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こんなに楽しい職業はない:
サイエンスの世界にようこそ
科学は人の営み
日本のサイエンスのいま
最初から専門を決めなくてOK
サイエンスは社会的な存在である
研究者の醍醐味-世界で自分だけが知っている
研究は「おもろい」から:
選択はおもしろいほうを
やはり研究者になろう
ワンオブゼムではおもしろくない
種を蒔こうとするスタンスが基礎研究
研究現場は大股で歩け
ゼロから始めることで得る喜び
科学者は楽観主義であれ
おもしろさを追求できる自由
驚きと感動をこそ大切にしたい
一番乗りよりも誰もやっていない新しいことを:
終戦の年に生まれて、自然の中で
分子生物学との出会い
渡米、ニューヨークでの留学生活
人のやらないことをやろう
間違いなくおもしろい現象に出会った!
オートファジーに関わる遺伝子を特定
次々に明らかになる事実で世界を独走
その折々にベストを尽くす
効率化し高速化した現代で
待つことが苦手になった私たち:
知るために費やす時間
非効率な時間が興味を膨らませる
「思いがけない」が失われている
乗り遅れ症候群
与えられる知から、欲する知へ
〈知へのリスペクト〉
プロセスにこそ喜びはある
パラダイムを示してくれる人との出会い
素晴らしき「ヘンな奴ら」
安全志向の殻を破る:
好きなことができていい?
研究者は何が楽しい?
研究とお金
科学者には多様性が必要だ
得意なことではなく苦手なことで決められる進路
研究者を育てる環境
議論する日常、閉じこもる日常
若者の特権と安全志向
失敗を恐れる必要はない
未知の世界は先が見えないからこそ楽しい
「役に立つ」の呪縛から飛び立とう
「解く」ではなく「問う」を:
答えられるより問えることが大切
いかに問えるか
答えの先に新たなる問い
すぐに納得しないで
孔子の過激な教育観
非効率な体験が想定外の対応力を養う
失敗へのチャレンジ
自分の仕事と同じように人の仕事をおもしろがれるか
科学を文化に:
科学を身近に感じるために
終わりのない仮説と検証のサイクル
現代における科学の役割
まずは科学とは何かを考えてみよう
科学や技術の評価には時間がかかる
国に依存しない基礎科学研究の支援
先が見えない不安
大学の専門学校化
いい失敗と悪い失敗
ゲノム編集や再生医療
役に立たなくてもサイエンスには喜びがある
大隅財団という社会実験
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科学を文化に。この言葉に全てが込められている。憤せずんば啓せず、悱せずんば発せず。こんなに知らなかった自分を知る。
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2人の生命科学者が考える、科学者のあり方、今の科学者の現状、若い科学者へのメッセージなどが、わかりやすい言葉で語られている一冊。
経済を最優先とするかのような社会の動きを反映してか、科学者の世界でも、経済性が優先されている現状。
もともと「好奇心」を原動力に発展してきた科学は、「役に立つこと」を目的とはしていなかったが、経済性が過度に優先されるようになった結果、「すぐに役に立つこと」を求められるようになり、基礎研究はおざなりにされ、科学者の研究対象は、小粒で、つまらないものになってきている。
この点に関して、自分は科学者ではないですが、同じ課題意識を持っています。
企業にいても、似たような時代の流れを感じるので。
このことに対し、自分ができることは多くないと思いますが、少しでも科学者の状況の改善に貢献できるよう、考えることだけはしています。
いずれは、何か一つぐらい実現したい。
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この本を読んで、大学で若者が豊かな学びができるような、自分が本当に面白いと思えることが研究できるような、そんな環境を整えてあげたいと思った。
著者である二人の研究者は、今の若者に「もっとこうあれ!」とエールを贈る。
一方で、今の教育システム、研究者を取り巻く環境に危機感を抱き警鐘を鳴らす。
現実には、みんな、毎日を生きるために必死で、今日一日のことで精一杯である。
ずっと先じゃなくて、我が子や孫が大人になる、少し先のことを考えることさえ難しい。
それでも、考えないとダメだと思う。考えて行動を起こさないと。
日本の政治家や官僚は何もしてくれないだろう。未来の日本に向けて舵取りしていくはずの人たち、あなた達はちゃんと進路が見えていますか?
一市民に出来ることはほとんどないかもしれない。でも、考えることは、考え続けることは出来る。
そして機会があれば、小さなことでいい、何か一つ、自分の思い描く未来につながることをやってみよう。
私のアクションはただ終わるかもしれないが、誰かのアクションは大きな動きになるかもしれない。
だから、みんな、考えることを続けよう!
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大隅さんは、東大卒、オートファジーの仕組みの解明でノーベル生理学・医学賞受賞。永田さんは、京大卒。やはり京大出身の永田さんは、「おもしろい」を大事にしている。
・ディスカッションに喜びを見出す。
・迷ったら「おもしろい」ほうを選ぶ。
・流行の研究を追わないと決めていた。
・一番乗りを目指すのではなくて、人のやらないことをやる。
・「役に立つかどうか」を気にしすぎる傾向がある。科学は技術と結び付けられてしまっているが、科学を文化にしたい。スポーツ選手の活躍は、「何の役に立つのか」という突っ込みがはいらない。それは文化になっているから。科学もそうなるといい。