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「ひきこもり」支援の現在:
「ひきこもり」の支援における当事者不在
当事者は支援についてどう考えているのか
「支援(者)臭」のする人
調査者としての経験から得たこと:
調査における二つの難問
「ひきこもり」の当事者とは誰のことか
「ひきこもり」をどう定義するか
〈聴くこと〉から支援を掘り下げるための五つの論点:
当事者に対する否定的感情との向き合い方
支援における共感・受容の落とし穴
〈聴くこと〉はどこから始まるのか
「分かる」とはどういうことか──私が目指している「理解」
当事者の声を〈聴くこと〉は支援になるのか
〈語れなさ〉と向き合うⅠ:
「ひきこもり」を支援することの正当性
「本音」と「言い訳」を聞き分けることはできるのか
〈語れなさ〉と向き合うⅡ:
話の通じなさがもたらす不安
支援の現場で生じる排除
支援論─フラットな関係を目指して:
なぜ当事者の声は軽く扱われるのか
「あなたのために」の怖さ
「ひきこもり」の支援は不信に根ざしている?
フラットに付き合う─「同じ」と「違う」が無効化される地平
居場所論─フラットなお付き合いのための一提案:
居場所は社会復帰のための通過点ではない
雑多であることの魅力
みんなで居心地のいい空間を作る
場をともに作るパートナーとして付き合う
コロナ禍のもとの「巣ごもり生活」と「ひきこもり」は同じか?
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『聴く』とは、なんと尊い行為であろうか!
聴くとは、生きることそのものである。
そんな事に気付かせてくれた、宝物の本。
我々は、「語れなさ」と「聴かれなさ」により、
孤独を感じる。
存在論的不安、つまり自分はここにいるのだろうか
という不安は、語れなさと聴かれなさにより、
解消される。
しかし、この語れなさと聴かれなさの解消は、
困難な試みだ。生きることが困難なのと同じくらい。
何かを目的に対話をするのではなく、
対話そのものに幸せがある、という
著者の言葉に心を奪われた。
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私は「ひきこもり」当事者側だ。とても良かった。こんな方が世の中に存在するのかとビックリした。もちろん沢山同じ様に活動研究されてる方は沢山いるだろうけれど、こういった本を読んだのは初めてだったので衝撃だった。
こういう人が居てくれるのだなと思うと、今この現実の世界も悪くないかもしれないと思わせてくれた。
また、石川さんという人自体もすごい人だなと思う。違和感を感じたら、考え方や物の見方を変えることができる。私には出来ないことなのでとても凄いなと素直に思った。こんなふうに考え方や見方を柔軟に変えていけたら(簡単ではないとおもうが)、生きていきやすくなるんだろうと思った。
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筆者自身が「引きこもり」の人たちに関わり葛藤をしてきた経緯が痛いほどわかる。その中で深いところまで関わっているからこそ、「引きこもりの本質」は生きることや自分の存在に対する確認の揺らぎと、言えるのだろう。「8050」問題など「引きこもり」は社会問題になっているが、専門家は少ない。著者は「研究者」と何度も繰り返し言っているが、気鋭の実践家とも言えると思う。