紙の本
忙しく疲れているあなた、少しゆっくりしてみませんか・・・
2010/05/20 14:07
5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nyanco - この投稿者のレビュー一覧を見る
たそがれ堂第二弾。
前作はオリジナルの児童書に加筆したものだったので、子供たちが主人公でしたが、今回は書き下ろしなので主人公たちの年齢が少し上がった感じ。
ひきこもりの少女が出てきたり、逢いたい人がもう現世にいなかったり…と、ちょっぴり大人向きでほんのりビター。
『雪うさぎの旅』は、少女の寂しい思いを勇気づけようと旅に出た雪だるまと雪うさぎ。
旅は険しく、体は汚れ、解けていく、やっとたどり着けたのは雪うさぎだけ。
雪うさぎは少女に会うことはありませんでしたが、少女への思いはきちんと伝わる…。
第二弾の中では、前作のような児童文学の香りが強い作品ですが、せつない感じがとても好きです。
『人魚姫』は、ちょっぴりホラーテイストもあったり…。
『魔法の振り子』は、忘れることのできない薫子の気持ちと青年の想いがせつない。
『ねここや、ねここ』お伽話のテイストも加え、もののけも登場して、それでいてじんわりと胸に沁みる…。
心が疲れた時に読みたくなる本です。
(この感想は昨年9月に書いたものです)
紙の本
切ないけど最後にやさしい気持ちになるお話
2022/10/12 10:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ねこすき旅人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
大好きな本で、たびたび時間があるときに読んでいます。
特に、薫子と薫の甘く切ない恋心のお話をよく読みます。
大学時代、薫子と薫はお互いに恋心をいだきながらも親友として過ごします。あるとき薫は海外に旅にでて消息を絶ちいなくなります。薫子は、薫のことを心配しつつも、小説家として毎日を追われ、10年の月日が流れます。10年前の淡い恋をふと思い出すようになった薫子は、ある日白狐の神様が営むコンビニたそがれ堂に迷い込みます。そのコンビニで手にとったペンジュラムによって、薫が10年前にいなくなった理由が明らかになります。
クリスマスの夜、薫が薫子に伝えたかった想いが風早のホテルで、薫子に伝えられます。離れ離れになった二人が、10年の歳月を経て、形は違うけど、想いが通じた場面を読んだ時、ふと涙が出てしまいます。切ないけど、最後は優しい気持ちと心温まる気持ちにさせてくれます。
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村山 早紀
ジャイブ (2008/5)
(ピュアフル文庫)
児童文学というよりは大人へのメッセージのようです
生きているうちに手放してしまったたいせつなもの
それに出会うために 不思議なコンビニへ ひきよせられる
短編ですが格調高い文で 後味もとてもいいのです
あっさりとしたあたたかいお食事を頂いた感じです
≪ 黄昏の 稲荷神社の コンビニへ ≫
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どんなものでも売っているコンビニたそがれ堂。
夕暮れどきに迷い込む、不思議なお店。
可愛らしい女の子の友達の話。
一歩を踏み出す勇気をくれる話。
大切な思い出の話。
やわらかい文章で読みやすかったので、他のシリーズも読んでみたいな〜
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3,4話目で泣かされました。
生きる道を選択することは同時に何かを失うこと。
しかしその傷や空白、喪失の代わりに何かを得て
確実に昨日より一歩前に進んでいる。
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あああ電車で泣いてしまった…
次の展開が分かってても泣けてしまうのは、語り口がとても優しく穏やかだからなのでしょうかねえ…
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悲しくて切ないお話ばかりでしたが、どのお話もたそがれ堂の存在があたたかく優しい空気に浄化してくれる、残された人々が前向きに一歩を踏み出せる存在になっていました。
それにしても、本当に切ない気持ちになりましたが、たそがれ堂があって、本当に良かった。
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【あらすじ】
大事な探しものがある人だけがたどり着ける、不思議なコンビニたそがれ堂。ミステリアスな店長が笑顔で迎えるのは、大好きな友だちに会いたいと願う10歳のさゆき、あるきっかけからひきこもりになってしまった17歳の真衣、学生時代の恋をふと思い出した作家の薫子…そこで彼女たちが見つけるものとは?ほのかに懐かしくて限りなくあたたかい4編を収録したシリーズ第2弾、文庫書き下ろしで登場。
【感想】
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読み終えました。
村山さんの本は2冊目。全作より長めのお話がありました。
中でも好きな話は3番目の魔法の振り子。
やっぱりこんなコンビニ欲しいなぁ。
私も、風早という街に住みたいです。
とりあえず、ほろり・・・2回w
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前作は元々児童書に加筆したものであったが、近作は書き下ろしとなっており、ボリュームも大人向きなものとなっています。
内容は前作同様、暖かく、幸せな感じがしました。
このまま三冊目に突入したくなりました。
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話としてはハッピーエンドなんだけれども。
やっぱり哀しい。というか、寂しいのか。
http://feelingbooks.blog56.fc2.com/blog-entry-729.html
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〈コンビニたそがれ堂シリーズ第2弾〉
「雪うさぎの旅」・「人魚姫」
「魔法の振り子」・「エンディング~ねここや、ねここ」
の4編が収録。
「近しいものの死や不在がもたらす、埋めることの出来ない空白、消し去ることの出来ない不安や悲しみを抱え」た少女たちのお話。(解説より一部引用)
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現代の児童文学。
もちろん、児童だけが読むものではないけれど、目線はそちらに向いているような。現実的なシビアな問題や哀しい話も多いが、それを包み込む作者の暖かな目線が優しい。
ふと迷い込んだら、銀髪金眼のイケメンお兄さんが赤と白の制服を着ているコンビニがあったら……一瞬、戸惑ってから、きっとおでんとお稲荷さんの匂いにひかれて入ってしまいそうだ。
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大事な探しものがある人だけがたどり着ける、不思議なコンビニたそがれ堂。ミステリアスな店長が笑顔で迎えるのは、大好きな友だちに会いたいと願う10歳のさゆき、あるきっかけからひきこもりになってしまった17歳の真衣、学生時代の恋をふと思い出した作家の薫子……そこで彼女たちが見つけるものとは?ほのかに懐かしくて限りなくあたたかい4編を収録したシリーズ第2弾、文庫書き下ろしで登場。(文庫本裏表紙より)
前作が元児童書だったのに対し、
この本は書き下ろしのためか大人向けの本となっているようだ。
主人公の周りの誰かの死・喪失を乗り越え、
そこから立ち上がる彼女たちの姿が描かれている。
たそがれ堂の店長がいい味を出している。
こんな店長のいるコンビニに行ってみたい。
あたたかな優しい声で「いらっしゃいませ」と言われたら、
ほかほか湯気のあがるおでんを食べたら、
しあわせになれるような気がする。
大人の童話って、こういうのをいうのかな。
読み終わったあとのあたたかな気分がこころよい。
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胸の熱くなる話でした。基本、恥ずかしいくらい素直な気がするが、だけど、いろいろ、別方向の話を持ってくる。ちょっと悲しいところも含め、妙に胸をゆり動かされる。