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安楽死させられる競走馬を救おうとする話。ただそれを実行しようとした時の主人公たちの取捨選択が心に響く。心が疲れた時、何かを諦めかけている時に読み直したい。
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故障した競走馬のトゥデイとその騎手である欠陥アンドロイドのコリーはともに廃棄予定だが、出会った少女たちとコリーはトゥデイをもう一度走らせようと奮闘する。
透明感のある美しいお話でした。また、使い捨ての消費社会、経済動物問題、障害者問題など、多くの社会問題について考えさせられる本でもありました。
お隣の国ながら、うっすらとしかその内実を知らない韓国、そこでも日本と同じような社会問題があるのだなあ、と知りました。主人公の一人がポリオだったりしたこともあるのか(おそらく日本では根絶。韓国でも相当少ないのじゃないかと思うのですが、よくわかりません)、何となくレトロフューチャー漂う世界観で透明感のある秋の空気が感じられる文章で、切ない雰囲気がよかったです。
韓国のSFというのはまたあまり出会いがないのですが、近年の中国発SFと同じように盛り上がってきているのでしょうか。いろんな国のいろんなSFが読めるといいな。
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感涙必須。
まず、人間、動物の生きている・幸せであることをその振動で感じるヒューマノイドというのが自分にとって新しい見方で興味をひかれて。
そのコリーの素直な質問や意表をつく切返し、空を見上げるシーンや馬のトゥデイを想っての行動、すべてが愛しく感じられ、最期は彼らしいと思うぐらい優しい存在。
止まった時間・止められてしまいそうな時間を流れさせるためにはどうすればいい?
"ゆっくり走る練習が必要だ"
馬のことだけでなく登場人物すべてにかかることで、劇的ではないけれど停滞していた状態から動き出す様に、きらきら輝くもの(コリー風にいうと振動があるってことかな)を感じました。