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本に対する心構え、立ち位置を改めされ再認識させられた本です。200頁ほどの本ですが、少し時間がたてば何度も読み返して新たな解釈、発見気づきがある本です。
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715
友人というのはその場かぎりではありません。「ずっとつづく」関係です。親しい、よく知っているという以上 に、友人というあり方の根をなすのは、「ずっとつづく」ということ。「ずっとつづく」ものが友人であり、友人た りうるということであり、「ずっとつづく」というのは、日常的にずっと連続するだけでなく、日常的にたとえ連続 していなくとも、続いているという感覚がずっとつづいている、ということです。 友人と言うと、人間のようにしか聞こえないかもしれませんが、人間だけでなく、たとえば山もそうです。 そこに山がある。その山を見て、そこにひとは、さまざまなものを見る。緑を見る。晴れたり、曇ったり、天候を 見る。過ぎてゆく季節、やってくる季節を見る。山を見ているうちに、自分の思いを見ていることに気づくことも、 きっとあります。状況、年齢、環境、その日の気分の問題まで含めて、それぞれに、さまざまに、そこにある山を見 る
本について語られる言葉のおおくには、すくなからぬ嘘があります。誰もが本についてはずいぶんと嘘をつきま す。忘れられない本があるというようなことを言います。一度読んだら忘れられない、一生心にのこる、一生もの だ、という褒め言葉をつかいます。こんないんちきな話はありません。人間は忘れます。だれだろうと、読んだ本を 片っ端から忘れてゆく。中身をぜんぶ忘れる。覚えているのはたださっきの小川のかがやきぐらいというのが、ほん とうです。読んでしばらく経ってから、これは読んだっけかなあというような本のほうが、ずっとたくさんあるはず です。
たとえば、大学に行って、大学の誇る図書館で、その蔵書をどれだけ読むでしょうか。がんばって読んだとして 一人一〇〇冊あたりも読むでしょうか。とすれば、大学が誇るすばらしいよい図書館とは、ほとんどだれも読ま ない本がたくさんある図書館のことです。実際に読むかもしれない一〇〇冊ぐらいしか本がない図書館は、図書館と はよばれません。本は非常に不思議なのです。使わない洗濯機や、使わない自動車がたくさん並んでいても、役に立 たないのです。本は別です。だれも図書館のない大学には行きたいとは思わないでしょう。しかし実際に入っても、 図書館の本をほとんど読まないで卒業するでしょう。
というのも、他人と競争する。他人と競争して、他人に勝つ。 るいは負ける。そのように勉強というものが、つねに他人を確かめ る、他人との距離を確かめるようにして行われてきたということが あります。しかし、子どもがどんどんすくなくなってゆく社会で は、他人に勝つために勉強する必要より、もっとずっと必要なのは 自分を確かにするためにする勉強であり、自分を確かめる方法とし ての勉強がいっそう求められます。
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評判が良かったので手に取ってみたが、悲しいかな、あまり合わなかった。この本と合う方はとても感銘を受けてらっしゃるので羨ましい。
私自身が短絡的すぎる人間のため、読書は楽しい暇つぶしで、本はいつもお供にして寝てても立っててもどこでも好きなように読めて良いよなーって思っていた。それ故に、そんな難しいこと言わず楽しく読書させてくれ、と反発心のようなものがおこってしまったのであった。自分自身に残念。
所々、某政治家のポエムを思い出してしまったり…ああ。
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正直自分にはあわなかった。昔を美化しているような印象が強い。何年か経って違うタイミングで読んだらまた違うのかもしれない。
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本が好き
義務でも修行でもなく、ただ単に楽しい遊びだから
この本は読書についてではなく、もっと根本にある言葉について、自分のありようについて考える導きのような本
「言葉というのはその言葉で伝えたいことを伝えるのではない。
むしろ、その言葉によって、その言葉によっては伝えられなかったものがある、言い表せなかったものがある、どうしてものこってしまったものがある、そういうものを同時にその言葉によって伝えようとするのです。」
この文章を読んだ時にホッとした気がして
伝えたい思いがあるのに、言葉にできなくて、言葉にしようと思いがよくわからなくなってしまう
こういうことを言いたいわけじゃない...
なんでみんなはきちんと伝えられるのだろう
ってずっと思ってた
伝えたいことを言葉にしようとすることで、自分の中を見つめること、確かめること
言葉に言い表せない心のうちがあることを知り、それを伝えることができるのも言葉であること
言葉で尽くせぬものがあることは、ごく自然なこと
自分の言葉を持つということが、成長というのならばまだまだ成長過程
これからも楽しく本と付き合っていきたい
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NDC 019
(・あれ、私が借りたこの本は、池澤春菜さんの解説がのってない。読んでみたい。)
私にとって、哲学的で読みやすくはなかった。一回読んだだけではわからないなと思う言葉もあった。でも、出会ってよかった。なにがよかったとかどうよかったかとかをここに言い表せないところが、自分が「よい言葉」を持っていないということなのだなぁ・・。自分を豊かにしたいなぁ・・。
「本のなかにある「いい時間」
本とともに過ごす豊かな移管をもとめて、人は読書をしてきた。「本は親しい友人」「本は大事な記憶の扉」「本は言葉を紡ぎ、世界を身近にとりもどす一つの装置」「本は人生の比喩」ーすべては読書からはじまる。本を読むことで、自分の心のなかに失いたくない言葉の蓄え場所をつくりだすことができる。」
「読まない本」にゆたかさがある。「たくさん読む」が正解ではない。「一生忘れない」なんて嘘?最も長く、最も深く人類と共に在り続けてきた「本」というメディアは、私たちの想像よりもずっと優しく、あらゆることを許してくれる友人だ。本はあなたを孤独にしない。読書が苦手、活字に疲れた―そんな本音にもあたたかに寄り添う、「人間」を楽しむ至高のエッセイ。」
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タイトルが“読書からはじまる”だけど、読書うんぬんの話じゃないのです。
ことばと人間の話
自分の在り方の話
センテンスひとかたまり毎に、極上のチョコレートを口にしているような感じ。
同じ文章を何度も味わって堪能して
そうやって少しずつ少しずつ読んで
余韻に浸って溜め息がもれる。
あぁもうすぐ読み終わっちゃうなというところで、
近くに住む天使がお手製スイーツを持ってきてくれました。
ひと休みして食す。
絶好のタイミングで絶品のチーズケーキ。
これ以上ない舞台が整ったところでいよいよ本も大詰め。
耳を澄ませるように大事に読みました。
最後の一文で、共感のあまりヘッドバンキングしてテーブルに頭ゴンゴンしているところを主人に見られ、
「何してるの?」と言われて
「あ、感動してるの」と我に返って読了。
ただただ最高。