投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
お互いに苦手意識を持ちながらも、祖父のガラス工房を引き継いた、兄の道と妹の羽衣子。
兄に対する幼い頃からの妬み。
妹や世間に対する苦手意識。
二人はバラバラの舟で大海原に乗り出し、行き先も違う方向を向いていたのに、10年という月日の間に少しずつ近づき、気がつけば舟は寄り添っているかのよう。
道がガラス工芸を作るときのイメージなのに、兄妹の関係をも表しているかのようで、とても優しく、読者にも寄り添うような静かな物語。
作中にはハッとさせられる言葉がたくさん散らべられていて、ガラス細工のようにキラキラと光っていたのが印象的。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
寺地はるなさんの作品は初めて読みました。
表紙絵に惹かれて、この作品を手に取りましたが読んで本当に優しい気持ちになれました。
「ソノガラス工房」で繰り広げられる、道と羽衣子の2人兄妹の物語。
脆くて、同じものは一つもない。
人生はまるで、ガラスみたいだ…。
みんなと同じ行動がとれず他人から疎まれてしまいがちな兄の道。
落ちこぼれでも優等生でもなく、なんでも平均的にこなせるけれど、「特別ななにか」が見つからない妹の羽衣子。
祖父の遺言をきっかけに、ともにガラス工房を引き継ぐことになった、相容れない二人の絆の行方とは…。
大阪・空堀商店街にあるガラス工房で兄妹が過ごした、
愛おしい10年間を描く感動の物語。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
素敵なストーリーだった。
ガラスでできた骨壷。
ガラス 骨壷 と画像検索するとたくさん出てきてとても美しい。
私もそこに入りたい。
祖父が溶解炉の中のガラスを「燃える海」と呼んでいたので、
道は、竿を持つときに海を渡る小舟が頭に浮かぶ。
仲が悪いけどこれからもよろしくとお互い言い合った兄妹。
お互いを補いあっている。
いい兄妹だと思う。
あんなに嫌がっていた看板を羽衣がセンス良く書いてくれたところは感動した。
良書。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
コミュニケーションが苦手な兄・道と妹の羽衣子は祖父のガラス工房を引き継ぐことになる。
「特別」に憧れる妹と、「普通」がわからない兄。
10年にわたる兄妹の心の葛藤が双方からの思いが綴られていく。
表では分かれていたのが、裏では二人一緒に舟に乗っている装丁が良い。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
兄妹で受け継いだガラス工房。
兄妹だからの遠慮のなさや、分かり合えない部分が人より多いけど、少しずつ理解 しようとし、兄妹だからこその良さもみえた。
夫婦の形は、複雑。家族のかたちもそれぞれだな〜と思いました。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
大阪の心斎橋からほど近い商店街に、兄妹二人が営むガラス工房があった。兄の道は、幼い頃から落ち着きがなく、コミュニケーションが苦手で、みんなに合わせたり、他人に共感したりできない。そんな道とは対照的に何事もそつなくこなしてきた羽衣子だが、道のような個性がないと苦しんでいた。正反対の性格である二人は互いに苦手意識を抱いていたが、祖父の工房を共に引き継ぐことになったのだった。
道の曖昧さを受け付けない生き方に、祖父が授ける知恵がいい。責めたりごまかしたりするのではなく、自分を曲げずに生きるための知恵。どうしてほしいかを言葉で伝えること。それを受け止めてくれる周囲の存在が温かい。前半は、羽衣子のけたたましさのほうがむしろ受けいれがたかったが、それも彼女の生きづらさにつながっていたのだろう。
いがみ合う息子と娘、別居中の娘夫婦、おそらく発達障害で生きづらさを抱える孫息子と母の関心を向けてもらえず寂しさを抱える孫娘。彼らを見守り、支えてきた祖父母の大きさが羨ましい。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
最初、何の話し?って感じで、なかなか入っていけなかったけど、時折り心に響く言葉、言葉、言葉ーー!
なんか、読書してて、あまり感じられることが少ない癒しを与えてもらいました。
優しさの溢れた本だったな〜。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
誰もが特別になりたいけど、みんな特別ってことに気づいてない。
道の言葉は飾りがないから胸をうつのか。
登場人物が優しさで溢れてる
まことくんに対する違和感はやっぱりな。そういう感じしたー。
紺はなにがしたかったのか、連れ子と実子への嫉妬。お父さんが好きの裏返しか。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
祖父のガラス工房を引き継いだ兄妹の話。兄は発達障害をもち、妹はそんな兄をずっと嫌悪してきた。この設定だけですごいなと思ってしまう。みんなが違って当たり前の世界で、みんなと同じことを求められる理不尽さは、兄には耐え難いことだろう。ガラス工房の描写も丁寧でわかりやすかったし、兄がガラスの「骨壺」を作るのもいい。無の状態から形あるものを生み出す職業の人にぼくは弱いのだ。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
【道には目に見えないしるしがついている。この人は他の人間とは違います、というしるし。わたしにはついていない、しるしだ。】あらゆるものを捧げ、手にしたいものが、ある。羽衣子。そして【ふつう】とか【常識】だとか【世間】という枠からはみ出している〈と思われている〉道。二人の兄妹の物語。まただ。また寺地さんはわたしたちに訴えかけてくれる、【羽衣子にとっての『特別』とか『ふつう』は、ただひとりの特別な人間と、同じようなその他大勢の人ってことなんかもしれん。けどぼくにとってはひとりひとりが違う状態が『ふつう』なんや。羽衣子はこの世にひとりしかおらんのやから、どこにでもおるわけがない】道はとても、強い。そして、羽衣子は強そうだけど、とても、脆い。【ふつう】って何?瞳に映って見えている世界は、それぞれが抱える【ふつう】で溢れている。多面的に生きていきたいと、寺地さんの本を読むといつも思う。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
兄と妹が、各々の個性に羨望や反発を覚えながらも寄添い支えあって、祖父の工房を継ぐ成長物語
美しくて儚く脆いガラスが、彼らの心をそのまま映しているような、透明感のある作品です
お兄さんには「透明感って具体的にどういうことですか?」と言われそうです
個人的に、相続がおざなりなのが気になりました
それも含めたストーリーなのかも知れませんが、
解決の方向性は欲しかったです
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
何かを目指す時、何かを掴み取りたい時、大切なことを忘れてしまう。私が、特別になりたいと思い始めたのはいつだろう。兄の言葉を素直に受け入れられない妹も、だんだんその思いやりと優しさに気づいていく。ガラスの心は、そう簡単には割れない。継いで継いで、生きていくんだ。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
寺地さんの作品はやっぱり読みやすい。
一気読み。
妹と兄、それぞれの目線から話が見えて、
それぞれの成長が手にとる様にわかる。
高校入試に出そうーな雰囲気。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
ADHDっぽい兄の道と、ちょっと敏感な妹の羽衣子は死んだ祖父の営むガラス工房を引き継ぐことになった。気の合わない兄妹。骨壷を作る、いや作らない。離婚しようとしない母、ずっと前に家を出た父・・・
すっごく優しい小説だった。読めば読むほどこの間から物凄く淀んでた心が清々しくなった。
骨壷を依頼する人がいるなら作ればいいじゃんと言う兄は他人の気持ちが分からないが才能がある。骨壷なんてこわいやんと思う妹は気持ちの機微がわかる。というようなお仕事だけじゃなくて、ややこしい親子や恋人関係まで網羅する、何気なく凄い小説だった。
投稿元:![ブクログ](//image.honto.jp/library/img/pc/logo_booklog.png)
レビューを見る
まず表紙の美しさにひかれました!人の死などに触れる内容ですが読後爽やかな安心感のようなものに浸れました。私にしては早めのペースですらすらと読み終わり、改めて表紙と裏表紙を見てみると、この一冊をもう一度味わえた気がしました。