しかもそれがチャーミングで、面食らってしまった。
「ナシ」な生き方なんてないんだな。
根っからの能天気というよりは、思考した上で楽観的に生きることを選んでる。
その選択を信じる強さというか、豪胆さというか。
鞠子、かっこいいんだけど…。
自立してないかっこいい大人の女性。
なるほど。瞼をかっ開いてもらった心地。
どんな人だっているのだ。
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お金を稼いでからが幸せと自分の中で思っていたところがあって、
そうではない幸せや、鞠子のような素敵な人もいるという違う価値観に触れると
心がほっとしました。
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作者名とタイトル名がいつも素敵過ぎて、ずっと読まずにいた作家さんだったのだが、ついに手を出してしまった。面白かった。こんないい関係性の夫婦になりたいものだ。
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今の自分の状態を肯定してもらったような気持ちになった。特に、金氏さんの「大して稼いでいなくても、自分なりに工夫することで幸せに慣れたなら、それはそれで胸を張っていい」この言葉に救われた。
労働や自立が全てだとは思っていないつもりだったけど、いつのまにか小太郎寄りの考え方が染みついていたんだなと思う。
鞠子の生き方は楽しそうだけど極端で、私にはついていけない部分もあった。裏を返せば羨ましいのかもしれない。鞠子の言葉で楽になることもあったから、たまに読み返して彼女の考え方を摂取したい。
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「働かざる者食うべからず」の教えで育ってきた銀行員の夫・小太郎とマイペースに趣味を楽しむ専業主婦・鞠子、働く立場と働いていない立場それぞれの二人の会話に時にハッとさせられ、時に考えさせられる。
趣味は生活=お金という基盤があってこそで鞠子の考えを全面的に支持できないが、仕事でも趣味でも自分が幸せだと感じられる時間を持つと人生豊かになるのは間違いない。
アンナさんの「自立に美しい立ち方があるように、他立にも美しい立ち方があるのかもしれない」の言葉が沁みた。働いていない間は“すてきな役立たず”を目指そうと思う。
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鞠子の考え方を全部受け入れてくれる小太郎さんが本当に単純に素敵で理想である。現実に中々ないなぁ〜。鞠子のように生きれるのは環境がそうさせてくれるのがあってこそ。
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働かざるもの食うべからず」と幼い頃から育てられた高卒の銀行員の小太郎と、大学院で文学を研究し現在書店アルバイトの鞠子。そんな二人が結婚する。鞠子は専業主婦を希望し、いろいろな趣味に没頭。そんな鞠子に小太郎も影響される。
鞠子のマイペースで自分の生き方を貫き、自分の満足を大切にする生き方に羨ましいとも思いました。鞠子が「自己満足は大切だよ」と言っていますが、結局はどんな生き方をしても、自分自身に満足し、自分で自分を肯定しないとしんどいかも。生き方に正解はない。
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私も刺繍が好きです。ゆっくりまったりと、時間を忘れてチクチクする事が好き。
でもそれを仕事にしたときに、締め切りがあったり、クオリティーを求められたり、ニーズに応えなきゃだったり、そうすると楽しめないのかなあ、と思ったり。
やっぱり趣味は趣味で、仕事にしたらそれだけ大変なこともある。
だから好きなことを仕事にしている人は、すごいなぁと思う。
趣味を無限にできる時間なお金があればいいのになぁ。
鞠子と小太郎の真逆の価値観の2人の会話、小太郎の心の中が面白かった。
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まさしく自立したくてもがいているのでなんというか。したいというより、しなければいけないのであって、鞠子みたいに恵まれているひとはずるいなと思う。甘えていられるのなら甘えていたいわ。鞠子に限らず、現実にもそういうひとはたくさんいるんだし。鞠子は小太郎に還してあげられているのだろうけれど(小太郎の感じ方としては)、まったく還していなくてその恵まれた状態でいられる人間だっていて、ずるいなあと思う。必死でじたばたしているわたしはずっとひとりだ。僻みですね。そうですね。
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最近ハマりつつある山崎ナオコーラさん。
タイトルにすごく惹かれて購入。
ワークライフバランス、働くことに対する価値観、趣味に対する価値観のお話。
社会人になってから、手当の出ない残業ばかりで自分の時間が削られ、何度となく「働くために生きてるんじゃないのにな」と思ってきた私を肯定してくれた。
小説では、主人公が何かに苦しみ悩み、成長していく様が描かれることが多いけど、山崎さんの小説は、自分の理想を形にしていることが多いのかな、という印象。
だからいつも、心がほくほくと温かくなり、大丈夫、と少し思えるようになる。
とんとん拍子すぎる節はあるけれど、人生を豊かにするために趣味を楽しむ余裕は持っていたいと思わせてくれた。
最近、小説の執筆を趣味にするのも楽しそう、とPCに向かい始めたので、なおのこと読んでいてワクワクした。
職場とプライベートの服装が同じようになってきたら、ワークライフバランスが崩れてヤバいらしいよ、という内容に、やはり私はヤバい、となった。
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鞠子の考え方や生き方が良いなぁと思った。自分は地方暮らしだが、肩の力は入りっぱなしでもっと息がしやすい生活をしていこうと思った。
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まず鞠子の口調が「〜だわ」とかじゃないのがいい。
「自分と異なる価値観の人と話すと心に風穴があくような気持ちになる。」根底で共感がないとそうもいかないかもしれないし、そういう余裕があるかどうかという見方もある。でも自分と異なる価値観の人と出会った時に、敵だ!と心を閉じてしまうか、風穴を開ける人が現れたのかも!と一旦受け入れるかの選択肢を持っておくのは良いことだと思った。
お金を稼がない人を責めない、無理に受け入れない、でも良さを認める、そんな作品。
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今の時代には珍しい専業主婦志望の鞠子。自分の信念に揺るぎのないのが潔い。(やり過ぎの感はあるけど)
でもそうやっていろんな趣味に没頭できるのも小太郎の稼ぎがあってこそ、というのを凡人なら考えてしまうところ、鞠子はびくともしないのよね。
最終的に夫婦が仲良くいるならそれでいいし、他人と比べなくてもいいんだけど、
でもやっぱり凡人は他人と比べてしまう。