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ずっと前に新聞の書評を読んで気になっていた本です。ようやく読みました。とても面白く、示唆に富んでいます。お金と物を交換することが当たり前の世の中で、買わずに済ませる方法を考えるのは刺激的です。
交換ではなく贈与、つまり与えることが重要であり、互いに与え合えば平和が訪れると著者は言っています。日本でも311を経て、寄付やボランティア活動が盛んになりました。「与えること」が世の中を変える日は、そう遠くないのかもしれません。
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THE MONEYLESS MAN
A year OF Freeeconomic Living
【本からの引用】
「世界を変えたければ、まず自分がその変化になりなさい」
マハトマ・ガンディー
僕の経験では、何の見返りも期待せずに惜しみなく与えていれば、
かならず人からも惜しみなく与えられる。与えては受け、受けては
与える有機的な流れだ。この魔法のダンスに、地球全体の生態系は
基づいている。けれども、その流れに乗るには、ひたすら信じる必要が
ある。必要なものは自然が与えてくれると信じることだ。
これをキリスト教は「自分のまいた種を刈りとる」と表現し、仏教徒は
「因果応報」と呼ぶ。無神論者に言わせれ ば「常識」だ。
(略)
愛情、敬意、気づかいをもう少しこの世界に注ぎこんだら、それらの
蓄積された世界から、皆が恩恵を被るにちがいない。
複雑な理論でも何でもない。たしかに、惜しみなく与えうけとる流れの
中に身を置くには勇気がいる。ぼくだっていつもうまくいくわけではない。
だけど、この流れに身をまかすときが僕にとって一番幸せな時間だ。
人生はいともたやすく感じられ、抵抗することも、潮に逆らって泳ぐ
こともない。必要な物は人生から与えてくれると信じるようになってから、
ぼくは何事にもとらわれなくなった。心配から解放されると、
本当にやりたいことができるようになる。
人類は 歴史の転換にいる。高速で走る車や、カードサイズの
コンピューターや、さまざまな文明の利器を手ばなさすことなく、
澄んだ空気、豊かな熱帯雨林、清浄な飲料水、安定した気候を
手にすることはできない。われわれの世代はどちらかを選べるが、
両方は選べない。人類は選択を迫られている。どちらを選んだとしても、
なんらかの痛みを引きうけることになる。便利な小道具か、それとも
自然環境か。選択をまちがえれば、次の世代は両方を失うかもしれない。
「読後感」
お金を使わずに生きる、そんなタイトルにひかれ、読んだ本だが、
お金を使って生きていることの反省にもなったし、自分自身も
環境破壊の加害者 であることを更に自覚させられた。
いずれは自給自足の生活を、という思いがこの本を通して、
一層強くなった。
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アイルランドで本当にお金を使わずに1年間過ごしたマーク・ボイル氏。
極端な生活のなかで、共感できる部分も多々あり、いろんな考え方が出来、行動ができる。
面白い本。
「この世は遊園地の乗り物にすぎない」
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すごい。1年お金使わず生活した人の体験記。こういう生活したいとはまったく思わないけど、見直したいな。無駄をなくしたい。なんでも、モノは大事にしたい。
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12/03/20
本を読んでて、田舎で暮らしていた祖母の生活を思い出す。現代の社会を考え直すには凄く良い本だが、数十年前までは日本も田舎では地域社会にねずいた暮らしをしていたと感じ、カネなし生活自体に目新しさは少ない。今やテレビでどこかの工場の生産ラインが日々取り上げられるのに象徴されるように随分変わってしまっているなぁと実感。ただ他国との軍事問題を考えると、この効率化社会は必要であると思う。
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フリーエコノミー・コミュニティーの主催者が、お金を地域住民や自然環境とのリアルな関係に置き換える今日的方法を考え、金なし生活を一年間実践する。
「なんとか生きられる」ではなく「豊かに暮らせる」ことを証明する事が目的の一つだという。
著者は持続可能な世界を考えるうちに、消費者と消費される物との間の断絶に思い至る。
「お金」という道具が日常的な買い物の中に潜む破壊的なものを見えなくしている。
石油によって現代人の生活が成り立っていることを見えなくしている・・・など。
「オフグリッド(送電網の外)」の生活とは、照明、暖房、調理、通信に使うエネルギーを自力で作り出し、自分の出したゴミも自家処理することを意味する。
このようなスローでオフグリッドな生活には時間がかかるのだ。
太陽光発電・携帯・PCなど近代、現代の利器を活用しながらも一年間のフリーエコノミーを実践する話。
ガンジー、森の生活(ソロー)、シューマッハなどとも思想的に関連するそうだ。
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無買デーからの一年間、金無し生活を実践した著者。バーゲンに押し寄せて人が死ぬ時代への提言を実体験を通して伝えている本。諸行無常。しかしスゴい人だね。
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彼は、お金をつかわないけれど
自立しているし、エコしてる!!
貧しいどころかとても自由に豊かに暮らしてるようだ。
ビーガンであるのも興味深い。
このような極端なまでの暮らしはできなくとも
見習う点はいくつもあると思う。
この本を読むと気分がスカッとする。
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お金を使わないで1年間生活することを実践したアイルランド人の記録である。といっても、発信のためにネットは使っていた(ただしLinuxで)。
日本でも誰かやらないのか、あるいはすでにやっているが、企業のコマーシャルから収入を得ざるをえないマスコミがとりあげないだけなのかわからない。11月最後の土曜日の無買デーをどのくらいの人が実施するかである。
卒論で実践するというのもいいかもしれない。
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本当に求めている事は、大金持ちになって良い家、良い車、良い家具を買うことだろうか?私はお金を使わずに生きていけなそうだが、お金よりも回りの人たちを幸せにしたい。それはお金などなくても出来ることだということを再認識させられる。本を読んで終わりというのではなく、コミュニティに参加、助け合い、人と人との繋がりを大切に、またなにかできることから始めたいと思う。私の本当の希望を見失わないように、人生を変えていこうと考えさせられる作品。
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お金を介さないことで、食べ物や日々使っている物の作り手と距離が縮まります。そしてエネルギーは自然から享受することができます。お金なしに道具を貸しあうネット上のコミュニティーや、いらないものを提供し、欲しいものをもらうことのできるフリーサイクルのしくみが紹介されていて興味がわきました。
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一年間、お金を一切使わずに暮らすという、究極的に資本主義から離脱した男性の話。
やろうと思えば出来ること、ただし条件として地域コミュニティを構築して、仲間同士の助け合いが必要なのだろう。
彼も大いに仲間に助けられている側面がある。
こういう地域コミュニティがいま薄れていると思うが、コミュニティは助け合いやモノのやりくりを通じて、全体として消費を抑制する仕組みになると思うので、今それがエコとして求められているような気がした。
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これは一人のイギリス人青年が1年間『お金なし』の状態で過ごした記録を書籍化したものであります。この本を通して『物質文明』にいきることとはどういうことか?本当の『豊かさ』とは何かを教えられました。
この本を知るきっかけとなったのは、確か雑誌か何かで紹介されていたからだったと思います。内容はというと、29歳のイギリス人青年が1年もの間、お金というものを使わないで生活するというもので、正直なところ、この貨幣万能化社会で何を好き好んでこういうことをするのかいなといぶかしんで読み始めたところ、筆者のフランクにつづられる文体に引かれ、一気に読んでしまいました。
作中で彼は不用品交換で入手したトレーラーハウスに太陽光発電パネルをとりつけて自分の住まいとし、手作りのロケットストーブで調理をし、また暖を取る。歯磨き粉や石鹸などの生活用品は、なんとイカの甲を乾燥させたものや植物、廃材などから完全ハンドメイドで作成し、「衣食住」と俗に言うくらい必要だと思われる衣類は不要品交換会を主催し、そこで手に入れる。さらに移動手段は自転車をつかい、車では難なくいける距離をひた走る。野生で培われる筆者の行き方に惚れ惚れとしました。
もしも、国が転覆するなどのことが自分の身に降りかかってきた場合、こういう男が生き残っていけるのではないかと思ってしまいました。しかし、そういいことばかりではなく、この生活を始めたために物質文明に片足を残さなくてはならぬ大学に通う彼女と別れ、
「カネなしだって恋がしたいんだよ!」
雄たけびを上げんばかりにつづっているこの言葉はまさに「魂の叫び」と呼ぶにふさわしいものであると思いました。
しかし「なぜ、生きるか?」というシンプルな命題とお金がなくともここまでできるんだ、ということを文字通り体で示した、彼の生き様を、僕は心からたたえずにはいられません。
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究極の縛りプレイ「1年間カネなしで暮らす」。資本主義とは、貨幣とは、消費とは、そして幸福とは。「カネ依存への脱却には、精神構造の変化が必要」激しく内省を促されるも、その引力からなかなか離れられない自分にジレンマ。Pay Forwardの教えはフリーエコノミーの枠外でも応用できそう。カネがもたらした変化、それは生産者の顔を見えなくした、ということ。安価な商品やエネルギーの隠れたコストの払い手に思いを馳せろ。
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ちょっと過激かな?と思う箇所もあるけど自分にもできそうだな、と思える部分もあってとても興味深く読めた。