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何度も読みたくなるような、とても良い小説でした。
「インクルージョン」や「SDGs」というようなキーワードが浮かびますが、大きなテーマはやはり「生きることとは?」ということなんだと思います。
主人公の母親の存在が、物語に深みをもたらしています。
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最後まで読んでから冒頭を読み直し、深く息をつきました。良い物語です。掃除用ロボットにスカーフが巻き込まれているのを直す場面が好きです。
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いやー、なんだろうこれ。よかった。SF枠の青春小説とでも言うべきか。
千個の単語しか知らないロボットのコリー。この切なさはなんだ。小さい小さいSFの中に、悲しみとか暖かさとか切なさとかがたくさん詰まっている。
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競馬を走る馬トゥデイと騎手であるロボットのコリー、そして周囲の人々の青春SF小説。 日本の読者のみなさまへ、でデジモンがでていて気を引かれてしまった。 無限大な夢の後。現実と、愛しさと恋しさの物語だったなぁ。(書きたかっただけ) 夢を諦めかけていたヨンジェ、車椅子に乗っている姉ウネ、夫を亡くした母ボギョン、友人ジス。みんなが悩みを抱えて、それでも生きている。どうしようもなく現実で、そこにある美しさを描く物語だなぁ、と思った。 後書きの“わたしたちはみんな、ゆっくり走る練習が必要だ”という言葉が印象的。
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もう、めっちゃよかった。大事に、時間をかけて読んだのだけど、ずっと良い。
近未来。騎手ヒューマノイドとして生まれたコリーと、相棒の競走馬トゥデイ。コリーは、ちょっとしたミス?から他のヒューマノイドとは違う感覚、感情を持っている。ある日、コリーは、空を見てた、という理由で落馬、トゥデイも脚を故障したために安楽死、処分されることが決まってしまう。そこに、ヨンジェ、ウネの姉妹、姉妹の母ポキョン、友人のジス等の出会いがあり…。
めっちゃおすすめ、みんな読んで。
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韓国科学文学賞を取った作品。人に変わってヒューマノイドが様々な仕事をする近未来が舞台だけれど、生きていく中で普遍的な生活のこと、家族や周りとのすれ違いや葛藤が丁寧にやさしく描かれていてとても読みやすいSFだった。
わたしたちはみんな、ゆっくり走る練習が必要だ。
とくに高みを目指しているわけではない私でも、日々にいろんな事を詰め込んだりあくせくと生きている。
いつか伝わると思って、理解してほしいと思って、言葉にしてこなかった言葉もいくつあるだろう。
小児麻痺で車椅子ユーザーのウネの心情から、人に優しくすることの難しさを知る。
求められる以上に助けの手を出したり、同情することはとても残酷だけど、やってしまいがちな気がする…。
コリーのようなヒューマノイドがそばにいたらいいな。
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科学の発展によって多くの人がより便利に、安全に暮らせるようになった近未来。
しかし車椅子で出歩く不自由さは全然解消されず、後回しにされたまま。
物理的な危険や不便さに加えて、善意の人々に対して丁寧に対応しないといけない精神的負担もある。
この進歩のなさ、最悪だけどすごく現実味を感じる。
社会が声を聞いていない。
ミスから生まれた人間味のあるヒューマノイド、コリー。
子どものような純粋さで、命について、感情について、空について問う。
「人間味のある」って言葉以外だと、何だろう。「優しい」かな。
相手の言葉を遮らずに聞くのは、人間の命令に従うロボットだから当たり前なんだけど、その尊重されてる感じに救われる。
言葉を多く知っていることよりも、相手の声を聞いて、丸ごと見つめることの方がずっと重要。
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本を読んで泣いたのは久しぶりで、本当にいい本に出会えてよかった。
障がい者を「弱く支援が必要な人」と決めつけるのではなく、すでに強く自由であり、その人たちがより自由に生きられるように社会側が変わるべきだというメッセージをしっかりと受け止めて忘れずにいたい。
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とても良かった。
訳文とは思えないほどに、美文がそこかしこに。
素晴らしい翻訳になんかもうありがとう…と思いつつ読んだ。
SFだけど純文学的で、でもSFだから成り立つ物語。
そのバランスがとてもよかった。
他の作品も読んでみたいな。
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韓国の小説は初めて読みました。
青が好きだから表紙の爽やかと
タイトルに惹かれて読んだ作品です。
想像力が乏しいのか、名前とどんな人物像かが一致するまで時間がかかりました。笑
でも読むにつれて引き込まれていきます。
みんなが命のために一生懸命になっていく
過程が素敵でした。
(コリーはロボットだから命という
表現ではないかな。笑)
コリーは純粋な子どものように素直で心が綺麗で、
愛される存在だなぁと。
いつもその場にいてくれて、
理解しようとする言葉をくれて。。
もはや人間だから、動物だからっていう括りすら
取っ払う存在だなぁって思ってしまいました。
人間って色んな感情があるからこそ
生きづらさもあるけど、
感じられるからこその幸せも
たくさんあるんだなぁって。
幸せを感じるために、ゆっくり走ること。
今と向き合ってを生きること。
覚えていたい文章がありすぎる
素敵や作品でした〜
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幸せとは〜のシーンがめちゃくちゃ刺さって
涙が出そうになった。
図書館で借りたけど、自分用に購入しようと思った作品。
作者がデジモンの話をしてて親近感。
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完全に他人事ではないだけに、感情がむちゃくちゃに揺さぶられるようで、何度も叫びそうになった。「わたし」が良い読書をしたとは、いまはいえない。けれど、登場する人びとの痛みと、それから希望を丸ごと抱き締めたいような気持ちになった。
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SFはあまり読まないので新鮮でしたが、内容的に良い児童書として子どもにも勧められると思います。
ロボット(ヒューマノイド)が騎手として馬に乗る競馬が行われている世界で、人間の生死、動物の生死、ロボットの生死について軽すぎず重すぎず上手く書かれていると思いました。
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安楽死させられる競走馬を救おうとする話。ただそれを実行しようとした時の主人公たちの取捨選択が心に響く。心が疲れた時、何かを諦めかけている時に読み直したい。
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故障した競走馬のトゥデイとその騎手である欠陥アンドロイドのコリーはともに廃棄予定だが、出会った少女たちとコリーはトゥデイをもう一度走らせようと奮闘する。
透明感のある美しいお話でした。また、使い捨ての消費社会、経済動物問題、障害者問題など、多くの社会問題について考えさせられる本でもありました。
お隣の国ながら、うっすらとしかその内実を知らない韓国、そこでも日本と同じような社会問題があるのだなあ、と知りました。主人公の一人がポリオだったりしたこともあるのか(おそらく日本では根絶。韓国でも相当少ないのじゃないかと思うのですが、よくわかりません)、何となくレトロフューチャー漂う世界観で透明感のある秋の空気が感じられる文章で、切ない雰囲気がよかったです。
韓国のSFというのはまたあまり出会いがないのですが、近年の中国発SFと同じように盛り上がってきているのでしょうか。いろんな国のいろんなSFが読めるといいな。