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想像以上に精神的に来る内容だった。汚物にまみれた人間の残酷さと弱さをこれでもかというくらい訴えかけてくる。群衆心理の恐ろしさはデビルマンでトラウマになってるが、人間って本当に怖いです。
本作者には人間の美しさも逆に描いてほしいですね。
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初美と出会って徳山は変わっていく。
ずっとそばにいる人の話は信じやすいもの、吸収しやすい。怖い。
初美の考え、口調、強さが似てくる。
自分が考えていたことのように語り始める。
彼女に日々毒されていることに気がつかない。
中盤辺りで、人のアドバイス、初美の過去を聞いて、彼女のことをなにも知らなかったことに今さら気がついて戸惑うが、それも少しの間だけで、彼女に依存していくことにかわりはない。
周りが「悪女だ、気を付けろ」と言っても嫉妬、妬みだと思う。
周りの忠告も入ってこない、関係が完全に絶たれる。墜ちてゆく。
好きだった食べ歩きも、食事すら面倒になってただ寝て起きる。どうでもよくなる。
唯一の思い「結婚したかった」も、彼女の一言で、叶わない。
元気なときに読んだ方がいいかもf(^_^;
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初美は物事を深く考えているようで実はめちゃめちゃ空っぽな気がする。
綺麗事を押しつける形岡さん。嫌悪感を抱く人もいるかもしれないし、むしろ嫌悪感を持っている自分というのが好きかもしれないけれども、
引き返すんだったらあの形岡さんのメールだったのではないかと思う、
きっと世の中的には形岡さんみたいな人も必要不可欠な存在なのかもしれないなと思った
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鬱屈した思いを抱え、居酒屋でバイトしながら三浪している主人公。そんな時たまたまキャバク出会った美人のキャバ嬢と急接近、そして同棲。非常に厭世的だか口の立つ彼女に深く影響されながら主人公の人生も破滅に向かう。評価が難しい小説。死に対する漠然とした憧れに似た感情は誰にもあるだろうが、、あまり自分には響かなかった。好き嫌いは分かれそう。文章のテンポもよく、一気に読ませる面白さはあったが。
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性と暴力の歴史のシーンはかなりお気に入りだった。しかし、初美の一方的な感性の押し付けではあった。キャラを加えるなどして、多面的な感性を読みたかった。
キャラクターの心情の変化が主人公以外、全くなく、フィクションを忘れることが出来なかった。初美の内心を書いて欲しかったけど、それが書かれていないことが魅力だとも思う。
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結構評価が高い本のようですが、私には合わなかった(理解できなかった)ようです。
初美のエキセントリックな言動や、主人公が周りをこき下ろすふるまいにいら立ちやウザったさを感じ、その嫌悪感がそのまま作品の印象になった感じ。
特に「初美の彼女」とか自身の出自など、アイデンティティを周囲に依存してる中身空っぽのクセに粋がっている主人公には終始ムカついて、何度も読むのを止めようと思ったほどでした。
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必死で生きていたいのか、必死で死にたいのかどっちかわからない感じ。初美のキャラは異様だから何を言っても普通だけど、初美に依存している徳山ががんじがらめになっていく。でも徳山の周りを囲む人間も、徳山を救うほどの関係の濃さはない。
読んでいてちょっと振り回される感じかも。
最後は少しまとまりのない感じになっているけど、まとまりがないからこの作品になっているのだと思いました。
2022/03/23
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竹槍〜で知ってた作家さん、竹槍〜の前に『現代版 砂の女』『戻れなくなる世界観』といった帯のインパクトで読んでみたくなり、一気読み。
温浴施設で没入して読み切ってしまった。
導入から出会いまでのありふれた中に感じる奇妙さや独特さはとてもおもしろいと感じた。(テーマがテーマだからおもしろいという言葉が適切かは分からないが)
また、意識と思考回路の流れも丁寧に言語化されていえ、あぁ、こういう表現をしたら良いのか、など自分の思考過程と照らし合わせながら読んでいて表現力の観点で勉強になった。
ラスト前の本性らしきものが明らかにされていく過程で、これは「注文の多い料理店」的な流れか?だとしたらものすごいサイコホラーだとミッドサマー的な期待をしてしまったが、結局両方とも朽ちていったのがちょっと意外な展開だった。
96/100
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解説も含めて、すべてが好き。ガツンとくる。脳に響く。誰にも血を流させずに世界を滅ぼす方法が自死、という言葉にはああ……と声が漏れてしまった。
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表題がショッキングなものだから、何回か目にした記憶がある。今回はじめて手に取り購入した。
最高におもしろ
人からもらったかねが盗まれた挙げ句、受かった大学の入学金を払えず、、という過程は心が痛すぎて受け付けない。たとえフィクションであれど。グロテスクな表現よりも、金がなくなる表現の方がよみ飛ばし・流し読み率高いことを、今回実感できた。収穫である。
徳山、自我なさすぎ。徳山は、その精神がむしろ尖ったものでないんじゃ?だからこそ、初美と一心同体きゅんきゅんきゅんちゅんちゅんちゅんになってしまったんでないの?
私は、徳山のように、ひと(徳山の場合には初美)とまったく同じ、人生に対する価値観をもって、またおなじ人生を歩むなんて、まだ想像もできないし求めてもない。たまに一緒にいて、死ぬまで細々続く関係しか求めてない。とか主張してみる。
あとなんだっけ。いいたいことないーーーー。
きゃば、三浪生にいけすかねえバイト仲間、陰キャ大学生、という現代の若者のなかでもアングラな層にいるという登場人物設定はアツい。おれら、たいしてたのしくねえし!若いだけで燻るう!けどそんなに、暴れる熱量はないからとりま生きるために金かせぐ。そんで自分をよいほうに評価できない劣等感のかたまり。
周りのひとが、結局自分を作り、自分に影響を与えるっちゅうのはマジだな!☆ミ俺っちの周りはいいやつばっか!なのにあたいはクソミタイ!なんで?!!!まじで。 主語の変格活用?
死にたくなったら電話して、ってめっちゃいい題名だとおもう。めんへらごころが曳かれるもん。
でもねえ、この本を説明してるわけではないよねえ。うん。まあ題名が内容を説明すべきとは思わないけれどすこしズレてるともいえるよねえ。まぁいいけど。
初美は他者なんだって。
そんで、わたしは、初美のことがわからないのはもちろん、徳山の心情も全ては「わかるう!」とはならなかった自分に安堵した。わかっちゃったらおなじようにゆっくりと死んでくかもしれないじゃん?それはいやだもんねえ。
でもねえ、あたしも、死にたくなったら電話してっていわれたいし、死にたくなったときに電話していい相手をほしいとも思う。それは、結果、ひとりで耐えられるものとして過去になる感情としての、「死にたくなる」だとしてもだ。死にたくなって、しなないとしても。わたしは、その死にたくなったときになんか、ひとに言いたいよ。死にたいって。でもそれは、大抵相手を傷つける言葉なんだって知ってるから言わないよ。きっと一生。
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2022.4.20読了。
李龍浩(いよんどく)氏の鮮烈なデビュー作。第51回2014年文藝賞受賞。
キャッチーな作品名と選考員の方々の気前の良い大絶賛、世界の残虐史を話しながらの性交により破滅に堕す悪女の話らしいとのあらすじからの想像は膨らむばかりでわくわくが止まらず手に取り一息に読み終えた。
世界の狭い無垢で気弱な浪人生が、京大出のキャバ嬢の影響によって世界と対峙できるだけの強さを手に入れたと思うも依存しているだけで結局いいように翻弄されただけだったのかなという話。
思っていたより現実味が強かった。
しかし初美のなんと魅力的なこと!
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読み終わって思ったことは、この本は、というか初美は非常に強力な毒であるのは間違いない。心の弱い人や感受性の強い人はこの作者の毒にまんまと心を蝕むんじゃないかと思った。
主人公は強烈な女性と共にする中で明らかに自分に無い考えを持ち破滅の道を進むが、しかしそこにはあからさまな矛盾がなく自然に死に向かう心理描写はとても上手で、読んでいて引き込まれた、というか死ぬことは悪くないんじゃないかと自分もいつのまにか徳山の立場になっていた。まんまと作者の思惑にハマった形でした。
とても上手ではあるけれど、悪意100%で個人的には初美の裏の表面を見たかった感じるため
星3つにします。
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主人公の徳山はナンバーワンキャバ嬢の初美から強烈なアプローチを受ける。その強烈さを怪しむが、どんどん彼女の虜になっていく。
しかし初美は、外見の美しさとは裏腹に破滅的な欲望を持っていて………
2人が下した決断に向かって物語が進んでいく中で、徳山が狂っていく過程が描かれるのだが、その最中の考え方や価値観に共感できる部分があってモヤモヤとした恐怖を感じた。
極端な依存性と独占欲が辿り着く排他的な思想には衝撃を受けながらも納得してしまった。
2つの内どちらかを少しでも持ってる自覚がある人にはおすすめ、心臓が抉られると思う。
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ー 「まあでも、どこもそんなもんなんちゃう?特に飲食は。サービス残業も普通やし。それにそんな『女工哀史』の時代と比べたら、やっぱり今のはだいぶまともやろ」
「昔と比べて今はマシやから耐えなあかん、ってのは考えなくていいです。苦痛で悲惨なのは今も昔も変わらないです。早く焼き殺されるか、長くじっくり炙られて殺されるか、それだけの違いです」 ー
名作!
素敵な恋愛小説。ボーイミーツガールの傑作。
初美さん素敵だなぁ。
ヘイトする側とヘイトされる側の両方をヘイトし、人類の滅亡、2人の心中を望む初美さんとの恋の物語。
本棚に“人間の悪意のすべてを陳列したい”だなんて、惚れてしまう。
ヘイトを叫ぶ側とヘイトされて平然としている側のどちらでもない場所で、世界の残酷さとどう向き合えばいいのか。何も考えないか、全身に浴びるか、どっちらにしたって、結局は世界を拒んで死んでいくだけのただの人間に変わりない。
だからどうなんだ、って話だけど。
『あなたが私を竹槍で突き殺す前に』も早く読みたいなぁ。
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泣いた。
登場人物全員気持ち悪い。
特に最後の形岡からの超長文メールのあまりのキモさに涙が止まらなかった。
それに対する初美の返信もまじで気持ち悪い。
最高に気持ち悪くて面白かった。
こういうのが読みたかったし、死にたくて死ねなくて生きてるけど生き生きはしてなくてでも屍ではない。人なのか微妙な、でも呼吸はしてるから生物ではあるはずみたいなラインをうろうろするの現実であり空想でありって感じ。
こういう面白い恋愛ならしてみたい。解説読む限り恋情じゃないらしいけど。一応口では愛を確かめあってたし恋愛の括りだろとは思った。でもこの型はめに殺されたような2人な訳だから…堂々巡り。
醜くてもこういう小説読むのを楽しみに私はディストピアを生きるわ〜
理屈じゃない楽しさを自分で捜そう。