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探偵・姫崎に成功報酬1000万円の依頼メールが来た。それは情報工学博士の北神からの依頼で、タイムリープの謎を解いてほしいという。北神は、以前あるきっかけから、同様なタイムリープを何度も経験していたが、今回のようなずーっと繰り返すのは初めてである。もう979回同じ日を繰り返している。姫崎を含め八人は、タイムリープができるという謎の液体を飲み、博士同様に同じ日が訪れた。そこで博士が殺されたという電話がきた。
潮谷さんの第2作目で、今回のテーマはタイムリープ。
単なるタイムリープではなく、どのようにして起きるのか?
その際、タイムリープしても、なぜ人の記憶は継続できるのか?
など大学の講義のような論理的かつ技術的な視点で説明されているので、なかなか一度で理解するのは大変でした。
また、それが結果的に壮大なスケールで描かれていて、一味違ったSFミステリーになっていました。
タイムリープを経験し、博士が殺されるというミステリーとしては、面白い展開で、その後も意表をつく展開にグイグイ引き込まれました。
同じ日を繰り返すので、殺人はチャラになり、また同じ博士が殺される?かと思いきや、別の殺人が起きる。それでもまたチャラになって・・・。罪としては、形上無罪になるので、歯痒い気持ちにはなりましたが、犯人確定に至るまでの消去法が鮮やかでした。
きちんとしたロジック。消去法で犯人に近づいていくので、手に汗握りながら、興奮していました。
姫崎は探偵の肩書きですが、科学者の一面もあるのではとも思ってしまいました。特にタイムリープの謎では、何でわかるの?と思うくらい探偵らしからぬ理解があって、一瞬探偵であることを忘れていました。
全体的にミステリーとしての面白さはありましたし、難しい解釈ではありましたが、違った角度からのSF小説でした。
ただ、タイムリープの鍵を握るアイテムについて、あまり詳細に語られていないので、なぜそれによって引き起こされたのかなど所々謎な部分もありました。
なので、ちょっとモヤモヤ感はありました。それでも犯人決定までのロジックは面白かったです。
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時間の巻き戻しを体験している北神博士の研究のため、協力者が集められる。しかし、当の博士が殺されてしまい、犯人捜しが始まる。苦手なSF設定の元でのミステリ。
同じ日を繰り返しているが、特定の人たちしかそれを認識できないというと、アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』の「エンドレスエイト」が思い浮かぶ。認識できる人のほとんどにとっては、シーシュポスの神話にも等しい牢獄のような気がする。
巻き戻しはなぜ起こるのか、巻き戻しを人為的に起こせるのか、「犯人」の目的は何か。そして、北神博士の真の目的は。「犯人」の知性と精神性のアンバランスさに危うさを感じるが、そこは妥当なところに着地させていた。
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タイムリープとミステリーが上手く噛み合わせてあるように感じました。
リープにより証拠品が消失してしまったり、被害者が犯人を目撃してしまったりするという問題点を巧みな設定により回避してるところに新鮮味を感じました!
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メフィスト賞受賞作家の2作目。
980回目の6月1日!
この同じ日が繰り返されている謎を解くのだが、殺人事件が発生。
時間巻き戻し?
犯人は?
知性体?
登場人物の個性が濃い。
「秋の牢獄」を思い出しつつ読んだ。
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題材は興味深かったのですが、個人的に蒼井さんの魅力がわからず、正直最後も「それでいいんだ(へー!)」という主人公への印象でした。
でも題材は面白かったです。
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好きなタイプのSF小説。タイムリープ推理小説。論理にSFの事象を組み込んでくるとこがかなり好み。
エンディングも割と好み。結構軽い気持ちで読めた。
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説明会に主席すれば手付金40万円、
その後、参加すれば報酬1,000万円、
ある朝、姫崎探偵に届いたメールには
そう書かれていた。
送り主は、情報工学の権威 北神伊織博士
指定されて会場に集められたのは、
異なる経歴を持つ男女8人だった。
そして北神博士から告げられた驚きの説明は
信じがたいものだった。
博士は979回、記憶を保持したまま
同じ1日を繰り返し時間遡行を行っているという。
タイムリープを科学的に検証する中
殺人が起こってしまう。
そして、またタイムリープは起こり、
姫崎探偵は殺人を止めて犯人を突き止め
られるのか。
タイムトラベルの話は数あれど、
現在の要素が含まれた話は実際にありそうで
読んでいて臨場感があり、グングン進みました。
時間が戻っても記憶を保持していられれば、
有利なことが多々あるだろうし、
超越した頭脳も羨ましくもあるけど、
記憶が薄れるから何度目に小説を読んでも
楽しめる凡庸さに、これもアリだな、
と少しホッともしました。
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千回近くも巻き戻され同じ日を繰り返す六月一日。それは自然な現象によるものなのか、それとも何者かの作為によるものなのか。その原因を突き止めるため、情報工学の権威・北神博士に召集された八人。このメンバーたちが「巻き戻し」を記憶できるようになった次の六月一日に起こった殺人事件。なぜこんなことになってしまったのか、そして犯人は誰なのか。
タイムリープもののSFミステリ。理系が苦手なものからするとちょっととっつきにくくは感じる部分があるものの、最近こういうシチュエーションのはわりとあるし、ってのでさほど抵抗はなく読めました。もちろんいろいろとややこしい部分をすべて理解できたかというと謎ではあるのですが(苦笑)。
ただ、犯人指摘のプロセスは簡単、というか、あることにさえきちんと気づくことができれば論理的に考えてたどり着けます(私が気づいたのはぎりぎりでしたが)。そして犯人がなぜそんなことをしたのか……それは思いもよらなかったな。
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6月1日が千回近く繰り返されていることを知り、その記憶を保持できるようになった主人公 姫崎
大切な人が殺害されてしまうが、もう一度時間が遡求すれば事件はなかった状態に戻る
限られた「1日」という時間の中で、犯人を特定し巻き戻るシステムを解明出来るのか?
SF特殊設定ミステリー
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作者は知らなかったけれど、タイムリープものが好きだったのと、ミステリーとSFの組み合わせが気になったので購入。久しぶりに衝動買いと一気読みをした。
テンポが良く、タイムリープや超科学的な要素の説明もページを割いて説明してあったのが良かった。一方のミステリーも、超科学をやりながら何でもできるようにならないよう調整された論理展開で充分だった。総じてSFをやりながらもしっかりミステリーをしていたのでバランスのいいミックスだったと思う。
ただ、個人的にはミステリーの論理で整えたため、超科学の想像力を狭めた気もする。ループが思ったより少なかったり、一見不規則なものに法則を見出していく手探り感も出して欲しかった。とは言えベースがミステリーなので仕方ないし、あくまで私個人の好みの問題です。
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タイムリープ中の殺人事件の犯人探し。その謎解きは面白かったが、タイムリープ発生の元の知的生命体みたいなほうの話はよくわからなかった。主人公の探偵はかっこいいけどズルい大人だな、とも思った。
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出オチみたいな要素がたくさん散りばめられてるところが全体の完成度を下げてる感じがしました。また登場人物たちはみんな能力がそれなりに高くて個性あふれるキャラクターなのですが、その強い個性が物語の展開に影響を与えているということは特に無いようで、無駄に特徴的すぎるイタい人たちみたいに感じるところがあります。漫画とかアニメにしたら結構面白いのかもしれないと思いました。
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ある1日が繰り返されるという設定はよく使われるが、その繰返しを認識できる仕組みを考えたところからこの物語は恐らく発想されている。
が、逆に時を遡る仕掛けは曖昧となり、消去法での犯人探しや犯行動機もやや強引な感がある。
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序盤は同じ日を繰り返すメカニズムなどが理解できず「??」となりましたが、物語の中盤からは一気に読み進めることが出来ました。
ミステリーらしさの中に人情味溢れるシーンもあり、読みやすい作品でした。
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いわゆるSF(少し不思議)物語かとおもってページをめくってみれば、全く異なる小説だった。帯の言葉に騙された(良い意味で)。“守りたい人のために跳べ”“何度だってあなたのために”。アニメでも小説でも流行りの異世界ループもの、頭を空っぽにして読めるかなと軽い気持ちで挑んだのが間違いだった。この世界線ではないミステリー物語読みたい方におすすめ。