碧野 圭 さん初読み
2022/01/23 18:45
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:あけみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
文庫のコーナー行けば、書店ガール等の代表作が平積みされているのを見たことがるが、読みたいけど我慢していた作家のひとり。何気なく本屋で手に取り購入した。
登場人物の発言に共感できることも多く、ストレスなくあっという間に読めました。もう一人の女性課長の岡村さんや女性部長の木ノ内さんの視点での物語も読んでみたいし、企画も深く知りたいなぁと感じた。少々物足りない気持ちもあった。
面白かったので書店ガールも含めて、何作か読んでみようという気持ちになりました。
投稿元:
レビューを見る
管理課課長だった駒子と同期岡村はともに女性初で新規事業部の次長に昇進し、半年後の部長の座を巡り競わされる。会社に仕組まれた方針なのにまわりから陰口を叩かれ、やり手の岡村に押されながら、試行錯誤して売り上げ向上に向けて難題に取り組む。家族内の揉めごとも起き。
なんでそうなる?なんでそう思われる?なんでそう言われる?正しいことを言って、行っているのに。
似た思いを抱くことがあり、ただただ駒子の葛藤が刺さる。。でも、なんとなく理由もわかった気がする。
投稿元:
レビューを見る
駒子さんは42歳、出版社の管理課長。専業主夫の夫と高校生の娘の三人家族。
会社での立ち位置、家族の中での立ち場。その過ごし方に様々な事が起こってきて、向き合わざるを得なくなる。
夫の復職に娘の学校問題、自身の働き方も含めて。
さて彼女が選んでいく道はどんな道かな
投稿元:
レビューを見る
女性管理職が主人公ってことでフォーカスされると思うけど、駒子さんが思って行動したことは老若男女関係なく見習うべきよな〜〜
投稿元:
レビューを見る
日々の大変なことに圧倒されて、見失いがちになる、女性管理職の仕事をがんばる意義。未来の女性や社会の役に立つはずなのよね。というのを、わくわく楽しい且つ心動かされるストーリーで思い出させてくれる。
3割を超えると意見が反映されるようになる、ってジェンダー以外でもそうだなと思うことがあって、納得。
投稿元:
レビューを見る
ジェンダーギャップをテーマにしてそうだなー男の私には頭が痛い話なのかなー、と読み始める前は心配でした。
けれど、読み進めていくと男・女に限らず、仕事や私生活において考え方の違う人同士、どのように歩み寄って前に進んでいくか、というのが主軸では?と考えるようになりました。特に仕事に対するモチベーションの違いというのは、多くの人が仕事場で体験する悩ましいことなのではと思います。
読んでいて思ったのは「もう少しお前ら歩み寄れよ」という考えですかね? あるいは「相手の状況も考えてあげて」でしょうか。仕事を再開した達彦と駒子さんが家庭内のことでぶつかり合うような場面は、だいたい自分のエゴを相手に押し付けていることが多かったので、そのように思いました。
現実世界でもあるあるなシチュエーションだったので、そうした点で共感することが多かったです。あと、図らずも出世させられるという状況も気持ちがよくわかりますので(笑)、その点も個人的にツボでした。
そんな風に読んでいたので、解説がジェンダーギャップ激推しの内容だったのがとても残念に思いました。
投稿元:
レビューを見る
働くお母さんって本当にいろんな苦労をしているのだろう、とつくづく思う。
出版社勤務42歳駒子さんは課長職。夫はフリーのカメラマンで現在は家事育児を受け持つ専業主夫。
同期の同僚と「部長職」をかけて競わされることになったことから始まるあれこれ。
いやぁ、出版社ってマッチョだなぁ。セクハラパワハラがんがん降ってくる。しかもそれに対しての意識低いし。
そんななかで子育てしながらばりばり働いてる女性たち、すごいよねと尊敬のまなざし。
孤立無援と思われた駒子さんの状況が少しずつ好転していくのが心地よい。娘の挫折不登校も夫がグッジョブナイスフォロー。
けど専業主夫が再び仕事を始めるところとか、これ、妻によくあることだけど。その時に「家事に支障を来さないこと」とか「家の事おろそかにしないこと」とかそういう条件つけられたりするわけよね。でも「夫」だとそれを言えなくなるの、ほんとおかしい。やってきたことは男でも女でも同じなのに。
そういう「理不尽」と戦い続ける駒子さん、カッコいい。本気で応援したくなる。読みながら何人かの働くお母さんの顔が浮かぶ。みんな頑張れ!無理せず頑張れ!
投稿元:
レビューを見る
出版社で働く水上駒子は、専業主夫の達彦と高校生の息子の櫂と3人家族。ある日、同期の岡村と2人で部長に呼ばれた。新規事業を立ち上げ、2人を次長にし、実績を残したほうを新規事業の部長にするというのだ。同期の岡村は電子書籍や海外へ向けた事業を担当し、駒子の担当は自費出版の拡大だった。新規事業のメンバーも一癖も二癖もある社員で、駒子は頭を悩ませていると専業主夫をしていた達彦が仕事を再開したいと言い出し…
新しい部署は駒子さんの頭を悩ませることばかり。男尊女卑の考え方が消えず、今まで通りのやり方を押し通そうとするお荷物部署の編集長。人材不足で新しい人が欲しくても「そちらに行っても何をすればいいのか分からない」と断れるし、もう駒子さん本当に大変。
一緒に次長になった岡村さんに言われた「覚悟が足りない」という言葉。少し自分にも響いた。駒子さんほどの出世ではなく、ただの異動だけど「異動になった」という状況に嘆くばかりで、そこの部署でやっていくという覚悟が足りなかったんだなと思った。
駒子さんの頭を悩ませるのは、会社だけじゃなくて家庭内もゴタゴタしてくる。専業主夫だった達彦の仕事の再開。主婦の仕事再開と全く同じ状況になってるけど、これって男女が逆転しても同じなんだなと思った。それだけじゃなくて、息子の櫂くんとの関係など色んなことが「よくある話」になんだよ。女が家庭を支えようが、男が家庭を支えようが結果は同じなんだなと。
はーでも、駒子さんみたいな上司はいいだろうな。仕事もやりやすいし、羨ましいな。女性の管理職って大変だと思う。男からも嫉妬され、女からも敵意を受けて。でみ、駒子さんならやってくれるはずだ。
2022.5.24 読了
投稿元:
レビューを見る
出版社で働く管理職の女性のお仕事小説
タイトル通り、主人公の水上駒子さんは管理課の課長のままさほど出世したくないのに新事業部の次長に昇進し、同じく昇進した女性次長と1年後の部長のポストを争わされる
また、家庭では完璧に家事をこなしていた専業主婦の夫が仕事を再開したり、高校生の娘の様子がおかしかったり……
社内に蔓延する噂話や陰口、パワハラ、セクハラ、男社会のやっかみ、伝統を笠に旧態依然とした保守的な社員等々様々な問題の中で駒子さんはどうするのか?
ちゃんとした大きい会社は大変ですねぇと思ってしまう
部署間のあれこれや、出世欲の強い人達の足の引っ張り合いなんて、もっと上の人から見たら無駄なのでは?と思うけど、上の人も出世欲の強い人で組織がそういう人を評価する体制になってたらそうなってしまうのかもね
実際問題として、管理職の女性が少ないのは出世を望む女性が相対的に少ないから結果としても少なくなっているんじゃないですかね?
作中でも駒子さんもそんなに出世したくないと思っていたように……
そう思う要因としては、出産育児によるキャリアの中断とか、家庭の事情とか、自己も含めての社会的偏見とかなので結局はジェンダー問題なんでしょうね
家庭内の家事に関しては、実体験として、炊事掃除洗濯をしても感謝されないでやるのがあたりまえという状況は辛いものがある
「そのくらい自分でやれ」と思うけど、拒否するとモラハラで精神的に責められる事を考慮して渋々やらざるを得ない辛さ
今は自分の事だけすればよいという完全自由意志によるものなのでとても楽
前の一人暮らしのときより生活の質は上がって、作業時間は増えたけど負担もそれほど増えたとは思っていない
辛い経験があったからこそなおさらそう思うのでしょうね
投稿元:
レビューを見る
人の上にたつということは
仕事自体よりも、
ほぼ周りの人との関係に心をくだくことがお仕事になるのね。
駒子さんの
公平であろうとすることが
スタッフから情をつくしても
目をかけてもらえない
ことへの不満につながっていたけど。
公平な評価もついてこないとね。
投稿元:
レビューを見る
https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-90169-5
投稿元:
レビューを見る
題名が面白くて、まあ書店ガール大好きなので必ず読むのは知ってました。展開が進んで色んなことが起きて休まず読み終えた。大会は3月だと、でもその日は来なかったと言うクダリが本物で反映されて、20世紀少年の感じで進んでいるのが印象的でした。それでも澪はメゲずに、駒子さんも出世して、偉くなる事は人のためになるって学んだと思う。長谷川さんをスカウトする話を挿し込んだのもグッとくるし、スパイしていた花田さんも課長にするとか斬新だった。同時に家族が崩壊危機の、あの返しは上手いし今度は僕の番と達彦の言葉がグッときます
投稿元:
レビューを見る
水上駒子
四十二歳。出版社の管理課課長。専業主夫の夫と高校生の娘がいる。→新規事業部の次長になる。
水上達彦
駒子の夫。専業主夫。娘が高校生になり、カメラマンの仕事を再開する。
水上澪
駒子の一人娘。高校生。サッカー部。
高橋郁也
駒子の部下。→新規事業部で岡村の部下。
井手敏郎
文芸誌『カラーズ』の編集長。駒子より三歳若い。駒子の後の管理課課長。
権藤和正
書籍事業部部長。セクハラで取締役の肩書きは外された。
有賀政徳
ミステリ文庫の副編集長。三十そこそこ。→新規事業部で岡村の部下。
松下亮
次長。
沢崎蓮
文芸一課課長。四十代後半。
花田瑠璃子
二年前に入社した新人編集者。ぱっと目立つ美人。権藤をセクハラで訴えた。
岡村あずさ
文芸三課課長。要領のいい女。駒子と同期。→新規事業部次長。
関根淳
総務部長。
中江武志
雑誌『俳句の景色』編集長→新規事業部。五十七歳。
海老原晴男
雑誌『俳句の景色』副編集長→新規事業部。五十一歳。
庄野善作
雑誌『俳句の景色』→新規事業部。契約社員。あと半年で六十歳の定年を迎える。
池端澄子
雑誌『俳句の景色』→新規事業部。契約社員。五十歳。
東山
文芸二課課長。中江の元上司。社内きっての整理下手。
木ノ内瞳子
制作部部長。五十代後半。取締役。
棚橋浩介
社長.五十二歳。通称は三代目。
沖田
コミック事業部部長。
宮園結理
駒子の二年先輩の人事課。
長谷川智樹
学術系の書籍を多く手掛け、会社で新書のシリーズを立ち上げた時の中心人物。派閥争いに敗れ、物流センターに左遷された。四十六歳。
吉田留美
雑誌事業部→新規事業部。
鈴木芽衣
澪のサッカー仲間。
森沢大輔
入社二年目。腎臓に病気があり、週三回の透析が必要。新規事業部に異動。
投稿元:
レビューを見る
出版会社の課長職にある駒子が、会社での女性社員の立場の向上に悩み、女子ながら男子サッカー部で頑張って心が折れた娘に悩み、家事が上手な主夫の達彦との関係に悩む、いまでいうとジェンダー平等がテーマになった小説。いまさらこんなテーマかと思うが、文章は読みやすくてそこそこ楽しめた。
投稿元:
レビューを見る
全く不本意にも出世したら陰で名誉男性とか呼ばれたりして目を白黒させつつ職場と家庭のあれやこれやに奔走する駒子さん。
別に男女を問わず、偉くなりたくない症候群は割と一般的になった世の中かと。逆に「何で偉くなりたいの?」って聞かれて「男はそういう生き物さ」なんて答えしか返せないような人は、やっぱり駒子さんに嫉妬するんだろうね。
みんなハッピーエンドで安心して読める一冊だけど、権藤さんは取締役降格になってもコンプライアンス意識は変わってないみたいに思えて、そこだけちょっとリアルに感じる。