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裏さびれた北の町、殺人を犯したと問われる過去を持つ二人の共同生活の行き着く先のどうしようもない閉塞感にいたたまれない気持ちになる。
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秘密を抱えた女と男の同居生活。世話をしているようで自分も支えられている女。なんとも不思議な空気感。震災とコロナが微妙に影を落とす。「世の中は知らない方が心穏やかに日々をやり過ごせそうなことに溢れていて、ただでさえ疲れる」連日の戦闘報道から目を背けがちの日常。
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人に言えない秘密を抱えた女と男。
息をひそめるように誰とも会話せずに生きている妙。
便利屋の忍にバイトを頼んでから、困りごとのたびに彼を呼び…
いつしか、家に泊め、だが感染を恐れるため距離をとる。
気配をうっすら感じる距離感。
微妙な空気感。
息をしているようで、生を感じられない2人の生活。
どう表現していいのかわからない、もやっとした感じがいつまでも残る。
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私には最後まで理解出来ない話だった。
ただただ暗く、救いの無い話。
明るい方に向かっていくのかと思ったらまた暗闇に落ちて行く。
難し過ぎて理解できなかった。
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救いのないような過去をもつ2人の男女が、お互いの過去を見つめ合って、奇妙な共同生活を送る普遍的なお話です。家主である妙の徹底した共同生活の
ルールには、コロナ禍で生きる人たちの葛藤が感じられました。もしも自分が感染してしまったら、周りの人たちに、どんな目線で見られるのだろうか。
地域にとっての「感染1号」は、どんな意味を持つのか、コロナ禍での生きづらさを上手く描いている
と感じました。
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地方都市にあった、コロナ禍初期の東京からの帰省者に対する差別を描き、孤独な心を引き出している。
そんな空気が感じられるからか、読んでいる間はいつも曇り空や雨が降っている気分だった。
妙と忍の孤立している2人が、お互いに干渉せずに同居するのは、それが安全だからなのか。
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誤解がひとり歩きして自分とは違う自分がさも本当のように語られる。それはいつの世にもあるのかもしれないけど、ネットが普及した今、そういうことは増えているのかもしれない。
誤解された者は誤解された者のことがわかるのだろうか。もしそうだとしたら、誤解されることは怖いけれど、そういう人が増えていくことで噂ではなく本人を見つめることのできる人が増えるのだろうか。希望的観測をもってしてみても過渡期を超えるのは辛いことだな。
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図書館借り出し
ロバート キャンベルがラジオ深夜便で紹介しててめちゃくちゃ気になってた
もうとにかく暗い
暗いのよ
すごく冷え冷えする空気が伝わってきた
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ストーリー自体は盛り上がりのあるタイプではなく、鬱々とした日常を書き出している。読み手によって受ける衝撃の度合いが異なるタイプの小説だった。何かしら脛に傷のある人じゃないと、読んでもつまらないかも。この物語の登場人物達は家族や職場、地域などのコミュニティから受け入れられなかった人々なんだと思う。それでも誰かと共にある安心を求めたから、よそよそしくても2人の生活が始まったのかな。自分が罪を犯したのではないかという不安を打ち消しながらの暮らしとそれぞれが抱える孤独、コロナ禍の生活が辛く感じられ、湊かなえよりよっぽど読後感がイヤ。
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そうだ2020年ってこういう感じだった、と思いながら読んだ。
田舎の閉塞感と新型コロナウイルスが合わさってものすごい息苦しさを感じた。
妙も忍も誤解されて人殺しだと思われてしまうが、100%自分のせいではないとは言い切れなくて苦しい思いをしている。
こうした誤解を解くのは難しい。
本間さんに関しても東京から来たというだけでウイルスを持ち込むのではないかと思われて近所の人から酷い扱いを受けてしまう。
きっと、2023年の今だったら対応はだいぶ違っただろう。
引越しのご挨拶用のお煎餅のくだりは胸を締め付けられるような思いがした。
辛くて救いようがないが現実にあることだと思った。
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人を死なせたかもしれないという傷を持つ元教師と元警備員。コロナ禍のもと、よそ者とみると露骨に蔑む田舎町の様子。一つ屋根の下で暮らすようになっても交流はしないし、互いに感情を押し殺しているからありきたりの展開にはならない。でも自分が罪に苛まれて発狂してしまわないために「安全な人」には側にいてほしいという気持ちはよくわかるのだった。
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身近にいた人間の死に、もしかしたら自分が関わっていた「かもしれない」。判然としない過去の事件の記憶に囚われ、他人との関わりと遮断してひっそりと暮らしていた2人の男女が出会い、顔を合わせずに一緒に暮らすという奇妙な関係を育んでいく。
読みにくい文章だなぁ…とずっとしかめ面で読んでいたように思う。すごく独特な文章。本を読んでいるというか、か細い囁きを聞いているような。男女が交互に語る形式で物語は進んでいくのだけれど、章に分かれているわけではないのと、2人のキャラクターが似ているのとで、あれ今どっちの話だっけ?と何度か戸惑うことになった。でも読み終わったとき、わたしはこの物語が、この静謐で奇妙な文章が、けっこう好きだと思った。誰かにとっては「危険」な人物でも、ある環境、ある人間関係においては相手に安心をもたらす存在になり得る、というテーマには大いに共感した。ちょっとこの作家さん、気になる。他の本も読んでみたい。