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【「世界」と「歴史」を鋭く読み解く「現代最高の知性」】世界情勢を日本人向けに解説し、日本の危機は、コロナでも、経済でも、中国でもなく「直系家族の病としての少子化」だと直言する。
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文藝春秋への寄稿のコレクション。タイトル以外のテーマも盛りだくさん。人口統計をもとに、『中国が覇権国になることはあり得ない』と断じているのが印象的でした。
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筆者の専門である「家族構造」を切り口とすると、各国の社会体制や歴史を異なった視点で見れて面白かった。
例えば、資本主義はイギリスで始まり、アメリカではある種一番純粋なかたちで発展しているが、これはイギリス・アメリカで見られる「絶対核家族」(子どもが親元を離れて家族を構築する)による、個人の自由が尊重される価値観が
ベースになっている。一方、ロシアは「共同体家族」(子どもは親と一緒に住み続け、遺産相続は平等になされる)であったため、資本主義を受け入れられず共産主義となった。
確かにそのように考えると、資本主義や共産主義が発生した地域は必然だったと思わされた。
また、ソ連崩壊は、平等を行きすぎた結果、現実との歪みが生まれたのが原因で、昨今のアメリカにおけるトランプ政権誕生やイギリスにおけるブレグジットは、自由が行きすぎた結果としての保護主義への回帰と解釈できる、とのこと。
本書の構成が雑誌の連載を繋げているせいだろうが、読み進めることで議論が深まっていく感じがあまりなかったのが、少し残念。
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経済統計はうそをつくが、人口統計はうそをつかない(筆者=家族人類学者)
自然人日本人 5時からの民主主義
完璧さが長所でもあり短所
唯一の課題は人口減少
移民受け入れは多文化主義ではなく 同化主義で時間をかけて行う
高いGDPでも国内産業が空洞化した国は脆い:コロナ死者
米国
民主党 高教育水準の白人と連携するヒスパニック 黒人 米国人のリベラル
共和党 低教育水準の白人 米国人の真実
英米
資本主義をダイナミックに動かす「創造的破壊」 ←絶対核家族↔直系家族
ネーション(国民)英国の発明 →保護主義
民主主義=自民族中心主義 ←英国 プロテスタント・米国 白人社会
米国は求心力ある普遍的支配へ 日本は特権的な同盟国 ヨーロッパにおける英国
中国
人口規模大のため何にでも特化できる
内的矛盾を抱えたまま地球の重心のひとつへ
・人間の自由を重んじる社会や国が優位に立つ
・戦争は自分の力を過信するとき起る
・ポピュリズムはエリートが民衆の声を受け止めないときに台頭してくる
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筆者はソ連の崩壊とトランプ大統領の当選を「予知」していたという、人口学に詳しい歴史学者。
本書の中では、これまで世界が辿ってきたパワーバランスの変化や、現在の地政学的な問題やこれから取るべき道筋について語られる。それ自体は面白いのだけど…
このタイトルのわりに、本書の半分以上は日本以外のトピックについて語られる。タイトル詐欺!と、どうしても言いたくなる。(最近こういう本増えたよね…)
面白かったのだけど、事前の期待を(悪い意味で)裏切られたという意味で星三つ。
(書評ブログもよろしくお願いします)
https://www.everyday-book-reviews.com/entry/2022/02/15/%E3%80%90%E3%80%91%E8%80%81%E4%BA%BA%E6%94%AF%E9%85%8D%E5%9B%BD%E5%AE%B6_%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E5%8D%B1%E6%A9%9F_-_%E3%82%A8%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%88
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コロナの死亡率が保護主義的傾向の強い日本や韓国では低くて、女性の地位が高いフランスなどでは死亡率が高いとのこと。
最後の日本人女性がモテる理由など、独自の分析が面白い。
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タイトルから想像したことと内容があまりにも違って自分の頭ではなぜこのタイトルなのかついていけない。したがって面白い考え方なのにどうもしっくりこない、
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人口動態を元に国の未来を予測するトッド氏。
ユーモアを交えながらの鋭い指摘に目から鱗の連続だった。
氏の考察通り日本は先細っていくような気がしてならない。
その中でも緩やかにダウンサイジングして生活していきたいな。
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多作のエマニュエル・トッド氏の著作を、初めて読みました。トランプ大統領の話や中国の話が、切り口が新鮮で、おもしろかった。
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ソ連崩壊、トランプ勝利、イギリスのEU離脱など、歴史的変化点を見通してきた著者が、タイトルのテーマで何を訴求するのか関心をもって読み進めたが、半分肩透かしにあった。全4章構成のうち、最初の章のみであり消化不良気味である。
著者本人の問題でなく、出版社の方で、日本の現状に対するインパクトを考えた上でのタイトルであろう。その中でも、日本政府がとってきた政策が、高齢者の健康を守るために、現役世代と若者の生活に犠牲を強いている、という論舌は鋭い。
著者は決して経済や政治の専門家ではなく、人口動態や家族制度を調査する学者であるが、著者自身の専門を通した幅広い調査や深い洞察は、大変示唆に富んでいる。
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日独「直系家族」、英米「絶対核家族」など家族の在り方から、人口論、改革創造政治などに対し、向き不向きの切り口がありました。移民を受け入れ、かつ新たなレイヤーを生み出さない人口維持が強く訴えられていました。冒頭16頁、著書が会社の上司と部下が酒の席では和やかに話しているのを目にし、秘かに「日本の五時からの民主主義」と名づけ、直系家族のドイツには見当たらないものとされ、排外的と見られる日本人が自然に振る舞うポテンシャルをこんなところに見出していることを可笑しく思いました。コロナ禍ではドイツに近づいたかもしれませんが。
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歴史人口学、家族人類学というような研究を入口に、「歴史を大局的に観た上での現状認識」というような提言を重ねているフランスの学識者によるインタビューや論考や対談を集めた一冊である。なかなかに読み応えが在るのだが、同時に読み易く、素早く読了に至った。
正直に申し上げて『老人支配国家 日本の危機』という題は「やや判り悪い?」というように思った。
近年の所謂“コロナ禍”の中、日本に限らず色々な場所での混迷が見受けられる状況である。そういう辺りに焦点を合わせた内容の箇所が在る他方で、幾つかの主要な国々での様々な変化に関する考察という箇所も在る。「色々集めた」というような感だ。
「老人支配」とすれば、所謂“コロナ禍”の中で「高齢者の安全」というようなことを顧みる他方に、所謂「現役世代」に変な犠牲を強いるような様相が見受けられたのではないかという論の辺りであろうか。
そういう「色々集めた」というような感であるが故に、「纏まった一冊」としては付き合い悪いのだが、集められている各々の篇は各々に面白い。
欧州統一通貨のユーロは、実は欧州諸国を色々な意味で歪めてしまったかもしれないとする論。米国の民主党政権は「反(アンチ)」を連呼するばかりで空疎かもしれないとする論。“核兵器”という存在に関連する論。欧米諸国の色々なやっていることが中ロ接近を促し、対峙する中国を利することにしかなっていないかもしれないという論。“移民”というようなことを色々と考えてみる論。というような具合の、色々と興味深いテーマが挙げられる。
本書を読むと「歴史を学んで考える」というようなことは「こういうこと!?」というようにさえ思えた。非常に興味深いので広く御薦めしたい。
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タイトルからは「シルバー民主主義」とも揶揄されるようになってしまった日本の政治体制への批判やらが散りばめられた本かと思っていたがさにあらず。
人口学者である筆者が、家族と相続という観点から、なぜここに至ったか、これからなにを重要視して軌道修正を図るべきか、を「愛する国、日本」にたいして示唆するような内容。なぜ日本は欧米と異なるのかをアカデミックに分析されており、初めて地政学というものに触れた時並みに「目から鱗」というか、非常にタメになった。
内容が、過去の文藝春秋などへの寄稿の再録が殆どで、最新の情勢によるものではないところがやや残念ではあるが、これからも氏の研究等は気にしていきたい。
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著者の名前だけは、色んな方面で知っていたが著作を読むのは、多分初めてになる。
人口学・家族人類学という研究があるのも初めて知った。
ただ、表題につられて購入したんだが、内容は色んな雑誌記事の寄せ集めで、関係のないもの(それはそれでそれなりに価値はあった)が多かった。
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老人支配やそこから来る日本の危機、についての言及はあまりなく、西洋人から見た英米の経済、国家体制の本。少しだけ日本にも言及ありといった…。