紙の本
本を読む生活、 ただ生きるのではなく、何かに憧れつつ生きる。
2023/12/11 19:05
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:佐々木 なおこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
「読書は僕たちをグーグルマップにする」
著者の苫野さんは大学で学生によくこう話されるそうです。
そうして、
「とにかく大量の読書経験を積んでみてほしい。(中略)
そうすれば、ある日突然、自分がグーグルマップになって、
摩天楼群を真上から見下ろし、入り組んだ迷路の全体像がみえてくるから、」
と、続きます。
なんて魅力的!
「大量の読書経験を積めば、世界の見え方がまるで変ってしまう、と。
『教養を積む』とは、そういうことです。」
このきっぱりの言い方にしびれます。
そうか、そうか、
本を読むことはこんなに魅力的なのか!
読書の効用から、
読書の方法、
読書後のまとめ方、読書ノートの作り方まで、
思わず書き留めたくなるワードがちりばめられ、分かりやすくまとめられた一冊です。
例えば、
クモの巣電流流し、
ヘウレーカ、
言葉をためる、
などなど。
私が読みながら大共感したのは、ここです。
「わたしたちが見ている世界などこの世のごくわずかです。
いまの自分にはとても見通せないけれど、
いつかは手が届くかもしれない世界があると知ることは、
わたしたちの人生をきっと豊かにしてくれるにちがいありません。」
そして、続きます。
「ただ生きるのではなく、何かに憧れつつ生きる。」
まさに、これ!
読書とは、本を読み、教養を積み、言葉をためることは
生き方を変えるのです。
このちくまQブックスは
中高生をはじめ若い人たち向けの本ではありますが、
どの世代にも響くと、私は思いました。
そして、一冊の本には、著者だけでなく、編集者さんの思いもまたたっぷり詰まっている。
このことも深く心に刻みながら、本を読もうと思うのでした。
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学生向けに簡単に書かれている本だった。
その分読書を通して得られるものなどがわかりやすく表現されていた。
◯自分の人生を導いてくれるマップを手に入れること
◯知の構造を手に入れる
梅棹忠夫
知的生産の技術
竹田青嗣
中学生からの哲学超入門
ゲーテ 竹山道雄訳
若きウェルテルの悩み
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知のグーグルマップを手に入れるための、最短最速の方法は、特別なテクニックではなかった。まさに「学問に王道なし」
著者の師匠である竹田青嗣先生の
「哲学、経済学、社会学、人類学、歴史学、その他諸々、とにかく、全部読むんだ。」
という言葉が全てを語っている。
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〈自分だけの「グーグルマップ」をつくろう!〉
哲学者・教育学者である筆者が、自身の経験を混じえながら、(主に専門書や実用書の)読書の良さや読書術について記している一冊。
筆者は、膨大な量の読書量によって、自分の中に「グーグルマップ」をつくることができると言っています。つまり、知識や物事を上から見下ろし、目的地までの道順を知ることができるようになるということです。
そして「クモの巣電流流し」が起こる瞬間があると。
「クモの巣電流流し」とは何でしょうか?このことについて、以下のように書いています。
"クモの巣電流流し?
聞きなれない言葉だと思いますが、これは文字どおり、頭の中に"教養"のウェブ、つまりクモの巣状の知のネットワークを張り巡らせ、そこに"閃き"の電流を流すことです。"(p.14)
読書を通じて、知識を蓄え、結びつけて知のネットワークを張り巡らせることで、閃きが起こる瞬間があるということです。
私自身、これまでの読書経験を通して、筆者の言う「クモの巣電流流し」が起こったことは何回かありました。一見無関係の物事が自分の頭の中で結びつき、まさに電流が走った如く閃く時がありました。おそらく、読書経験を積んだ方なら似たような経験はあるかと思います。
筆者は読書によって「言葉をためる」ことができると言っています。
自分の気持ちや考えを相手に正確に伝えるために、たくさんの言葉をためる必要があるということです。
他には読書術として「投網漁法を経て一本釣り漁法へ」、「信念補強型読書より信念検証型読書をしよう」と紹介されています。
例えをうまくつかっているので、読書術として分かりやすいです。
苫野さん自身の読書経験や師匠の竹田青嗣氏の言葉、その他哲学者などの言葉を引用しながら説明しているので、イメージもしやすいと思います。
「ちくまQブックス」シリーズは10代のノンフィクション読書のために立ち上げられたレーベルで、二色刷りでイラストが多数のため、他の本も読みやすいです。
自分の関心のある分野について知のネットワークを広げる手段が載っているオススメの一冊です。
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#未来のきみを変える読書術
#ちくまQブックス #苫野一徳
哲学者苫野一徳さんの本。ご自身の豊富な読書経験からか、「レジュメを作るのに値しない本」と表現されていたのにはひっかかった。どの本もきっと作り手が一生懸命世の中に送り出したものなのに。価値を決めるのは個人。これが一般化のワナ?
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多種多様な読書術本が出版されているが、本書が最も本を読みたくなる読書術本だと感じた。
読書の効用と方法が中高生向けに平易に書かれているが、内容は社会人にとっても非常に重要だと思う。
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中高生にこの本を読ませるのは勿体無い!
むしろもっと対象を広げて大人でも、社会人でも本を読まない事を自慢している全ての方に読んでもらいたい!
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〇児童・生徒や読書から離れてしまった先生に伝えたいなあということが言語化されてた
〇読書会のレジュメ作りは参考になる。これからは作ろう…。いつも、喋ってる間に訳がわからなくなってたから…。読書会…。
〇違いますねん。ホントは一冊ずつゆっくり読みたいですねん。でも、職業柄数もこなさんとあきませんねん。いつかゆっくり読める日まで!
でも、読みたい本も 読み返したい本も 多いし…悩ましい
・読書はぼくたちをグーグルマップにする
大量の読書経験が、自分の中に自分専用のグーグルマップを作る
自分の人生を導いてくれるマップ
→教養を積む
●読書の効用
クモの巣電流流し
教養のクモの巣
知識のチャンク化
知のネットワークを編む
→私たちの興味や関心や問題意識
境界を突破する
←壁を作らない、取っ払う
“豊かな経験”
→読書も経験の1つ
直接経験の世界を読書によってひろげることかできる
一般化のワナ
→読書で一般化の壁を壊す
→読書経験は自分が無知であること、未知に取り囲まれていることを知る体験
十分な語彙を持つことで、異なる他者との間により深い了解関係を築ける可能性が高まる
ネットじゃだめなの?
著者と編集者との戦い:本
文章は練り上げていく
ネットだと知の構造を手に入れることは難しい
構造をとらえる
※哲学書の読み方
1著者の問いは何か
2どのような方法でその問いを解こうとしているか
3答えは何か
市民としての読書…民主主義社会の担い手として
●読書の方法
投網漁法から一本釣り漁法へ
読書会
図書の先生の活用
知識は雪だるま式に増える
速読と精読(スロー・リーディング)
文学との出会い
読書を習慣に
信念補強型の読書と信念検証型の読書
欲望・関心相関性の原理
様々な解釈・考えを持つ人通しの共通了解の可能性
絶対的な本の解釈はない
著者の思惑を超えることも
●レジュメ(読書ノート)の作り方
ノートに記録することで、本のエッセンシャルオイルを記憶に定着させる
一冊丸ごとのレジュメ
全体像が分かるように、骨格を浮かび上がらせる
読み終えてから作る
電子書籍や電子ペーパーを活用する
☆成長の欲望を燃え上がらせろ
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読書経験を積むことでできる俯瞰して見える感覚を、グーグルマップと表現しています。
ものなどの財産は奪われることがあっても、知性は奪われないですからね。
基本は高校生向けなので表現は丁寧で、わかりやすい表現でサクサク読める。
厚さも薄いので、1日あれば読み切れました。
私はほどほど本を読みますが、自分の部下は読まない人が多数派。
この本に書いてあった「ネットじゃダメなの?」という考え方は強そう。
部下にも本を読んで欲しいのですが、なかなか改善されず。。
この説明なら興味を持ってもらえそう。
読書は何歳になっても豊かにしてくれるものですが、この本を渡して本を読んでもらうなら20代までかな。
https://jinseilog.com/chikumaqbooksreading/
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【子どもから大人まで】
著者の作品はどれも読みやすく、わかりやすくものが多い。その中でも本書は、中高生向けなので、より読みやすい。
読書がなぜ必要なのか。
読書の仕方や、読書ノートの勧めなど。
面白そうなものはチャレンジしてみるのもいい。
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図書館で借りてきた本、子供向け。
「なぜ本を読むのか」という副題がついている。
私自身はそれが楽しいからに尽きるが、本書では知識を得る楽しみ的な結論。
まぁ、知識欲を満たすという楽しみはあるが、小説などはまた違うのではないか。
「なぜ本を読むのか」に関してはむしろ小説家の桜庭一樹の答え、「それが快楽である」の方がしっくりくる。
小説だけでなくたまには実利的な本も読もうと思いました。
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なぜ本を読むのか、本を読むと自分にどんなことが起こるのか、どんなふうに読むのか、そんな問いにこたえてくれる一冊。本を読むと広い視野を持つことができる。本を読んで“言葉をためて“いくと、他者との間に深い了解関係が生まれる。進みたい道へ自由に歩き出すために、本を読もう。司書の活用法もありますよ。
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中高生向けの読書術であったが、逆に優しく読めた。
私も、読書ノートはつくっているが、手書きかWordかで迷っている時期であったため、これからもWordでレジュメ作成しようとおもう。
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読みやすかったです。
電流蜘蛛の巣流し、確かにあるなぁと思いました。今後、それがまた起きるような読書を続けていきます。
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初挑戦のQシリーズ。でもこれ、プリマーとの住み分けは?それよりも更に読み易く、ってことかな。短いし、イラストもふんだんに使われているし、確かに読み易いことは間違いない。まずは自分の好物たる読書論を読んでみたけど、本シリーズの他作品にも是非あたってみよう。