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日本語教育と中国語を勉強していたので、共感できる部分などがあり読みやすかった。
中国から来日した主人公が、中国人ということを隠して学校生活を送っている様子は心が痛んだ。その様子や心情がリアルで、筆者が実際そういう経験をした人にインタビューをしたのだろうか。読んでいて、知り合いの中国人のことを考えたりした。
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5歳の時に母親と中国から日本へ来た恵子。母親は日本人と再婚し、日本名の恵子となったが小学校でつらい思いをした事から、高校は東京の私立高校へ通っている。自分が中国人である事を明かせない恵子。地元の日本語学校でボランティアをするようになった事から、中国人としてのアイデンティティと向き合うようになる。
日本人の外国人に対する偏見に向き合わせるストーリーなのだが、あぁと納得の終わり方という感じではなかった。で、どうなるの?みたいな…
問題提起としては良い感じかな。
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中国にルーツを持つ女の子が主人公。
ともすれば重たくなりがちな題材だけど、全体的にとてもポジティブに描かれていて、テンポよく読めました。
ぜひ、小中学生のうちに読んでもらいたいな、とおもう作品。
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2022.1.9市立図書館
主人公は一見ごくふつうの日本人女子高生だけれど、実は中国にルーツがある少女。つらい経験もしながら言葉の壁は乗り越えたけれど、別のさまざまなハードルにゆきあたる日常で、ちょっともやもやする高校生活を送りつつ、縁あって市の日本語ボランティアとしてちょっと年下の外国ルーツの子どもたちと知り合う。日本語学習の支援をしつつ、高校の方では思いがけないところから中国ルーツがあることがクラスにしれてギクシャクしたり、「ふつう」にみえた友だちが思いがけない悩みを抱えて苦しんでいたり…
舞台となっている川口自主夜間中学というのは実在するので、そこでの経験に基づいて書かれたフィクションなのだろう。物語の展開としては物足りないというか続きが気になる終わり方ではあったが、小学校高学年ぐらいからでも十分読める文章と分量で、海外ルーツの子がどのような困難や問題を感じているか、そういう人たちの居場所ではなにが大事なのかはよく伝わってくるので、ジュニア文庫などに入って気軽に読んでもらえるといいような気がする。
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日本に住む外国の方の人たちのお話でした。
日本人が使う言葉や習慣が分からない人たち。
その人の立場にならなければ分からないことを、物語を通して知ることができました。
登場人物の外国の人の名前が読みづらく、最初は何がなんだかだったのですが
読み進めるうちにその子がどんな名前で、どんな個性なのかが分かってくると楽しくなりました。
私の住む街には外国の方が多いですが、この本のおかげで先入観や思い込みが消えてきましたし、もっと知りたいなと思わせてくれました。
子供たちに是非、読ませたい本です。
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中国にルーツを持つ主人公が、日本で学生生活を送る上での葛藤や、ボランティアとして外国籍の人たちに日本語を教えて行くなかで、改めて自身と向き合い成長していく姿が、穏やかな文書でつづられています。実際にはもっと複雑な想いを抱えていたり、苦労もあるのかもしれませんが、外国にルーツを持ちながら日本の学校に通う学生の方はこれからも増えると思いますので、理解のきっかけとして、よい一冊ではないかと思います。
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本を選ぶ時にいわゆるジャケ買いのように装丁で選ぶことはある。この本もそういう風に選んだ一冊だけれども、装丁ではなく装画で。装画を担当している寺田マユミのファンなので。
いじめとか、多様性(ジェンダー関係は出てこない)とか、今時のティーンの抱えていそうな問題が一様に網羅されていて、本のジャンルで言えばヤングアダルトということになるのか。もう一歩踏み込めばもっとひりひりとする現実の嫌な部分が出てきそうなエピソードが幾つも描かれるけれど、薄皮一枚で守られた主人公の世界が大きく破綻することはなくいつの間にかエンディングを迎える。それでいいのかと思う一方、世の中幾らでも嫌なことはあるのだから、本の中でまで暗澹たる思いを味わう必要もないのかとも思う。でもヤングアダルトってそういう傷つき易い読者に自然治癒の力を思い起こさせるようなジャンルじゃない? だとしたら少しやわ過ぎる気もする。ヤングアダルトって、日本では思春期から未成年(2021年までの定義で)向けを読者層として想定しているらしいけど、元々は思春期を終えつつあるけど成人として自律し切ってもいない読者層向けってイメージ。その時期は、だいたい小さなコミュニティから卒業し都市の一員として生活し始める時期に当たる訳で、その位の年頃の時に覚える違和感みたいなものと共鳴するテーマが多いって印象だけど、いわゆるライトノベルみたいなジャンルをこのカテゴリーに含めるように変化している日本では、むしろより小さな世界に閉じこもる方向でその世代の共感を呼ぶジャンルになっている気もしないではない。ポラリスからの連想だとむしろ「変わらない」ことに価値を置いているのかなとも読めてしまうし。まあ、そんな風に要約しても何もわかる訳ではないけれど。
人と価値観が異なることに対する恐れみたいなものが世代を問わず日本という社会の中ではびこる病なのだとすれば、ここに登場する人物たちは誰もがその恐れをすんなりと克服していく。それはそれでいいとは思うけれど、話の展開がかつての道徳の教科書や昔の「みんななかよし」(♪口笛吹いて~。で脇道に逸れるけど、知らない子はもういない、の解釈が分れるってところが問題の根の深さだよね)のようで、共鳴できる周波数が余りない。それは単に年をとったからというより、今どきの子供たちが早くから都市化(何でも思い通りになるという原則の)社会に取り込まれてしまうこととの乖離なのかなあ、とぼんやり思う。
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地元を離れた高校に進学した吉田恵子は、自分の家庭のことを知られないように気をつけていた。恵子は、中国で中国人の両親のもとに生まれ、5歳のとき離婚とともに母に連れられて日本に来た。小学3年生のとき母親が日本人と再婚したため、吉田恵子の名前を得たが、中国人ということと、日本語が下手なことからいじめの標的となってしまったのだ。猛特訓の末、ネイティブと遜色ない会話力を手に入れたが、新しい友人たちに中国ルーツを明かす危険は犯せなかった。
恵子はコンビニのバイト中絡まれて困っているところを大学院生幸太郎に助けられた。その時幸太郎に誘われた恵子は、青葉自主夜間中学を訪ねる。そこには、中国やベトナムから来た同年代の少年少女がいた。日本語習得に苦労する姿にかつての自分を重ね合わせた恵子は、そこで教えることにする。
自分のアイデンティティに悩む少女が、境遇の違いはあっても皆悩んでいることに気づき、前向きになっていくようすを恵子自身の言葉で語る物語。
*******ここからはネタバレ
読点の多い文章とイマドキの言葉の羅列に読みにくさを感じましたが、実際はサラッと読める平易な本です。
でも、「ズッ友」なんて若者言葉が出てくるのに、タピオカドリンクのお店は「喫茶店」なのには笑ってしまいました(笑)。
外国人差別される気持ちがよくわかる作品ですが、全体的に物事が簡単に進みすぎる印象を受けました。
コンビニで助けてくれた人が自宅まで送ってくれるとか(送り狼の可能性はなかったのか?)、
そこで夜間中学に誘うとか(高校生なのに親に説明しなくてもいいのか?)、
誘われてひとりで夜間中学に行ってしまうとか(騙される危険はなかったのか?)、
さっさとその場で教師役を引き受けてしまうとか(高校生でバイトもしているんなら忙しいのではないか?)。
5歳で日本に来て、母国語を忘れていないのはすごいですよね。家庭で毎日使っているからでしょうか。
私の知り合いの留学生の子どもたち(両親ともインドネシア人やマレーシア人)は、小学生だと1年ぐらいで方言もネイティブレベルになっていたので恵子の日本語の苦労に驚きましたが、家庭環境の違いなんですかね。
日本語スピーチコンテストから恵子の恋愛までいろいろ盛りだくさんに出てくるのですが、どれもサラッと書かれているので、薄っぺらい印象も持ちました。
タイトルの「ポラリス」は北極星のこと。
恵子が祖母からもらった北極星のブローチと指針の意味を指しているのだと思いますが、読者が「ポラリス」と「北極星」を結び付けられているのかは疑問。
「境界の……」は、きっとマンガとNHKアニメの「境界のRINNE」の「半々」という感じを表したものだと思いますが、文中に「どっちつかず」や「半々」っぽい表現あっても、「境界」っぽいものは出てこないですね。
表紙絵も疑問。恵子のはメガネをかけているはずなのですが、それがないですね。まあメガネについて触れているのは最初の一箇所だけなので、スルーしてしまいがちですけど。
K-popや韓流も出てきました。
確かに、韓流ブームで日本人の韓国に対する認識は大きく変わりましたからね。ここでタイ人のBLACKPINKのリサを出したのは、話をグローバルにする狙いだったのでしょうか(笑)。
本当に平易で短いので、関心があるのなら小学校中学年からでも読めます。
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中国(上海)生まれ日本育ちの高校生が主人公。
小学校や中学校に中国、東南アジアなどの外国出身がいることが普通になってきた今の時代ならではの視点にたった小説。
日本人として、日本で生まれ、育った人には持ち得ない悩みや苦労、それを乗り越えた喜びなどが描かれていてよい小説だと思った。
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複雑で困難な家庭環境に生まれ、自ら望んだわけでないが、単一民族国家の日本で多感な幼少期、思春期を暮らすことになった子どもたち。日本の学校生活に馴染むための苦労と葛藤が子どもの視点で丁寧に描かれている。
日本人以上に「日本人」を意識し、「日本人として上手く生きる」ことと「外国人である自分」とのアイデンティティのはざまで声を挙げることなく、誰かに簡単に共有することもできない孤独な子ども目線の苦労を想像することができた。
在留外国人の方は最近とても増えたし、子どもたちのクラスメイトにも増えた。今後も増えるだろう。人は誰しも社会を構成する一人として、個人として尊重されるべきだと思ってたはずなのに、外国人というだけで、「所詮わかり合えない」となんとなく整理している自分に気づいた。
外国籍の子どもたちも伸び伸び暮らせる社会にするためにまずは自分が対応するときの意識を変えてみよう。相手の気持を想像してみよう、子どもに伝えてみようと思う
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日本語ぺらぺらの女子高生。実は中国人だってバレた途端になんとなくよそよそしくなるクラスメートたち。
自分の中の軸を確かめながら一歩一歩進んでいく。読みやすい。